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犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪(結果) - 解答モード

捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否 最二小判昭和28年10月2日

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概要
直に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、その者をかくまった場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始っているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立する。
判例
事案:真に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、これをかくまったという事案において、捜査の存否と犯人蔵匿罪の成否の関係について問題となった。

判旨:「真に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、これをかくまった場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始まっているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立するものと解すべきである…。」
過去問・解説

(H24 共通 第10問 ア)
甲は、窃盗罪を犯して逃走中の友人乙及び丙をその事情を知りながら自宅にかくまった。その時点で、警察は、乙に対する捜査を開始していたが、丙が乙の共犯であることについては把握していなかった。甲には、乙をかくまったことについて犯人蔵匿罪が成立するが、丙をかくまったことについて同罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭28.10.2)は、「真に罰金以上の刑にあたる罪を犯した者であることを知りながら、官憲の発見、逮捕を免れるように、これをかくまった場合には、その犯罪がすでに捜査官憲に発覚して捜査が始まっているかどうかに関係なく、犯人蔵匿罪が成立する。」としている。
丙が乙の共犯であることについて警察は把握していなかったが、甲は、丙が窃盗罪という罰金以上の刑に当たる罪を犯した者であることを知りながらかくまっている。
したがって、甲に、丙をかくまったことについて犯人蔵匿罪が成立する。

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証人威迫罪の成立要件 東京高判昭和35年11月29日

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概要
証人威迫罪の成立には、証人らが公判審理の段階において威迫された後に証拠調を受ける可能性のあることまたは公判の結果に影響を及ぼそうとの目的があることを必要としない。
判例
事案:器物損壊罪で起訴されていた者が、証人らや証人の父親、証人の妻に対し、控訴人の犯行ではない旨の証言や、告訴の取下げ、証言の取消し等を強要し、強談威迫の行為をしたという事案において、証人威迫罪の成立要件につき、公判の結果に影響を及ぼそうとする目的が必要であるかが問題となった。

判旨:「105条の2所定のいわゆる証人威迫罪は、いやしくも自己若しくは他人の刑事被告事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有するものと認められる者、またはその親族に対し当該事件に関し故なく面会を強請し、または強談威迫の行為をすることによって成立するものであって、本罪はもとより証拠湮滅罪の一類型として犯罪者に対する国家権力の捜査権及び裁判権を妨害する行為を禁止し、もって司法に関する国権の作用を保全するにあるものと解すべきであるから、当該事件がいまだ起訴前の捜査段階にあると、すでに起訴され公判審理の段階にあるとにより犯罪の成否に消長を来すべきいわれがなく、したがって本罪が成立するためには、必ずしも所論のごとく、証人らが公判審理の段階において威迫された後に証拠調を受ける可能性のあることを必要とせず、また本罪が成立するために要する犯意としては、自己若しくは他人の刑事被告事件(起訴前の事件を含む)の捜査若しくは審判に必要な知識を有する者又はその親族であることを認識し、かつ、これに対し当該事件に関し故なく面会を強請し又は強談威迫の行為をなすことの認識かあれば足り、必ずしも所論のごとき公判の結果に何らかの影響を及ぼそうとの積極的な目的意識を必要としないものといわなければならない。」
過去問・解説

(R1 司法 第18問 2)
証人等威迫罪は、公判の結果に何らかの影響を及ぼそうとする意図がなければ、成立しない。

(正答)

(解説)
裁判例(東京高判昭35.11.29)は、「本罪が成立するために要する犯意としては、自己若しくは他人の刑事被告事件(起訴前の事件を含む)の捜査若しくは審判に必要な知識を有する者又はその親族であることを認識し、かつ、これに対し当該事件に関し故なく面会を強請し又は強談威迫の行為をなすことの認識かあれば足り、必ずしも所論のごとき公判の結果に何らかの影響を及ぼそうとの積極的な目的意識を必要としない…。」としている。

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不起訴処分と犯人隠避罪の成否 東京高判昭和37年4月18日

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概要
罰金以上の刑に係る罪を犯したものとして逮捕状が発布されている者であることを知りながら、その逮捕を免れしめる意図の下に、犯人を隠避せしめた以上、その後犯人が不起訴処分を受けたとしても、犯人隠避罪の成立に影響はない。
判例
事案:後に犯人が不起訴処分を受けた事案において、犯人隠避罪の成否が問題となった。

判旨:「論旨は右Aが前記殺人未遂被疑事件について不起訴となった事実を捉えて本件犯罪の不成立を主張するが、およそ刑法第103条の規定は司法に関する国権の作用を妨害する者を処罰する趣旨であるから(最高裁判所刑事判例集第3巻第9号1440頁参照)現に捜査が行われている被疑事件に関連して罰金以上の刑に該る罪を犯したものとして逮捕状が発布されている者であることを知りながらその逮捕を免れしめる意図の下に犯人を隠避せしめれば直ちに犯人隠避の罪が成立し、よしんばその後犯人が当該被疑事件につき不起訴処分を受けたとしても、一旦成立した犯人隠避罪に何ら消長を来すものではないと解するのが相当であつて、被告人が前記Aをして逮捕を免れしめるため、同人に逃走のための資金を供与した当時、Aに対する逮捕状が発布されていて、所論のB株式会社社長Cに対する殺人未遂被疑事件が現に捜査中のものであったことは証拠上疑いのないところであるから、所論のように被告人が本件で起訴された後、何らかの事由で右Aが不起訴処分を受けたとしても、そのために被告人の本件刑事責任が解消される理由は少しもないのである。」
過去問・解説

(H24 共通 第10問 オ)
甲は、乙につき、傷害罪で逮捕状が発付されていることを知りながら、乙をかくまった。その後、乙は犯罪の嫌疑が不十分であるという理由で不起訴処分となった場合、甲には犯人蔵匿罪は成立しない。

(正答)

(解説)
裁判例(東京高判昭37.4.18)は、「その後犯人が当該被疑事件につき不起訴処分を受けたとしても、一旦成立した犯人隠避罪に何ら消長を来すものではない…。」としている。
乙は、犯罪の嫌疑が不十分であるという理由で不起訴処分となっているが、一旦成立した犯人隠避罪に影響はない。
したがって、甲に犯人蔵匿罪が成立する。


(R5 司法 第20問 オ)
【事 例】
甲は、高齢女性Aから同人名義のキャッシュカード(以下「カード」という。)を不正に入手するため、甲が警察官を装いAに電話をかけ、これからA方を訪れる警察官の確認を受けながらカードを封筒に入れ、同封筒をA方において保管する必要があるとうそを言い、警察官に成り済ました乙(25歳、男性)がA方を訪れ、隙を見て同封筒を別の封筒とすり替えて持ち去り、カードを丙に渡して甲に届けさせる計画(以下「本件計画」という。)を考え、乙に本件計画の実行を指示し、乙はこれを承諾した。某日午前9時頃、本件計画に基づき、甲がAに電話をかけて上記うそを言い、乙は、同日午前9時15分頃、A方を訪ね、Aにカードを封筒に入れるよう求めた。しかし、乙の態度を不審に思ったAが、乙に身分証の提示を求めたので、乙は、逮捕を免れるとともに本件計画どおりにカードを手に入れるため、Aを手拳で多数回殴り、恐怖で抵抗できないAからカードを奪って持ち去った。同日午前9時20分頃、乙は、甲に電話で、本件計画どおりカードを入手したと伝えた。同日午前9時30分頃、甲は、丙に電話をかけ、本件計画の内容を初めて説明し、乙からカードを受け取って甲に届けるよう依頼し、丙はこれを承諾した。丙は、同日午前11時頃、乙と合流し、カードを受け取って乙と別れ、自動車でA方から約50キロメートル離れた甲方に向かったが、同日午後0時30分頃、甲方付近で降車した際、制服警察官BからA方での事件とは関係なく職務質問を受けた。その際、丙は、Bを殴り、Bに全治2週間を要する打撲傷を負わせ、その隙に上記自動車で逃走し、同日午後1時頃、甲と合流して甲にカードを届けた。その後、丙の交際相手丁は、丙が上記一連の犯行を行い、警察から捜査されていることを認識しつつ、丙を丁の自宅にかくまった。

【記 述】
丙のいずれの行為についても、証拠上、犯罪の嫌疑が不十分として不起訴となった場合、丁が丙をかくまった行為について犯人蔵匿罪は成立しない。

(正答)

(解説)
裁判例(東京高判昭37.4.18)は、「その後犯人が当該被疑事件につき不起訴処分を受けたとしても、一旦成立した犯人隠避罪に何ら消長を来すものではない…。」としている。
丙は犯罪の嫌疑が不十分であるという理由で不起訴処分となっているが、一旦成立した犯人隠避罪に影響はない。
したがって、丁に犯人蔵匿罪が成立する。

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