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刑法 公正証書原本不実記載罪・同行使罪と詐欺罪 最二小決昭和42年8月28日
概要
甲から金員を騙取するため、乙名義の偽造の委任状等を登記官吏に提出し、乙の不動産の登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使するとともに、甲にその登記済権利証を示して、抵当権設定登記を経由した旨誤信させ、同人から借用金名下に金員を騙取したときは、公正証書原本不実記載罪とその行使と詐欺罪との牽連犯となる。
判例
事案:金員を騙取するため、登記官に虚偽の登記をさせ、その登記を用いて金員をだまし取った事案において、公正証書原本不実記載罪と同行使罪、詐欺罪の罪数関係が問題となった。
判旨:「被告人は、Aから金員を騙取するために、抵当権設定登記申請手続を委任する旨のB名義の委任状を偽造し、これを関係書類とともに登記官吏に提出して行使し、登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使させるとともに、右Aに対し、抵当権設定登記を経由した事実を証明する登記済権利証を示して、同人をその旨誤信させ、よって同人から、借用金名下に現金70万円を騙取したというのであって、右公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められるから、右数罪は、刑法54条1項後段のいわゆる牽連犯に当るものといわなければならない。」
判旨:「被告人は、Aから金員を騙取するために、抵当権設定登記申請手続を委任する旨のB名義の委任状を偽造し、これを関係書類とともに登記官吏に提出して行使し、登記簿の原本に抵当権が設定された旨の不実の記載をさせて、これを行使させるとともに、右Aに対し、抵当権設定登記を経由した事実を証明する登記済権利証を示して、同人をその旨誤信させ、よって同人から、借用金名下に現金70万円を騙取したというのであって、右公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められるから、右数罪は、刑法54条1項後段のいわゆる牽連犯に当るものといわなければならない。」
過去問・解説
(H27 司法 第4問 3)
偽造公文書を相手方に示して錯誤に陥れ、相手方から現金の交付を受けた場合、偽造公文書行使罪は詐欺罪に吸収され、詐欺罪のみが成立する。
偽造公文書を相手方に示して錯誤に陥れ、相手方から現金の交付を受けた場合、偽造公文書行使罪は詐欺罪に吸収され、詐欺罪のみが成立する。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、本肢の事例では、偽造公文書行使罪と詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、本肢の事例では、偽造公文書行使罪と詐欺罪が成立し、これらは牽連犯となる。
(R3 司法 第7問 ア)
甲は、情を知らない法務局の担当登記官Aに対し、虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後、当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。
甲は、情を知らない法務局の担当登記官Aに対し、虚偽の申立てをして登記簿の磁気ディスクに不実の記録をさせた後、当該記録の内容を閲覧可能な状態にした。この場合、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。
判例(最判昭42.8.28)は「公正証書原本不実記載罪およびその行使罪と詐欺罪とは、罪質上通例手段結果の関係にあるものと認められる…。」として、公正証書原本不実記載罪及び同行使罪と詐欺罪が牽連犯の関係にあることを示している。
したがって、甲には、電磁的公正証書原本不実記録罪及び同供用罪が成立し、これらは牽連犯となる。