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刑法 「暴行」の程度・客体 最一小判昭和41年3月24日 - 解答モード

概要
公務執行妨害罪の成立には、公務員が職務の執行をなすに当り、その職務の執行を妨害するに足りる暴行脅迫がなされることを要するけれども、その暴行脅迫は、必ずしも直接に当該公務員自身に対して加えられることを要せず当該公務員の指揮に従いその手足となり、その職務の執行に密接不可分の関係において関与する補助者に対してなされるものでもよい。
判例
事案:強制執行の際執行官の補助者に対して妨害したという事案において、暴行脅迫の程度およびその客体が問題となった。

判旨:「95条1項に規定する公務執行妨害罪の成立には、公務員が職務の執行をなすに当り、その職務の執行を妨害するに足りる暴行脅迫がなされることを要するけれども、その暴行脅迫は、必ずしも直接に当該公務員の身体に対して加えられる場合に限らず、当該公務員の指揮に従いその手足となりその職務の執行に密接不可分の関係において関与する補助者に対してなされた場合もこれに該当すると解するを相当とする。」
過去問・解説

(H25 共通 第16問 オ)
甲は、執行官から確定判決に基づき居室明渡しの強制執行を受けていた際、執行官の補助者であった民間人乙の頭部を棒で殴った。公務執行妨害罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最判昭41.3.24)は、「95条1項に規定する公務執行妨害罪の成立には、…必ずしも直接に当該公務員の身体に対して加えられる場合に限らず、当該公務員の指揮に従いその手足となりその職務の執行に密接不可分の関係において関与する補助者に対してなされた場合もこれに該当する…。」としている。
甲は、直接に公務員たる執行官に有形力を行使したわけではないものの、その職務の執行に密接不可分の関係において関与する、補助者であった民間人乙に対して暴行を加えている。
したがって、甲に公務執行妨害罪が成立する。


(H28 司法 第10問 2)
甲は、税務署の職員乙が甲宅において税務調査をしていたところ、乙の近くでその調査を補助していた民間人である丙に対し、「殺すぞ。」などと危害を加える旨申し向け、これにより乙の職務の執行を一時中断させた。甲は乙を直接脅迫したものではないから、甲には公務執行妨害罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭41.3.24)は、「95条1項に規定する公務執行妨害罪の成立には、…必ずしも直接に当該公務員の身体に対して加えられる場合に限らず、当該公務員の指揮に従いその手足となりその職務の執行に密接不可分の関係において関与する補助者に対してなされた場合もこれに該当する…。」としている。
甲は、公務員たる税務署の職員乙に有形力を行使したわけではないものの、その職務の執行に密接不可分の関係において関与する、乙の調査を補助していた民間人である丙に対して、「殺すぞ。」などと危害を加える旨申し向けている。
したがって、甲に公務執行妨害罪が成立する。

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