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刑法 自分の子供と未成年者略取罪 最二小決平成17年12月6日
概要
親権者であっても未成年者誘拐罪の主体となる。共同親権者による幼児の連れ去りについて、その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である。
判例
事案:母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が、保育園送迎の機会に有形力を行使して連れ去ったという事案において、未成年者略取罪の成否及び違法性が阻却されるかが問題となった。
判旨:「…以上の事実関係によれば、被告人は、Cの共同親権者の1人であるBの実家においてB及びその両親に監護養育されて平成穏に生活していたCを、祖母のDに伴われて保育園から帰宅する途中に前記のような態様で有形力を用いて連れ去り、保護されている環境から引き離して自分の事実的支配下に置いたのであるから、その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情であると解される(最高裁平成14年(あ)第805号同15年3月18日第二小法廷決定・刑集57巻3号371頁参照)。
本件において、被告人は、離婚係争中の他方親権者であるBの下からCを奪取して自分の手元に置こうとしたものであって、そのような行動に出ることにつき、Cの監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情は認められないから、その行為は、親権者によるものであるとしても、正当なものということはできない。また、本件の行為態様が粗暴で強引なものであること、Cが自分の生活環境についての判断・選択の能力が備わっていない2歳の幼児であること、その年齢上、常時監護養育が必要とされるのに、略取後の監護養育について確たる見通しがあったとも認め難いことなどに徴すると、家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。以上によれば、本件行為につき、違法性が阻却されるべき事情は認められないのであり、未成年者略取罪の成立を認めた原判断は、正当である。」
判旨:「…以上の事実関係によれば、被告人は、Cの共同親権者の1人であるBの実家においてB及びその両親に監護養育されて平成穏に生活していたCを、祖母のDに伴われて保育園から帰宅する途中に前記のような態様で有形力を用いて連れ去り、保護されている環境から引き離して自分の事実的支配下に置いたのであるから、その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情であると解される(最高裁平成14年(あ)第805号同15年3月18日第二小法廷決定・刑集57巻3号371頁参照)。
本件において、被告人は、離婚係争中の他方親権者であるBの下からCを奪取して自分の手元に置こうとしたものであって、そのような行動に出ることにつき、Cの監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情は認められないから、その行為は、親権者によるものであるとしても、正当なものということはできない。また、本件の行為態様が粗暴で強引なものであること、Cが自分の生活環境についての判断・選択の能力が備わっていない2歳の幼児であること、その年齢上、常時監護養育が必要とされるのに、略取後の監護養育について確たる見通しがあったとも認め難いことなどに徴すると、家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。以上によれば、本件行為につき、違法性が阻却されるべき事情は認められないのであり、未成年者略取罪の成立を認めた原判断は、正当である。」
過去問・解説
(H29 共通 第2問 オ)
親権者は、未成年者誘拐罪の主体とはならない。
親権者は、未成年者誘拐罪の主体とはならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、親権者であっても未成年者誘拐罪の主体となる。
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、親権者であっても未成年者誘拐罪の主体となる。
(H22 司法 第13問 4)
共同親権者の一人が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為については、未成年者略取罪は成立し得ない。
共同親権者の一人が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為については、未成年者略取罪は成立し得ない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、共同親権者での1人による行為であっても、未成年者略取罪は成立し得る。
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、共同親権者での1人による行為であっても、未成年者略取罪は成立し得る。
(R4 共通 第10問 5)
未成年者略取罪の保護法益には親権者の監護権も含まれるので、親権者が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為については、未成年者略取罪が成立することはない。
未成年者略取罪の保護法益には親権者の監護権も含まれるので、親権者が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為については、未成年者略取罪が成立することはない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、親権者が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為についても、未成年者略取罪が成立することがある。
判例(最決平17.12.6)は、母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が連れ去った事案において、「その行為が未成年者略取罪の構成要件に該当することは明らかであり、被告人が親権者の1人であることは、その行為の違法性が例外的に阻却されるかどうかの判断において考慮されるべき事情である…。」とした上で、「家族間における行為として社会通念上許容され得る枠内にとどまるものと評することもできない。」として、親権者である父も未成年者略取罪の主体となることを示している。
したがって、親権者が、他の共同親権者の監護下にある未成年の子を略取する行為についても、未成年者略取罪が成立することがある。