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刑法 偽造公文書行使罪と詐欺罪 大判明治44年11月10日

概要
偽造または、嘘の事項を記載した文章等を行使して物をだまし取った場合においてはその行使の行為は欺罔行為の手段であり、偽造公文書行使罪と詐欺罪は牽連犯となる。
判例
事案:虚偽の記載のある公文書を用いて詐欺罪を犯した事案において、罪数関係が問題となった。

判旨:「偽造又ハ虚偽ノ事項ヲ記載シタル文書等ヲ行使シテ物ヲ騙取シタル場合ニ於テハ其行使ノ行為ハ詐欺罪構成ノ要件タル欺罔ノ手段タルニ過キスシテ欺罔其モノニ非サルヲ以テ直ニ詐欺罪ノ構成要件ト為ルモノニ非ス」
過去問・解説
(H22 司法 第16問 5)
甲は、郵便局の窓口で、偽造された郵便貯金払戻請求書1通を、不正に入手した他人名義の貯金通帳とともに郵便局員乙に提出して貯金の払戻しを請求し、これを正当な払戻請求と誤信した乙から貯金の払戻しを受けた。甲には、詐欺罪の一罪のみが成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.11.10)は、「偽造又ハ虚偽ノ事項ヲ記載シタル文書等ヲ行使シテ物ヲ騙取シタル場合ニ於テハ其行使ノ行為ハ詐欺罪構成ノ要件タル欺罔ノ手段タルニ過キスシテ欺罔其モノニ非サルヲ以テ直ニ詐欺罪ノ構成要件ト為ルモノニ非ス」として、偽造した文書を用いて詐欺行為に及んだ場合、両罪が牽連犯の関係にあることを示している。
甲は、郵便局の窓口で、偽造された郵便貯金払戻請求書を提出しているから偽造公文書行使罪が成立し、貯金の払戻しを請求し、これを正当な払戻請求と誤信した乙から貯金の払戻しを受け詐欺罪も成立する。
したがって、甲には偽造公文書行使罪と詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。
総合メモ
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