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刑法 威力業務妨害罪における「業務」の意義 最一小決昭和62年3月12日 - 解答モード

概要
妨害の対象となった職務は、県議会の条例案採決等の事務であり、なんら被告人らに対して強制力を行使する権力的公務ではないのであるから、右職務は威力業務妨害罪にいう「業務」に当たる。
判例
事案:喧騒状態を惹起し占拠することで県議会委員会の条例案の採決等を実力で妨害したという事案において、県議会委員会の条例案採決等の事務が威力業務妨害罪にいう「業務」に当たるかが問題となった。

判旨:「本件において妨害の対象となった職務は、新潟県議会総務文教委員会の条例案採決等の事務であり、なんら被告人らに対して強制力を行使する権力的公務ではないのであるから、右職務が威力業務妨害罪にいう『業務』に当たるとした原判断は、正当である(最高裁昭和31年(あ)第3015号同35年11月18日第二小法廷判決・刑集14巻13号1713頁、同昭和36年(あ)第823号同41年11月30日大法廷判決・刑集20巻9号1076頁参照)。」
過去問・解説

(H19 司法 第11問 4)
県議会の審議中、傍聴席において、大声を上げながら椅子を叩くなどして審議を中断させた場合、妨害の対象となったのは公務であるから、威力業務妨害罪ではなく公務執行妨害罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭62.3.12)は、県議会委員会の条例案採決の事案において、「本件において妨害の対象となった職務は、新潟県議会総務文教委員会の条例案採決等の事務であり、なんら被告人らに対して強制力を行使する権力的公務ではないのであるから、右職務が威力業務妨害罪にいう『業務』に当たる…。」としている。
したがって、県議会の審議も業務妨害罪の保護対象であって、大声を上げながら椅子を叩くなどして審議を中断させた場合、威力業務妨害罪が成立する。


(H27 司法 第2問 3)
強制力を行使しない非権力的公務は、公務執行妨害罪における「公務」に当たるとともに業務妨害罪における「業務」にも当たる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭53.6.29)は、「刑法95条1項…にいう職務には、ひろく公務員が取り扱う各種各様の事務のすべてが含まれるものである…。」としている。
また、判例(最決昭62.3.12)は、県議会委員会の条例案採決の事案において、「本件において妨害の対象となった職務は、新潟県議会総務文教委員会の条例案採決等の事務であり、なんら被告人らに対して強制力を行使する権力的公務ではないのであるから、右職務が威力業務妨害罪にいう『業務』に当たる…。」としている。
したがって、強制力を行使しない非権力的公務は、公務執行妨害罪における「公務」に当たるとともに、業務妨害罪における「業務」にも当たる。

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