現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

刑法 「焼損」の意義 最三小判昭和23年11月2日 - 解答モード

概要
被告人が家屋の押入内壁紙にマッチで放火したため火は天井に燃え移り右家屋の天井板を焼燬した事実を認定しているのであるから、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が独立燃焼する程度に達したことが認められるから、放火既遂罪が成立する。
判例
事案:建造物の天井を焼燬したという事案において、「焼損」が認められるかが問題となった。

判旨:「被告人が原判示家屋の押入内壁紙にマッチで放火したため火は天井に燃え移り右家屋の天井板約1尺4方を焼燬した事実を認定しているのであるから、右の事実自体によって、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が独立燃焼する程度に達したことが認められるので、原判示の事実は放火既遂罪を構成する事実を充たしたものというべきである。されば、原判決が右の事実に対し刑法第108条を適用して放火既遂罪として処断したのは相当…。」
過去問・解説

(H18 司法 第19問 ア)
甲は、木造アパートの空室の壁際に置いてあったダンボール箱に火をつけ、火を板壁に燃え移らせて放火したが、板壁の一部を焼損した時点で、アパートの住民に消し止められた。甲は、そのアパートに人が居住している部屋があることを認識していたが、人が居住する部屋に延焼するかもしれないとは認識しておらず、空室のみを焼損するつもりだった。甲に現住建造物等放火既遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.11.2)は、本肢と同種の事案において、「被告人が原判示家屋の押入内壁紙にマッチで放火したため火は天井に燃え移り右家屋の天井板約1尺4方を焼燬した事実を認定しているのであるから、右の事実自体によって、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が独立燃焼する程度に達したことが認められるので、原判示の事実は放火既遂罪を構成する事実を充たした…。」としている。
甲が放った火は、板壁の一部を焼損し、火勢は放火の媒介物を離れて、家屋が独立して燃焼する程度に達している。
したがって、甲に現住建造物等放火既遂罪が成立する。


(H20 司法 第10問 オ)
甲は、多数人が住居として使用する乙所有の集合住宅1棟を全焼させる意思で、同住宅のうち、だれも現在しない空き部屋に放火した。他の住居部分に燃え移る可能性はあったが、甲が放火した空き部屋の床及び天井の大部分が燃焼した時点で消火されたため、他の住居部分は燃焼しなかった。この場合、甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭23.11.2)は、「被告人が原判示家屋の押入内壁紙にマッチで放火したため火は天井に燃え移り右家屋の天井板約1尺4方を焼燬した事実を認定しているのであるから、右の事実自体によって、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が独立燃焼する程度に達したことが認められるので、原判示の事実は放火既遂罪を構成する事実を充たした…。」としている。
甲が放った火は、空き部屋の床および天井の大部分を焼損し、火勢は放火の媒介物を離れて家屋が独立して燃焼する程度に達している。
したがって、甲に現住建造物等放火既遂罪が成立する。

該当する過去問がありません

前の判例 次の判例