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刑法 強盗罪の既遂時期 最三小判昭和24年6月14日
概要
強盜の目的で会社の事務所に押入り、居合わせた事務員全部を縛って、洋服類を着込みその他の物は、荷造りをして持ち出そうにした時点で強盜の既遂に達する。
判例
事案:強盗目的で事務所に押し入り、従業員を縛ったうえ、財物を自らの体に着用して出ようとしようとした時点で警察隊に踏み込まれて捕縛されたという事案において、強盗既遂罪の成否が問題となった。
判旨:「被告人は共犯者等と共に被害会社の事務所に押入り,居合わせた男女事務員の全部を縛って全然抵抗し得ず奪われた物を取返し得ない状態に置き洋服類は着込み、その他の物は荷造りして持ち出すばかりにしたところを、警察隊に踏み込まれて捕縛されたのであって、…既に物の支配を取得したと言い得るのであり、窃盗罪についてではあるが、盗品が犯行の場所から持出される前に既遂を認定した判例が大審院以来繰返されているのであって、…強盗罪についてもこの点は同様であり、論旨は理由がない。」
判旨:「被告人は共犯者等と共に被害会社の事務所に押入り,居合わせた男女事務員の全部を縛って全然抵抗し得ず奪われた物を取返し得ない状態に置き洋服類は着込み、その他の物は荷造りして持ち出すばかりにしたところを、警察隊に踏み込まれて捕縛されたのであって、…既に物の支配を取得したと言い得るのであり、窃盗罪についてではあるが、盗品が犯行の場所から持出される前に既遂を認定した判例が大審院以来繰返されているのであって、…強盗罪についてもこの点は同様であり、論旨は理由がない。」
過去問・解説
(H22 司法 第8問 エ)
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、強盗罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、深夜、強盗の目的で会社事務所に入り込み、1人で勤務していた事務員乙を縛り上げ、持参したボストンバッグに同事務所に設置された金庫内の現金を詰め込んで手に持ち、同事務所の出入口から外に出ようとしたところ、駆けつけた警察官に同事務所内で逮捕された。
甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、強盗罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
甲は、深夜、強盗の目的で会社事務所に入り込み、1人で勤務していた事務員乙を縛り上げ、持参したボストンバッグに同事務所に設置された金庫内の現金を詰め込んで手に持ち、同事務所の出入口から外に出ようとしたところ、駆けつけた警察官に同事務所内で逮捕された。
(正答)1
(解説)
判例(最判昭24.6.14)は、本肢と同種の事案において、「共犯者等と共に被害会社の事務所に押入り,居合わせた男女事務員の全部を縛って全然抵抗し得ず奪われた物を取返し得ない状態に置き洋服類は着込み、その他の物は荷造りして持ち出すばかりにしたところを、警察隊に踏み込まれて捕縛されたのであって、…既に物の支配を取得したと言い得る…。」として、財物の占有を取得して建物から出ようとした時点で強盗罪が既遂に達することを示している。
したがって、甲が事務所の出入口から外に出ようとした時点で、強盗既遂罪が成立する。
判例(最判昭24.6.14)は、本肢と同種の事案において、「共犯者等と共に被害会社の事務所に押入り,居合わせた男女事務員の全部を縛って全然抵抗し得ず奪われた物を取返し得ない状態に置き洋服類は着込み、その他の物は荷造りして持ち出すばかりにしたところを、警察隊に踏み込まれて捕縛されたのであって、…既に物の支配を取得したと言い得る…。」として、財物の占有を取得して建物から出ようとした時点で強盗罪が既遂に達することを示している。
したがって、甲が事務所の出入口から外に出ようとした時点で、強盗既遂罪が成立する。