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刑法 1個の住居侵入行為と3個の殺人行為 最決昭和29年5月27日 - 解答モード

概要
1個の住居侵入行為と3個の殺人行為とがそれぞれ牽連犯の関係にある場合の罪数関係では、54条1項後段、10条を適用し1罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべきである。
判例
事案:住居侵入したうえで当該住居で3人を殺害した事案において、住居侵入罪と殺人罪の罪数関係が問題となった。

判旨:「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(H21 司法 第20問 ウ)
【事例】
Ⅲ.甲は、乙から金品を強取しようと企て、無施錠の玄関から同人方に立ち入り、同人所有の現金1万円を窃取し、その直後に帰宅した乙に対し暴行を加えてその反抗を抑圧した上、同人から現金3万円を強取した。Ⅲでは、甲を懲役23年に処することができる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
まず、甲には、乙から金品を強取しようと企てて乙宅に侵入したことで住居侵入罪が成立する。
そして、甲は乙宅において現金1万円を窃取したことで窃盗罪が、乙に対し暴行を加えてその反抗を抑圧した上、現金3万円を強取したことで強盗罪が、それぞれ成立し、これらは住居侵入罪と目的・手段の関係にあるとして、牽連犯となる。
したがって、甲は、最も重い強盗罪の有期懲役である長期20年以下によって処断すべきことになる。
よって、甲を懲役23年に処することはできない。


全体の正答率 : 100%

(H23 司法 第6問 2)
甲は、乙を殺害する目的で乙方に侵入し、屋内にいた乙を殺害した上、たまたま屋内に居合わせた丙及び丁も殺害した。この場合、甲には、住居侵入罪並びに乙、丙及び丁に対する殺人罪が成立し、住居侵入罪と乙に対する殺人罪が牽連犯として一罪となり、丙及び丁に対する殺人罪と併合罪になる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
まず、甲は、乙を殺害する目的で乙方に侵入したことで住居侵入罪が成立する。
そして、甲は乙宅において乙及び丙を殺害したことで2個の殺人罪が成立し、これらは全体として住居侵入罪と目的・手段の関係にあるとして、牽連犯となる。


(H24 司法 第5問 ①、②)
教授:それでは、犯人が被害者の住居に侵入した上で、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立って、現実にお金を盗んだ場合の住居侵入罪、殺人罪、窃盗罪の罪数関係は、判例ではどうなるかな。
学生B:住居侵入罪と殺人罪が(①ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)、住居侵入罪と窃盗罪が(①ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)となり、全体として(②ア.併合罪イ.牽連犯ウ.観念的競合エ.科刑上一罪オ.包括一罪)になります。

(正答)①イ ②エ

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
犯人は、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立って住居に侵入しており、実際に当該計画通りに犯罪を遂行している。
したがって、住居侵入罪と殺人罪が目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、住居侵入罪と窃盗罪も目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、全体として科刑上一罪となる。


全体の正答率 : 0%

(H24 司法 第5問 ④)
教授:住居侵入罪の法定刑の上限は懲役3年、窃盗罪の法定刑の上限は懲役10年、殺人罪で有期懲役刑を選択した場合の法定刑の上限は懲役20年だけど、判例の立場によれば、前科のない犯人が被害者の住居に侵入した上で、被害者を殺害し、その後に被害者のお金を盗もうと思い立ち、お金を盗んだ事案における処断刑の上限は、それぞれの罪について有期懲役刑を選択した場合にはどうなるだろう。
学生B:(カ.懲役20年キ.懲役25年ク.懲役30年ケ.懲役40年)です。

(正答)カ

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
前科のない犯人が被害者の住居に侵入したことで住居侵入罪が成立し、そこで被害者を殺害したことで殺人罪が成立し、その後被害者のお金を盗もうと思い立ってお金を盗んだことで窃盗罪が成立する。
そして、住居侵入罪と殺人罪が目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、住居侵入罪と窃盗罪も目的・手段の関係にあるとして牽連犯となり、全体として科刑上一罪となる。
したがって、処断刑の上限は、最も重い刑である殺人罪の有期懲役20年となる。


全体の正答率 : 100%

(H26 司法 第11問 3)
甲は、乙を殺害する目的で乙が居住する家に侵入し、乙及び偶然その場に居合わせた丙をそれぞれ殺害した。甲には、乙に対する住居侵入罪及び殺人罪が成立し、これらは牽連犯となり、これと丙に対する殺人罪が併合罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、乙を殺害する目的で乙宅に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、乙宅において乙及び丙を殺害しているため2個の殺人罪が成立する。
そして、これらは目的・手段の関係にあるから、それぞれ牽連犯となる。


全体の正答率 : 100%

(H27 共通 第17問 4)
甲は、離婚した元妻Xを殺害する目的で、深夜、Xの母親Y宅に侵入し、その場にいたX、Y及びYの子Zを順次殺害した。甲には1個の住居侵入罪と3個の殺人罪が成立するが、住居侵入罪と各殺人罪は牽連犯となり、全体が科刑上一罪となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、Xを殺害する目的でY宅に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、Y宅においてX、Y、及びZを殺害しているため3個の殺人罪が成立する。
したがって、甲には1個の住居侵入罪と3個の殺人罪が成立し、住居侵入罪と各殺人罪は牽連犯となり、全体が科刑上一罪となる。


全体の正答率 : 0%

(R2 共通 第15問 2)
甲は、強盗目的で、乙方に侵入した上、乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し、その際、両名に怪我を負わせ、乙が管理していた現金100万円を強取した。この場合、甲には、住居侵入罪及び1個の強盗致傷罪が成立し、これらは牽連犯となる。

(正答)

(解説)
判例(最決昭29.5.27)は、「3個の殺人の所為は所論1個の住居侵入の所為とそれぞれ牽連犯の関係にあり刑法54条1項後段、10条を適用し一罪としてその最も重き罪の刑に従い処断すべき…。」として、住居侵入後の当該住居における犯罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、強盗目的で、乙方に侵入しているため住居侵入罪が成立する。
次に、乙方において、乙及び丙をそれぞれ殴打して緊縛し、その際、両名に怪我を負わせ、乙が管理していた現金100万円を強取しており、乙と丙双方の法益を侵害しているから2個の強盗致傷罪が成立する。
したがって、甲には、住居侵入罪及び2個の強盗致傷罪が成立し、これらは牽連犯となる。

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