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刑法 本犯者に対する盗品等無償譲受け罪の成否 最二小判昭和24年10月1日 - 解答モード

概要
盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬しても、盗品等有償譲受け罪のほか、盗品等運搬罪は成立しない。
判例
事案:盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、盗品等有償譲受け罪のほか、盗品等運搬罪が成立するかが問題となった。

判旨:「被告人が、その故買にかかる賍物を他に運搬した事実を認定し、これに対して刑法第256条第2項の規定を適用していることは、原判文上明らかであるが、同一人が既に故買した物件を他に運搬するがごときは、犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらかである。」
過去問・解説

(H22 司法 第20問 エ)
甲は、金庫の中にあった多量の宝石と多額の現金を奪った後、犯行の痕跡を消し去ろうと考えて乙宅に火を放ち、乙宅は全焼した。その後、甲は、上記宝石を丙に売却することとしたが、その際、上記事情を知る丁に依頼して、丁が運転する自動車に乗り、丁と一緒に同宝石を丙宅まで運搬した。
甲に盗品等運搬罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.1)は、盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、「犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらか…。」として、盗品等に関する罪は本犯以外の者が主体になることを前提としている。
甲は窃盗犯人であり、窃盗犯人が盗品を運搬することは、犯罪によって得たものの事後処分に過ぎないといえる。
したがって、甲に盗品等運搬罪は成立しない。


(H24 共通 第15問 5)
甲と乙は、V経営の食料品店で買った弁当を食べたら食中毒になった旨の嘘を言って因縁を付けてVを脅迫するとともに、同人に軽度の暴行を加え、これらの暴行・脅迫により同人を畏怖させて、損害賠償金の名目で50万円を支払わせ、これを分配することを計画した。乙は、計画に従い、同店に行き、Vに対し、「この店の弁当を食べたら食中毒になった。店の営業を続けたければ50万円払え。払わないと、この店の弁当で食中毒になったと書いたビラをばらまくぞ。」と語気鋭く申し向けた上、Vの額を手の平成で軽くたたいた。Vは、これをよけようとした際、バランスを崩して転倒し、全治約1週間を要する後頭部打撲の怪我を負った。
Vは、乙が食中毒になったことは嘘であると気付いたが、乙の要求に応じないと、更に暴力を振るわれたり、店を中傷するビラをまかれるかもしれないと畏怖し、手持ちの現金30万円を乙に渡し、残りの20万円は翌日支払うことで乙を納得させた。
乙は、同店を出て、甲と会い、前記経緯を説明した上、Vから受け取った30万円のうち15万円を分け前として甲に渡した。
乙から15万円を受け取ったことについて、甲には、盗品等無償譲受け罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭24.10.1)は、盗品を買い受けた者が、その盗品を他に運搬した事案において、「犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないのであって、刑法はかゝる行為をも同法第256条第2項によって処罰する法意でないことはあきらか…。」として、盗品等に関する罪は本犯以外の者が主体になることを前提としている。
甲は、乙と共謀の上で Vを恐喝して50万円を支払わせており、恐喝罪について乙と共同正犯となる。
したがって、乙から15万円を受け取ったことは、犯罪に因て得たものの事後処分たるに過ぎないといえる。
よって、甲に盗品等無償譲受け罪は成立しない。

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