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刑法 傷害致死の因果関係 最三小判昭和49年7月5日

概要
被告人が被害者を地上に突き倒し同人の大腿部、腰部などを地下足袋で数回踏みつけるなどの暴行を加え、同人に対し左血胸(胸腔内血液貯留)、左大腿打撲症の傷害を負わせたところ、医師が投与した薬剤の作用によりかねて同人の体内にあった未知の病気により、炎症を惹起して左胸膜炎を起し、これに起因する心機能不全のため同人が死亡した場合において、被告人の暴行と被害者の死亡との間には因果関係がある。
判例
事案:被害者が暴行を受け、その治療を受けていたところ、治療薬が被害者にとっても無知の病気を悪化させ、死亡したという事案において、暴行と死亡との間に因果関係が認められるかが問題となった。

判旨:「被告人が被害者を地上に突き倒し同人の大腿部、腰部などを地下足袋で数回踏みつけるなどの暴行を加え、同人に対し左血胸(胸腔内血液貯留)、左大腿打撲症の傷害を負わせたところ、同人の胸腔内貯留液を消滅させるため医師が投与した薬剤の作用によりかねて同人の体内にあった未知の乾酪型の結核性病巣が滲出型に変化し、これが炎症を惹起して左胸膜炎を起し、これに起因する心機能不全のため同人が死亡した場合において、被告人の暴行と被害者の死亡との間には因果関係がある。」
過去問・解説
(H29 予備 第1問 2)
甲が、Vを突き倒し、その胸部を踏み付ける暴行を加え、Vに血胸の傷害を負わせたところ、Vは、Vの胸腔内に貯留した血液を消滅させるため医師が投与した薬剤の影響により、かねてVが罹患していた結核性の病巣が変化して炎症を起こし、同炎症に基づく心機能不全により死亡した。この場合、甲の暴行とVの死亡との間には、因果関係がない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭49.7.5)は、本肢と同種の事案において、「被告人が…暴行を加え、同人に対し…傷害を負わせたところ、同人の胸腔内貯留液を消滅させるため医師が投与した薬剤の作用…に起因する心機能不全のため同人が死亡した場合において、被告人の暴行と被害者の死亡との間には因果関係があるとしている。」としている。
したがって、甲の暴行とVの死亡との間には、因果関係がある。
総合メモ
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