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刑法 新聞記者が料理店経営者に対して、経営に不利益な事項を掲載することを告げた場合における脅迫罪の成否(R6) 大判昭和7年7月20日 - 解答モード

概要
危害を加える旨の告知が義務のないことを行わせるために行われたときは脅迫罪ではなく、強要罪に当たる。
判例
事案:解雇した者を失業させるために上長を解雇せよという趣旨の書状を郵送したという事案において、何罪が成立するかが問題となった。

判旨:「被告人ハ多年陸軍運輸部ニ船員又ハ臨時人夫トシテ雇ハレ居タルカ昭和6年5月頃解雇セラレ爾來人夫供給者Aニ雇ハレ陸軍運輸部ノ雜役ニ從事スルコトトナリタリ然ルニ被告人ハ性短氣ニシテ業務ニ熱心ナラス屡監督者ヨリ注意セラレ同年6月4日ニ至リテハAヨリ突然解雇セラルルヤ右ハ同運輸部雇員B、C、D、E、F及嘗テ同僚タリシGカ被告人ヲ排斥シAヲシテ被告人ヲ解雇スルニ至ラシメタルモノト思惟シ同人等ヲ失業セシメ恨ヲ霽ラサンコトヲ企テ同運輸部長陸軍中將Hヲ脅迫シテ同人等ヲ解雇セシムル目的ヲ以テ同月下旬被告人ノ肩書居宅ニ於テ同部長ニ宛テ職工一同名義ニテ前記B外4名ノ雇員カ不正行爲ヲ爲スニ付速ニ同人等及Cヲ解雇セラレタク向1週間内ニ解雇セサレハ陸軍省ヘ同部長ノ休職運動ヲ爲シ其ノ目的ヲ達セサル時ハ職工一同犧牲トナリIカJ前總理大臣ヲ狙撃シタルカ如ク同部長ノ生命ニ危害ヲ加フヘキ旨認メタル書状1通(證第1號)ヲ作成シ同月29日之ヲ陸軍運輸部ニ郵送シタルモ同運輸部庶務課長石川少佐ニ於テ之ヲ開披閲讀シ其ノ内容不穩ナリシヲ以テ同部長ニ提出セサリシ爲被告人ハ所期ノ目的ヲ遂ケサリシモノナリ
 法律ニ照スニ被告人ノ判示所爲ハ刑法第223條第3項第1項ニ該當スルヲ以テ其ノ所定刑期範圍内ニ於テ被告人ヲ懲役2月ニ處スヘキモノトス」
過去問・解説

(R6 予備 第3問 5)
甲は、Aに告訴を思いとどまらせようと考え、Aに対し、「警察に届け出たら無事でいられると思うなよ。告訴するなよ。」と告げたが、Aは、警察官に告訴をした。この場合、甲にはAに対する脅迫罪が成立し、Aに対する強要未遂罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(大判昭7.3.17)は、同僚を解雇しなければ部長等に危害を加える旨の脅迫文を送付した事案において、「法律ニ照スニ被告人ノ判示所爲ハ刑法第223條第3項第1項ニ該當スル」として、強要罪の成立を認めている。
したがって、甲は、被告知者Aに告訴しないことを求めているものの、思いとどまらせることはできなかったから、甲にAに対する強要未遂罪が成立する。

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