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刑法 「頒布」の意義 大判大正6年5月19日 - 解答モード
概要
不特定多数に対して有償譲渡をする目的に出た以上は単に1人に対し1回の有償譲渡行為をした場合であってもわいせつ物頒布罪の「頒布」に当たる。
判例
事案:不特定多数に対して有償譲渡をする目的で、1人に対し1回の有償譲渡行為をしたという事案において、当該行為がわいせつ物頒布罪における「頒布」に当たるかが問題となった。
判旨:「不定多衆ニ対シテ有償的譲渡ヲ為ス目的ニ出ツル以上ハ単ニ1人ニ対シ1回ノ有償的譲渡行為ヲ為シタル場合ト雖モ刑法第175条ニ所謂販売ト謂フヲ妨ケサルモノトス」
判旨:「不定多衆ニ対シテ有償的譲渡ヲ為ス目的ニ出ツル以上ハ単ニ1人ニ対シ1回ノ有償的譲渡行為ヲ為シタル場合ト雖モ刑法第175条ニ所謂販売ト謂フヲ妨ケサルモノトス」
過去問・解説
(H29 共通 第6問 オ)
甲がインターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めたところ、その購入を申し込んできた顧客は1名だけであったが、甲は、その者に対して、電子メールに同映像のデータを添付して送信した。わいせつ物頒布罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大6.5.19)は、「不定多衆ニ対シテ有償的譲渡ヲ為ス目的ニ出ツル以上ハ単ニ1人ニ対シ1回ノ有償的譲渡行為ヲ為シタル場合ト雖モ刑法第175条ニ所謂販売ト謂フヲ妨ケサルモノトス」として、不特定多数に有償で譲渡する目的を持っていたのであれば、実際に1人に対して1回販売しただけであっても、わいせつ物頒布罪が成立することを示している。
甲は、インターネットを介したわいせつな映像の販売業を営み始めているから、不特定多数に対して有償譲渡をする目的に出たといえ、偶然購入を申し込んできた顧客が1名だけであったにすぎないから、「頒布」に当たる。
したがって、甲に、わいせつ物頒布罪が成立する。