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刑法 「頒布」の意義 大判大正15年3月5日 - 解答モード
概要
わいせつ物頒布罪は不特定多数の人に対してこれを配付することを要し、その文書の配付を受けるべき人が特定されなくてもよい。また、成り行き上不特定多数の人に配付されたものであるときはその現に配付を受けた者が数人にすぎないときも同様にいわゆる配付があったと解する。
判例
事案:猥褻の文書図画を頒布した事案において、わいせつ物頒布罪における「頒布」の意義が問題となった。
判旨:「刑法第175条所定猥褻ノ文書図画等ヲ頒布スル罪ハ不定多数ノ人ニ対シテ之ヲ配付スルコトヲ要シ其ノ文書図画等ノ配付ヲ受クヘキ人カ特定セラレスシテ当然若ハ成行上不定多数ノ人ニ配付セラルヘキモノナルトキハ其ノ現ニ配付ヲ受ケタル者カ数人ニ過キサルモ同様ニ所謂頒布アリタリト解スルヲ妨ケス」
判旨:「刑法第175条所定猥褻ノ文書図画等ヲ頒布スル罪ハ不定多数ノ人ニ対シテ之ヲ配付スルコトヲ要シ其ノ文書図画等ノ配付ヲ受クヘキ人カ特定セラレスシテ当然若ハ成行上不定多数ノ人ニ配付セラルヘキモノナルトキハ其ノ現ニ配付ヲ受ケタル者カ数人ニ過キサルモ同様ニ所謂頒布アリタリト解スルヲ妨ケス」
過去問・解説
(H20 司法 第2問 4)
甲は、友人の乙が誕生日を迎えることを知り、わいせつ図画であるDVD1枚を購入した上、これをお祝いとして乙にプレゼントした。この場合、甲には、わいせつ図画頒布罪は成立しない。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大15.3.5)は、「刑法第175条所定猥褻ノ文書図画等ヲ頒布スル罪ハ不定多数ノ人ニ対シテ之ヲ配付スルコトヲ要シ其ノ文書図画等ノ配付ヲ受クヘキ人カ特定セラレスシテ当然若ハ成行上不定多数ノ人ニ配付セラルヘキモノナルトキハ其ノ現ニ配付ヲ受ケタル者カ数人ニ過キサルモ同様ニ所謂頒布アリタリト解スルヲ妨ケス」として、わいせつ図画頒布罪の成立には、不特定多数者に頒布する目的が必要であることを示している。
「175条において処罰するわいせつの文書を頒布する罪が成立するには右文書を不特定多数人に対し配付することを要するはもちろんであるとこ甲は、特定かつ少数人である友人の乙に1回限り交付したにすぎず、「頒布」には当たらない。
したがって、甲には、わいせつ図画頒布罪は成立しない。
(H28 共通 第8問 3)
甲は、友人乙からの土産に対するお礼として、わいせつな映像が録画されたDVD1枚を乙にプレゼントした。この場合、甲にはわいせつ物頒布罪は成立しない。