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刑法 窃盗罪の成否(キャリーバック内の荷物) 最一小決昭和32年4月25日

概要
被告人が他人からその所有の衣類在中の縄掛け梱包した行李1個を預り保管していたような場合は、所有者たる他人は行李在中の衣類に対しその所持を失うものでないから、被告人が他から金借する質種に供する目的で擅に梱包を解き右行李から衣類を取り出したときは、衣類の窃盗罪を構成し横領罪を構成しない。
判例
事案:他人からその所有の衣類在中の縄掛け梱包した行李を預かり保管中質種に供する目的で梱包を解き行李から衣類を取り出したという事案において、窃盗罪と横領罪のいずれが成立するかが問題となった。

判旨:「本件のごとく被告人が他人からその所有の衣類在中の縄掛け梱包した行李1個を預り保管していたような場合は、所有者たる他人は行李在中の衣類に対しその所持を失うものでないから、被告人が他から金借する質種に供する目的で擅に梱包を解き右行李から衣類を取出したときは、衣類の窃盗罪を構成し横領罪を構成しない。」
過去問・解説
(H26 共通 第2問 4)
施錠された友人所有のキャリーバッグを同人から預かり保管していた者が、在中する衣類を自分のものにしようと考え、友人に無断でキャリーバッグの施錠を解き、同衣類を取り出した行為には、窃盗罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭32.4.25)は、本肢と同種の事案において、「所有者たる他人は行李在中の衣類に対しその所持を失うものでないから、被告人が他から金借する質種に供する目的で擅に梱包を解き右行李から衣類を取出したときは、衣類の窃盗罪を構成し横領罪を構成しない…。」として、内容物の奪取が窃盗罪を構成することを示している。
したがって、キャリーバッグについて、自分のものにしようと無断で施錠を解き、衣類を取り出した場合、友人の占有に属する内容物たる衣類を自己のもとへ占有を移転しているといえ、窃盗罪が成立する。

(R2 共通 第2問 1)
甲は、乙からの委託に基づき、同人所有の衣類が入った、施錠されていたスーツケース1個を預かり保管していたところ、衣類を古着屋に売却して自己の遊興費を得ようと考え、勝手に開錠し、中から衣類を取り出した。この場合、遅くとも衣類を取り出した時点で不法領得の意思の発現と認められる外部的行為があったといえるから、甲には、横領罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭32.4.25)は、本肢と同種の事案において、「所有者たる他人は行李在中の衣類に対しその所持を失うものでないから、被告人が他から金借する質種に供する目的で擅に梱包を解き右行李から衣類を取出したときは、衣類の窃盗罪を構成し横領罪を構成しない…。」として、内容物の奪取が窃盗罪を構成することを示している。
甲は、売却して自己の遊興費を得ようと無断でスーツケースの施錠を解き、衣類を取り出しているから、乙の占有に属する内容物たる衣類を自己のもとへ占有を移転しているといえ、甲に窃盗罪が成立する。
総合メモ
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