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刑法 強盗致傷罪の成否(ひったくり) 最三小決昭和45年12月22日
概要
いわゆるひったくりにおいて、財物奪取に伴う暴行行為が、被害者の注意を引くにとどまらず、その反抗を抑圧するに足りる程度に達していた場合には強盗罪が認められる。
判例
事案:夜間人通りの少ない場所で、通行中の女性の所持しているハンドバッグを窃取する目的をもって、自動車を運転して同女に近づき、自動車の窓からハンドバッグのさげ紐をつかんで引っ張ったが、同女がこれを奪われまいと離さなかったため、さらに奪取の目的を達成しようとして、右さげ紐をつかんだまま自動車を進行させ、同女を引きずって路上に転倒させたり、車体に接触させたり、あるいは道路脇の電柱に衝突させたりして、傷害を負わせたという事案において、強盗罪の成否が問題となった。
判旨:「事実審の確定した事実関係の下において、被告人の第一審判決判示第4、第8および第15の各行為がいずれも強盗致傷罪にあたる旨の原判断は正当である。」
判旨:「事実審の確定した事実関係の下において、被告人の第一審判決判示第4、第8および第15の各行為がいずれも強盗致傷罪にあたる旨の原判断は正当である。」
過去問・解説
(H19 司法 第15問 3)
甲は、夜間、普通乗用自動車を運転し、人通りが少ない一方通行の狭い道路を進行中、右前方を歩いている女性乙がショルダーバッグを左肩に掛けているのを認め、同バッグを奪い取ろうと考え、同車で乙を追い抜きざま、運転席窓から右手を出して同バッグをつかんで引っ張った。乙は、同バッグを引っ張られた勢いで路上に転倒したものの、同バッグを奪われまいとして、そのさげひもから手を離さなかったので、甲は、乙から同バッグを奪い取るため、乙の身体を同バッグごと引きずることを認識しながらそのまま加速して運転を続けた。甲は、約20メートルにわたって乙の身体を引きずったが、乙は、同バッグから手を離さなければ、同車の車輪に巻き込まれたり、道路脇の壁に衝突するなどして重傷を負いかねないという危険を感じ、やむなくそのさげひもから手を離し、甲は、同バッグをつかんだまま同車で逃走した。乙は、前記のとおり路上を引きずられたことにより、約2週間の加療を要する右足関節捻挫等の傷害を負った。
甲に、強盗(刑法第236条第1項)が人を負傷させたものとして、強盗致傷罪が成立する。
甲は、夜間、普通乗用自動車を運転し、人通りが少ない一方通行の狭い道路を進行中、右前方を歩いている女性乙がショルダーバッグを左肩に掛けているのを認め、同バッグを奪い取ろうと考え、同車で乙を追い抜きざま、運転席窓から右手を出して同バッグをつかんで引っ張った。乙は、同バッグを引っ張られた勢いで路上に転倒したものの、同バッグを奪われまいとして、そのさげひもから手を離さなかったので、甲は、乙から同バッグを奪い取るため、乙の身体を同バッグごと引きずることを認識しながらそのまま加速して運転を続けた。甲は、約20メートルにわたって乙の身体を引きずったが、乙は、同バッグから手を離さなければ、同車の車輪に巻き込まれたり、道路脇の壁に衝突するなどして重傷を負いかねないという危険を感じ、やむなくそのさげひもから手を離し、甲は、同バッグをつかんだまま同車で逃走した。乙は、前記のとおり路上を引きずられたことにより、約2週間の加療を要する右足関節捻挫等の傷害を負った。
甲に、強盗(刑法第236条第1項)が人を負傷させたものとして、強盗致傷罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最決昭45.12.22)は、本肢と同種の事案において、「事実審の確定した事実関係の下において、被告人の…各行為がいずれも強盗致傷罪にあたる旨の原判断は正当である。」として、財物奪取に伴う暴行行為が、被害者の注意を引くにとどまらず、その反抗を抑圧するに足りる程度に達していた場合には強盗罪が認められることを示している。
甲は、乙から同バッグを奪い取るため、乙の身体を同バッグごと引きずることを認識しながら自動車の運転を続け約20メートルにわたって乙の身体を引きずっているから、注意を引くにとどまらず、その反抗を抑圧するに足りる程度に達していたといえる。
したがって、甲に強盗致傷罪が成立する。
判例(最決昭45.12.22)は、本肢と同種の事案において、「事実審の確定した事実関係の下において、被告人の…各行為がいずれも強盗致傷罪にあたる旨の原判断は正当である。」として、財物奪取に伴う暴行行為が、被害者の注意を引くにとどまらず、その反抗を抑圧するに足りる程度に達していた場合には強盗罪が認められることを示している。
甲は、乙から同バッグを奪い取るため、乙の身体を同バッグごと引きずることを認識しながら自動車の運転を続け約20メートルにわたって乙の身体を引きずっているから、注意を引くにとどまらず、その反抗を抑圧するに足りる程度に達していたといえる。
したがって、甲に強盗致傷罪が成立する。