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刑法 不法領得の意思 最二小決昭和55年10月30日 - 解答モード

概要
他人所有の普通乗用自動車を、数時間にわたって完全に自己の支配下に置く意図のもとに、駐車場から所有者に無断で乗り出し、その後約4時間余りの間乗り廻していたなどの事情があるときは、たとえ、使用後に元の場所に戻しておくつもりであったとしても、右自動車に対する不法領得の意思があったということができる。
判例
事案:使用後に元の場所に戻しておくつもりはあったが、他人所有の普通乗用自動車を、数時間にわたって完全に自己の支配下に置く意図のもと、駐車場から所有者に無断で乗り出し、その後約4時間余りの間乗り廻していたという事案において、不法領得の意思が認められるかが問題となった。

判旨:「被告人は、深夜、a市内の給油所の駐車場から、他人所有の普通乗用自動車(時価約250万円相当)を、数時間にわたって完全に自己の支配下に置く意図のもとに、所有者に無断で乗り出し、その後4時間余りの間、同市内を乗り廻していたというのであるから、たとえ、使用後に、これを元の場所に戻しておくつもりであったとしても、被告人には右自動車に対する不正領得の意思があったというべきである(最高裁昭和42年(あ)第2478号同43年9月17日第三小法廷決定・裁判集168号691頁参照)。」
過去問・解説

(H28 共通 第16問 1)
甲は、警察官から職務質問をされそうになったのでその場から急いで立ち去ろうと考え、たまたま路上に駐車されていた他人所有の自動車に乗り込み、適当な場所で乗り捨てるつもりで、同自動車を運転してその場から走り去った。この場合、甲には、不法領得の意思が認められ、窃盗罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判大9.2.4)は、本肢と同種の事案において、「他人ノ自転車ヲ一時使用スルニ止マラスシテ終局的ニ被害者ノ所持ヲ奪ヒ事実上自己ノ完全ナル支配ニ移シ之ヲ使用処分シテ自ラ所有者ノ実ヲ挙クル意思アルトキハ即チ不正領得ノ意思アルモノトス」として、被害者の占有を終局的に奪い、自らが所有者のように支配した場合に、窃盗罪の成立を認めている。
したがって、他人所有の自動車に乗り込み、適当な場所で乗り捨てるつもりで、運転してその場から走り去った場合であっても、不法領得の意思は認められ、甲に窃盗罪が成立する。

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