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刑法 代理・代表名義と文書偽造罪 最二小決昭和45年9月4日 - 解答モード

概要
他人の代表者または代理人として文書を作成する権限のない者が、他人を代表もしくは代理すべき資格、又は、普通人をして他人を代表もしくは代理するものと誤信させるに足りるような資格を表示して作成した文書の名義人は、代表もしくは代理された本人であると解するのが相当である。
判例
事案:理事の登記をされていた被告人らが、権限がないにもかかわらず「理事会決議録」なる文書を偽造した事案において、文書の作成名義人は誰であるかが問題となった。

判旨:「他人の代表者または代理人として文書を作成する権限のない者が、他人を代表もしくは代理すべき資格、または、普通人をして他人を代表者もしくは代理するものと誤信させるに足りるような資格を表示して作成した文書は、その文書によって表示された意識内容にもとづく効果が、代表もしくは代理された本人に帰属する形式のものであるから、その名義人は、代表もしくは代理された本人であると解するのが相当である…。」
過去問・解説

(H21 司法 第9問 5)
Aの代理人でない甲は、行使の目的で、「A代理人甲」と署名し、その横に「甲」と刻した印鑑を押してA所有の不動産の売買契約書を作成した。同契約書については、Aが作成名義人であるので、甲には有印私文書偽造罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭45.9.4)は、「他人の代表者または代理人として文書を作成する権限のない者が、他人を代表もしくは代理すべき資格、または、普通人をして他人を代表者もしくは代理するものと誤信させるに足りるような資格を表示して作成した文書…の名義人は、代表もしくは代理された本人であると解するのが相当である…。」としている。
したがって、契約書の作成者は甲、名義人はAであるため、作成者と名義人の人格の同一性を偽っていることから、「偽造」に当たる。
よって、甲には有印私文書偽造罪が成立する。


(H28 共通 第4問 ウ)
Yの代理人でないXは、Yに無断で、行使の目的をもって、金銭消費貸借契約書用紙に「Y代理人X」と記載し、その横に「X」と刻した印鑑を押すなどして、Yを債務者とする金銭消費貸借契約書を作成した。有印私文書偽造罪が成立するか。

(正答)

(解説)
判例(最決昭45.9.4)は、「他人の代表者または代理人として文書を作成する権限のない者が、他人を代表もしくは代理すべき資格、または、普通人をして他人を代表者もしくは代理するものと誤信させるに足りるような資格を表示して作成した文書…の名義人は、代表もしくは代理された本人であると解するのが相当である…。」としている。
したがって、契約書の作成者はX、名義人はYであるため、作成者と名義人の人格の同一性を偽っていることから、「偽造」に当たる。
よって、甲には有印私文書偽造罪が成立する。

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