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刑法 窃盗罪における占有の成否 大判大正15年11月2日

概要
他人の遺留品を鉄道列車内にて領得したときは、遺失物横領罪が成立する。
判例
事案:鉄道列車の連結手として勤務中だった被告人が、停車中の列車内にて乗客の遺留品である毛布を不正に領得したという事案において、電車内に忘れた財物の占有が列車内の管理者に移転しているかが問題となった。

判旨:「鉄道係員ノ乗務スル鉄道列車内ニ於テ乗客ノ遺留セル物品ヲ不正ニ領得シタル者ハ刑法第254条ニ依リ処断スヘキモノトス」
過去問・解説
(H25 司法 第4問 オ)
甲は、A駅行きの満員電車に乗っていた際、隣の席に座っていた乙がかばんを忘れたままB駅で下車したのを目撃し、乙のかばんとその中身を自分のものにしようと考え、次のC駅で乙のかばんを持って下車し、自宅に持ち帰った。この場合、甲に窃盗罪は成立するか。

(正答)

(解説)
判例(大判大15.11.2)は、本肢と同種の事案において、「鉄道係員ノ乗務スル鉄道列車内ニ於テ乗客ノ遺留セル物品ヲ不正ニ領得シタル者ハ刑法第254条ニ依リ処断スヘキモノトス」として、遺失物横領罪が成立するとしている。
甲は、乙のカバンとその中身を乙の下車後に電車内で置き引きしているため、甲に窃盗罪は成立せず、遺失物横領罪が成立する。

(H30 司法 第8問 オ)
甲が、満員電車に乗っていた際、隣の席に座っていた見ず知らずの乙が財布を座席に置き忘れたままX駅で下車したのを目撃し、乙の財布とその中身を自己のものにしようと考え、次のY駅に到着した時点で乙の財布を取得した上、同駅で下車し自宅に持ち帰った場合、窃盗罪が成立するか。

(正答)

(解説)
判例(大判大15.11.2)は、本肢と同種の事案において、「鉄道係員ノ乗務スル鉄道列車内ニ於テ乗客ノ遺留セル物品ヲ不正ニ領得シタル者ハ刑法第254条ニ依リ処断スヘキモノトス」として、遺失物横領罪が成立するとしている。
甲は、乙の財布とその中身を、乙の下車した次のY駅に到着した時点で電車内で置き引きし、自宅に持ち帰っている。
したがって、甲に窃盗罪は成立せず、遺失物横領罪が成立する。

(R5 司法 第4問 5)
甲は、満員電車内において、乗客Vが網棚にかばんを置き忘れたままA駅で下車したのを目撃し、B駅で下車する際、同かばんを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。甲に窃盗罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(大判大15.11.2)は、本肢と同種の事案において、「鉄道係員ノ乗務スル鉄道列車内ニ於テ乗客ノ遺留セル物品ヲ不正ニ領得シタル者ハ刑法第254条ニ依リ処断スヘキモノトス」として、遺失物横領罪が成立するとしている。
甲は、Vのかばんを、Vの下車した後のB駅において無断で持ち去っているため、甲に窃盗罪は成立せず、遺失物横領罪が成立する。
総合メモ
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