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刑法 侮辱罪の成否 最一小決昭和34年2月19日 - 解答モード

概要
甲の乙に対する発言が、乙のほかに、同人が甲を被告訴人として告訴した脅迫被疑事件の取調担当検事及び検察事務官の2人だけが捜査担当官として在室中の検事取調室内で行われたときは、230条1項又は231条にいう「公然」となされたものということはできない。
判例
事案:甲が、乙のほかに同人が甲を被告訴人として告訴した脅迫被疑事件の取調担当検事及び検察事務官の2人だけが捜査担当官として在室中の検事取調室内で、乙に対し侮辱する発言をしたという事案において、侮辱罪の公然性を満たすかが問題となった。

判旨:「本件につき、公然性を欠くものとしたのは相当であって…。」
過去問・解説

(H18 司法 第1問 エ)
執行猶予中の甲は、居酒屋で飲食中、隣のテーブルの男Aと口論になり、Aの顔面をこぶしで殴打して鼻骨骨折等の傷害を負わせたが、店員らに現行犯逮捕され、K警察署の司法警察員に引き渡された。取調室において、甲が、司法警察員Yに傷害事件の見通しを尋ねたところ、Yは「被害者の傷害の程度も重いので、軽く考えない方がいいかもしれない。」などと答えた。甲はYの話を聞き、実刑になり刑務所に収容されるかもしれないと思い、憤激のあまり、Yに対し「ばか野郎。お前らはうそつきだ。」などと怒号した。甲に侮辱(刑法第231条)が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭34.2.19)は、侮辱発言が検事取調室内で行われたという事案において、「本件につき、公然性を欠くものとしたのは相当…。」として、特定かつ少数しかいない場では公然性を満たさないことを示している。
取調室において、甲がYと二人きりであったという状況では、特定かつ少数人のYのみに告げただけで、守秘義務を負うYから伝播する可能性もなく、「公然」となされたものとはいえない。
したがって、甲に侮辱罪は成立しない。

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