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刑法 盗品等運搬罪の成否 最三小判昭和30年7月12日 - 解答モード

概要
窃取した物品を運搬するのは所謂事後処分であるけれどもその物品は依然盗賍品であり、これをその情を知りながら共犯者と共に運搬した被告人についてはその品全部について盗品等運搬罪が成立する。
判例
事案:窃盗犯人と共同して盗品を分担して運搬した事案において、盗品等運搬罪の成否とその範囲が問題となった。

判旨:「第1審判決のとおり被告人が窃盗犯人甲及び乙と共同して銅線34把を運搬したものであることは記録上認められるから所論の違法もなく原判示は正当である。」
過去問・解説

(H28 共通 第20問 イ)
甲は、内縁の妻Aと同居していたところ、遊興費に窮し、A所有のドレス20着及び指輪1個と、A管理のA名義のクレジットカード1枚(その規約上、会員である名義人のみが利用でき、他人への譲渡、貸与等が禁じられ、また、加盟店は、利用者が会員本人であることを善良な管理者の注意義務をもって確認することが定められている。)を、Aの部屋から盗み出した。
甲は、丙にドレス及び指輪の売却を仲介してもらおうと考え、これらの盗品を丙方に運ぼうとした。しかし、甲は、ドレスの数が多く一人で運ぶのが困難であったため、乙に対し、ドレスと指輪が盗品であることを話した上で、丙宅への運搬を手伝ってほしいと頼んだ。乙がこれを了解したので、甲及び乙は、指輪とドレスのうち10着を甲が、残りのドレス10着を乙が、それぞれ運転する自動車に載せて丙宅へ運ぶこととし、これらの盗品を丙宅へ運んだ。
乙が盗品のドレス10着を、窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を、それぞれ丙宅まで運搬したことにつき、乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから、乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭30.7.12)は、「甲等がその窃取した本件物品を運搬するのは所謂事後処分であるけれどもその物品は依然盗賍品であり、これをその情を知りながら甲等と共に運搬した被告人についてはその品全部について運搬罪を成立するものと解するを相当とする。」として、運搬した物全てについて盗品等運搬罪が成立するとした原審(福岡高判昭28.6.13)の判断を正当であるとしている。
したがって、乙が盗品のドレス10着を、窃盗犯人である甲が指輪とドレス10着を、それぞれ丙宅まで運搬したことにつき、乙は甲と共同してこれら盗品を運搬したのであるから、乙にはドレス20着全てと指輪につき盗品等運搬罪が成立する。

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