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刑法 背任罪の成立事例 東京地判昭和60年3月6日 - 解答モード

概要
忠実に業務を遂行する任務に反し、新聞販売店購読者管理システムのプログラムを記録してあるフロッピーシートから、無断で同プログラムを他のコンピューターに入力した場合、プログラム入力代金相当額の財産上の損害を与えたとして背任罪が成立する。
判例
事案:新聞販売店購読者管理システムのプログラムを記録してあるフロッピーシートから、無断で同プログラムを他のコンピューターに入力したという事案において、背任罪の成否が問題となった。

判旨:「被告人甲…は…フロッピーシートを管理し、これを使用して同社の顧客であるA新聞販売店経営者方に設置されるオフィスコンピューターに右オブジェクトプログラムを入力しその使用方法につき技術指導するなどの業務を担当していたものであり,右オブジェクトプログラムの入力使用等に当たっては、同社が業務として同社の顧客方に設置するオフィスコンピューターに対してのみ、右フロッピーシートを使用するなど、同社のため忠実にその業務を遂行すべき任務を有していたものであり、被告人乙及び丙は、同社と競合してこれと同様の営業を行うことを企図していたものであるが、被告人両名及び丙は、共謀の上、被告人甲の前記任務に背き、自己らの利益を図る目的で、昭和59年1月26日ころ、東京都(番地略)所在の丙方において、右丙及び被告人乙が同社と無関係に読売新聞販売店であるBに賃借(リース)させ、同人方に設置予定であったオフィスコンピューターエリア三D型1台に、被告人甲において、前記フロッピーシート5枚分の前記オブジェクトプログラムを入力し、もって株式会社Cに対し、右オブジェクトプログラム入力代金相当額…の財産上の損害を加えたものである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 100%

(H18 司法 第5問 ウ)
乙株式会社では、開発したコンピュータプログラムは乙会社の顧客にだけ使用させるとの内規があったにもかかわらず、そのプログラムを自己のCD-ROMで管理していた乙会社営業課長甲は、内規に違反し、乙会社の顧客ではない知人Aの依頼に応じ、乙会社に無断で、そのCD-ROMを社外に持ち出して、プログラムをA方のコンピュータに入力した。甲に横領罪が成立する。

(正答)

(解説)
裁判例(東京地判昭60.3.6)は、本肢と同種の事案において、「被告人両名及び丙は、共謀の上、被告人甲の前記任務に背き、自己らの利益を図る目的で、…右丙及び被告人乙が同社と無関係に読売新聞販売店であるBに賃借(リース)させ、同人方に設置予定であったオフィスコンピューターエリア三D型1台に、被告人甲において、前記フロッピーシート5枚分の前記オブジェクトプログラムを入力し、もって株式会社Cに対し、右オブジェクトプログラム入力代金相当額…の財産上の損害を加えたものである。」として、背任罪の成立を肯定している。
甲は、Aの利益を図るために、任務に背いて内規に違反して入力し、乙社に入力代金相当額の損害を与えている。
したがって、甲には、横領罪ではなく背任罪が成立する。

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