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刑法 不法原因給付と詐欺罪 最三小判昭和25年7月4日

概要
欺罔手段によって相手方の財物に対する支配権を侵害した以上、相手方が闇取引のため財物を交付したのであっても、詐欺罪が成立する。
判例
事案:いわゆる闇取引における欺罔行為の事案において、詐欺罪の成否が問題となった。

判旨:「論旨は闇取引については取引当事者の財産的利益は刑法の対象にはならないものであるから、原判決は刑法の放任した範囲に法の効力を及ぼした違法があると主張する。しかし詐欺罪の如く他人の財産権の侵害を本質とする犯罪が、処罰されたのは単に被害者の財産権の保護のみにあるのではなく、かかる違法な手段による行為は社会の秩序をみだす危険があるからである、そして社会秩序をみだす点においては所謂闇取引の際に行われた欺罔手段でも通常の取引の場合と何等異るところはない。従って、闇取引として経済統制法規によって処罰される行為であるとしても相手方を欺罔する方法即ち社会秩序をみだすような手段を以て相手方の占有する財物を交付せしめて財産権を侵害した以上被告人の行為が刑法の適用をまぬかるべき理由はないから論旨は採用できない。」
過去問・解説
(H18 司法 第17問 1)
覚せい剤を購入すると偽って買付資金名下に金員の交付を受けた場合、相手方には交付した資金の返還請求権がないので、詐欺罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭25.7.4)は、いわゆる闇取引の詐欺の事案において、「詐欺罪の如く他人の財産権の侵害を本質とする犯罪が、処罰されたのは単に被害者の財産権の保護のみにあるのではなく、かかる違法な手段による行為は社会の秩序をみだす危険があるからである、そして社会秩序をみだす点においては所謂闇取引の際に行われた欺罔手段でも通常の取引の場合と何等異るところはない。」として、詐欺罪の成立を認めている。
したがって、覚せい剤を購入する資金として金員の交付を受けた場合、不法原因給付であるとして返還請求権がないとしても、詐欺罪が成立する。
総合メモ
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