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刑法 片面的幇助 大判大正14年1月22日
過去問・解説
(H22 司法 第5問 オ)
【事例】
甲は、人通りの少ない道路を通行中、知人の乙が見知らぬ丙を「金を出せ。」と言いながらロープで縛り上げ、丙を道路脇の草むらの中に連れ込むのを偶然目撃した。
【記述】
甲が、草むらをのぞくと、乙が丙の上着のポケットを探って所持金を奪おうとしていた。甲が、乙に気付かれることなく草むらから道路に戻ろうとしたところ、付近住民の丁が、野草摘みのため草むらに入ろうとしていた。甲が、後で乙から分け前を得るため、丁に「スズメバチの巣があるから危ない。」と嘘を言って丁を追い払ったため、その間に乙は丙の所持金を奪うことができた。強盗罪の従犯が成立する。
【事例】
甲は、人通りの少ない道路を通行中、知人の乙が見知らぬ丙を「金を出せ。」と言いながらロープで縛り上げ、丙を道路脇の草むらの中に連れ込むのを偶然目撃した。
【記述】
甲が、草むらをのぞくと、乙が丙の上着のポケットを探って所持金を奪おうとしていた。甲が、乙に気付かれることなく草むらから道路に戻ろうとしたところ、付近住民の丁が、野草摘みのため草むらに入ろうとしていた。甲が、後で乙から分け前を得るため、丁に「スズメバチの巣があるから危ない。」と嘘を言って丁を追い払ったため、その間に乙は丙の所持金を奪うことができた。強盗罪の従犯が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
甲は、正犯者乙に認識されていないものの、甲が、嘘を言って丁を追い払ったため乙の強盗が容易に実行できたという関係にある。
したがって、甲に強盗罪の従犯が成立する。
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
甲は、正犯者乙に認識されていないものの、甲が、嘘を言って丁を追い払ったため乙の強盗が容易に実行できたという関係にある。
したがって、甲に強盗罪の従犯が成立する。
(H24 共通 第2問 イ)
甲は、乙が自宅で賭博場を開張して利益を得ていることを知り、乙の役に立とうと考え、乙に連絡することなく、乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し、賭博をさせた。甲に賭博場開張図利罪の共同正犯が成立する。
甲は、乙が自宅で賭博場を開張して利益を得ていることを知り、乙の役に立とうと考え、乙に連絡することなく、乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し、賭博をさせた。甲に賭博場開張図利罪の共同正犯が成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
甲は、正犯者乙に認識されていないものの、甲が、乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し、賭博をさせたことで乙に利益を得させたという関係にある。
したがって、甲には賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
甲は、正犯者乙に認識されていないものの、甲が、乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し、賭博をさせたことで乙に利益を得させたという関係にある。
したがって、甲には賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
(H26 司法 第7問 2)
Aは、Bが賭博場を開くことを知って、これを手伝うつもりでBには告げずに客を誘って賭博場に案内して賭博をさせた。この場合、Aには賭博場開張図利罪の幇助犯(62条、186条2項前段)が成立する。
Aは、Bが賭博場を開くことを知って、これを手伝うつもりでBには告げずに客を誘って賭博場に案内して賭博をさせた。この場合、Aには賭博場開張図利罪の幇助犯(62条、186条2項前段)が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
Aは、正犯者Bに認識されていないものの、Aが、Bの開張する賭博場に客を案内し、賭博をさせたことでBに利益を得させたという関係にある。
したがって、甲には賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
判例(大判大14.1.22)は、従犯の成立要件としては、従犯者において正犯の行為を認識しこれを幇助する意思があることをもって足り、従犯者と正犯者との間に相互の意思連絡があることや、正犯者が従犯の幇助行為を認識する必要はないことを示している。
Aは、正犯者Bに認識されていないものの、Aが、Bの開張する賭博場に客を案内し、賭博をさせたことでBに利益を得させたという関係にある。
したがって、甲には賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
(R6 司法 第5問 4)
甲は、乙がホテルの一室において賭博場を開張して利得を得るつもりでいることを知りながら、乙のためにA及びBを同室に誘い、賭博をさせた。甲と乙との間に意思連絡がなくとも、甲に賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
甲は、乙がホテルの一室において賭博場を開張して利得を得るつもりでいることを知りながら、乙のためにA及びBを同室に誘い、賭博をさせた。甲と乙との間に意思連絡がなくとも、甲に賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(大判大14.1.22)は、「從犯成立ノ主觀的要件トシテハ從犯者ニ於テ正犯ノ行爲ヲ認識シ之ヲ幇助スルノ意思アルヲ以テ足リ從犯者ト正犯者トノ間ニ相互的ノ意思聯絡アルコトヲ必要トセルヲ以テ正犯者カ從犯ノ幇助行爲ヲ認識スルノ必要ナキモノトス」として、片面的幇助犯の成立を肯定している。
正犯者乙には、甲から幇助を受けているという認識がないが、乙のためにA及びBを同室に誘い、賭博をさせることで利益を得させていることから、甲に賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。
判例(大判大14.1.22)は、「從犯成立ノ主觀的要件トシテハ從犯者ニ於テ正犯ノ行爲ヲ認識シ之ヲ幇助スルノ意思アルヲ以テ足リ從犯者ト正犯者トノ間ニ相互的ノ意思聯絡アルコトヲ必要トセルヲ以テ正犯者カ從犯ノ幇助行爲ヲ認識スルノ必要ナキモノトス」として、片面的幇助犯の成立を肯定している。
正犯者乙には、甲から幇助を受けているという認識がないが、乙のためにA及びBを同室に誘い、賭博をさせることで利益を得させていることから、甲に賭博場開張図利罪の幇助犯が成立する。