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刑法 窃盗罪の成否(パチスロ機) 最一小決平成21年6月29日 - 解答モード
概要
Aがゴト行為により取得したメダルについて窃盗罪が成立し、被告人もその共同正犯であったということはできるものの、被告人が自ら取得したメダルについては、被害店舗が容認している通常の遊戯方法により取得したものであるから、窃盗罪が成立するとはいえない。
判例
事案:パチスロ店内で、パチスロ機から不正な方法によりメダルを窃取した者の共同正犯である者が、上記犯行を隠ぺいする目的をもって、その隣のパチスロ機において、自ら通常の方法により遊戯していたという事案において、この通常の遊戯方法により取得したメダルについて、窃盗罪の成否が問題となった。
判旨:「Aがゴト行為により取得したメダルについて窃盗罪が成立し、被告人もその共同正犯であったということはできるものの、被告人が自ら取得したメダルについては、被害店舗が容認している通常の遊戯方法により取得したものであるから、窃盗罪が成立するとはいえない。そうすると、被告人が通常の遊戯方法により取得したメダルとAがゴト行為により取得したメダルとが混在した前記ドル箱内のメダル414枚全体について窃盗罪が成立するとした原判決は、窃盗罪における占有侵害に関する法令の解釈適用を誤り、ひいては事実を誤認したものであり、本件において窃盗罪が成立する範囲は、前記下皿内のメダル72枚のほか、前記ドル箱内のメダル414枚の一部にとどまるというべきである。」
判旨:「Aがゴト行為により取得したメダルについて窃盗罪が成立し、被告人もその共同正犯であったということはできるものの、被告人が自ら取得したメダルについては、被害店舗が容認している通常の遊戯方法により取得したものであるから、窃盗罪が成立するとはいえない。そうすると、被告人が通常の遊戯方法により取得したメダルとAがゴト行為により取得したメダルとが混在した前記ドル箱内のメダル414枚全体について窃盗罪が成立するとした原判決は、窃盗罪における占有侵害に関する法令の解釈適用を誤り、ひいては事実を誤認したものであり、本件において窃盗罪が成立する範囲は、前記下皿内のメダル72枚のほか、前記ドル箱内のメダル414枚の一部にとどまるというべきである。」
過去問・解説
(H26 共通 第2問 5)
パチスロ機を誤作動させてメダルを窃取することを共謀した者が、実行者の犯行を隠ぺいするため、実行者の隣で通常の遊戯方法によりメダルを取得した場合、そのメダルを被害品とする窃盗罪は成立しない。
(H30 共通 第8問 イ)
甲は、パチスロ機に針金を差し込んで誤作動させてメダルを窃取することを乙と共謀し、乙による窃盗の犯行を周囲から見えにくくするため、乙の隣のパチスロ機で通常の遊戯を行い、それによりメダルを取得した。この場合、甲自身が遊戯したパチスロ機で取得したメダルについても窃盗罪が成立する。