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刑法 被害者の錯誤を利用した監禁罪 最二小決昭和33年3月19日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「刑法220条1項にいう『監禁』とは、人を一定の区域場所から脱出できないようにしてその自由を拘束することをいい、その方法は、必ずしも所論のように暴行又は脅迫による場合のみに限らず、偽計によって被害者の錯誤を利用する場合をも含むものと解するを相当とする。」
過去問・解説
(H25 司法 第2問 1)
甲は、自己が経営する飲食店で住み込みの従業員として違法に働かせていたA女が逃げたことから、これを連れ戻すため、A女に対し、「お母さんが病気で入院していると連絡があった。これからその病院に連れて行くから、車に乗れ。」と嘘を言い、これを信じたA女を自己の運転する普通乗用自動車に乗車させて約12キロメートル走行した。甲に監禁罪は成立しない。
(H30 共通 第2問 ア)
甲は、同僚Aを会社の備品倉庫内に閉じ込めて困らせようと考え、午後7時頃、Aが一人で作業をしていた同倉庫の全ての出入口扉に外側から鍵を掛けた。Aはそのことに気付かず、もともと同倉庫で深夜遅くまで仕事をするつもりであったので、そのまま作業を続けていたところ、午後10時頃、たまたま同倉庫にやって来た他の従業員が出入口扉の鍵を開けた。この場合、甲には監禁罪は成立し得ない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決昭33.3.19)は、本肢と同種の事案において、「『監禁』とは、人を一定の区域場所から脱出できないようにしてその自由を拘束することをいい、その方法は、必ずしも所論のように暴行又は脅迫による場合のみに限らず、偽計によって被害者の錯誤を利用する場合をも含む…。」として、客観的に自由な移動が侵害されている状況ならば、当時被害者が監禁の事実を認識していなくとも、監禁に当たることを示している。
Aは、監禁の事実に気づかなかったが、甲が倉庫の全ての出入口扉に外側から鍵を掛けたために、客観的にAは倉庫内から脱出不可能であり監禁に当たる。
したがって、甲に監禁罪が成立し得る。