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刑法 窃盗罪における所持 最一小決昭和32年1月24日
概要
海中に取り落した物件については、これを引き揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、その人が当該物件をその附近で発見したときは、依頼者が発見された事実を知らなくても、依頼者はその物件に対し、所持すなわち事実上の支配管理を有する。
判例
事案:海中から物品の引き上げを依頼された者が当該物品を窃取した事案において、海中に取り落した物件について、引き上げを依頼した者に、所持が認められるかが問題となった。
判旨:「海中に取り落した物件については、落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有するものと解すべき…。」
判旨:「海中に取り落した物件については、落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有するものと解すべき…。」
過去問・解説
(H30 共通 第8問 エ)
甲は、乙から、乙が海中に落とした腕時計の引き揚げを依頼され、その腕時計が落ちた場所の大体の位置を指示された。甲が、乙から指示された海中付近を探索した結果、同腕時計を発見したが、それを乙に知らせることなく、同腕時計を引き揚げて自己のものとした場合、窃盗罪が成立する。
甲は、乙から、乙が海中に落とした腕時計の引き揚げを依頼され、その腕時計が落ちた場所の大体の位置を指示された。甲が、乙から指示された海中付近を探索した結果、同腕時計を発見したが、それを乙に知らせることなく、同腕時計を引き揚げて自己のものとした場合、窃盗罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最決昭32.1.24)は、本肢と同種の事案において、「落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有する…。」としている。
したがって、落とし主乙が腕時計に対する事実上の支配管理を有するといえるから、それを自己のものとした甲には窃盗罪が成立する。
判例(最決昭32.1.24)は、本肢と同種の事案において、「落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有する…。」としている。
したがって、落とし主乙が腕時計に対する事実上の支配管理を有するといえるから、それを自己のものとした甲には窃盗罪が成立する。
(R5 司法 第4問 2)
甲は、Vが海中に取り落としたV所有の金塊について、Vからおおよその落下場所を教えてもらった上で回収を依頼され、Vの眼前で同所に潜り、同金塊を同所付近で発見したものの、これを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。甲に窃盗罪が成立する。
甲は、Vが海中に取り落としたV所有の金塊について、Vからおおよその落下場所を教えてもらった上で回収を依頼され、Vの眼前で同所に潜り、同金塊を同所付近で発見したものの、これを自己のものにしようと考えて無断で持ち去った。甲に窃盗罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最決昭32.1.24)は、本肢と同種の事案において、「落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有する…。」としている。
したがって、落とし主Vが金塊に対する事実上の支配管理を有するといえるから、それを持ち去った甲には窃盗罪が成立する。
判例(最決昭32.1.24)は、本肢と同種の事案において、「落主の意に基づきこれを引揚げようとする者が、その落下場所の大体の位置を指示し、その引揚方を人に依頼した結果、該物件がその附近で発見されたときは、依頼者は、その物件に対し管理支配意思と支配可能な状態とを有するものといえるから、依頼者は、その物件の現実の握持なく、現物を見ておらず且つその物件を監視していなくとも、所持すなわち事実上の支配管理を有する…。」としている。
したがって、落とし主Vが金塊に対する事実上の支配管理を有するといえるから、それを持ち去った甲には窃盗罪が成立する。