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刑法 刑法第42条第1項の「未ダ官ニ發覺セザル前」の意義 最二小判昭和24年5月14日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「『未タ官ニ発覚セサル前』とは犯罪の事実が全く官に発覚しない場合は勿論犯罪の事実は発覚していても犯人の何人たるかが発覚していない場合をも包含するのであるが犯罪事実及び犯人の何人なるかが官に判明しているが犯人の所在だけが判明しない場合を包含しないものと解すべきである。…警察署に出頭した形跡はあるがそれより前既に司法警察官に犯行及び犯人が被告人等なることが発覚していたというのであるから原審が被告人の自首を認めなかったのは正当で論旨は理由がない。」
過去問・解説
(H19 司法 第19問 エ)
【事例】
甲は、空腹を感じたが所持金がなかったことから、飲食店Aにおいて無銭飲食をした。そして、同店店主乙から飲食代金の支払を請求されるや、乙に対し、「金はない。」と言いながら所携のナイフを乙に突き付けて脅迫し、乙がひるんだすきにその場から逃走した。
しかし、この先も生活費が手に入る見込みがなかった甲は、いっそのこと刑務所で服役して飢えをしのごうと考え直し、付近の警察署に出頭するため、上記ナイフを手に持ったまま同署の前まで歩いていった。捜査機関は、この時点でいまだ甲による上記無銭飲食の事実を認識していなかったが、同署の警察官Xは、ナイフを手に持った甲の姿を見て不審者と認め、甲に対する職務質問を開始した。甲は、その職務質問に対し、警察官Xに無銭飲食の事実を告げ、ナイフも提出した。仮に、捜査機関に犯罪事実及び甲が犯人であることが発覚しており、甲の所在だけが不明であった場合には、自首は成立しない。
(正答)〇
(解説)
42条1項は、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭24.5.14)は、本肢と同種の事案において、「『未ダ官ニ發覺セザル前』とは犯罪の事實が全く官に發覺しない場合は勿論、犯罪の事實は発覺していても犯人の何人たるかが發覺していない場合をも包含するのであるが犯罪事實及び犯人の何人たるかが官に判明しているが犯人の所在だけが判明しない場合を包含しない…。」として、自首の成立を否定している。
したがって、捜査機関に犯罪事実及び甲が犯人であることが発覚しているから、自首は成立しない。