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刑法 一部の部屋に人が現住する建造物に放火した場合の現住建造物等放火罪の成否 最二小判昭和24年2月22日
概要
劇場には、人が寝泊りしていることを被告人が知っていたこと、及び、放火の結果、既に独立燃焼の程度に達する焼燬のあったことも明らかであるから、現住建造物放火罪の既遂罪が成立する。
判例
事案:一部の部屋に人が現住する建造物に放火した事案において、現住建造物等放火罪が成立するかが問題となった。
判旨:「本件において、被告人が火を放った所論便所は、劇場建物の東側に接着するものであることは、原判決の確定するところであり、原判決の挙示する証拠、殊に強制処分における判事の検証調書の記載、同調書添付の図面によれば、右便所は右劇場に接着して建設ぜられ、右劇場の一部をなすものであることがわかる。しかして、被告人が本件犯行にあたり、右便所を焼燬する意思のあったことは、原判決挙示の証拠上明瞭であるから、これにもとずいて、原判決が、被告人は本件劇場に放火しようと考えた旨判示したのは、相当である。また、右劇場には、人が寝泊りしていることを被告人が知っていたこと、及び、放火の結果、既に独立燃焼の程度に達する焼燬のあったことも、右証拠に照してあきらかであるから、原判決が、被告人の右の所為に対して、刑法108条の既遂罪をもって、問擬したのは正当であって、この点を非難する論旨は理由がない。」
判旨:「本件において、被告人が火を放った所論便所は、劇場建物の東側に接着するものであることは、原判決の確定するところであり、原判決の挙示する証拠、殊に強制処分における判事の検証調書の記載、同調書添付の図面によれば、右便所は右劇場に接着して建設ぜられ、右劇場の一部をなすものであることがわかる。しかして、被告人が本件犯行にあたり、右便所を焼燬する意思のあったことは、原判決挙示の証拠上明瞭であるから、これにもとずいて、原判決が、被告人は本件劇場に放火しようと考えた旨判示したのは、相当である。また、右劇場には、人が寝泊りしていることを被告人が知っていたこと、及び、放火の結果、既に独立燃焼の程度に達する焼燬のあったことも、右証拠に照してあきらかであるから、原判決が、被告人の右の所為に対して、刑法108条の既遂罪をもって、問擬したのは正当であって、この点を非難する論旨は理由がない。」
過去問・解説
(R2 共通 第14問 4)
甲が、一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火し、同室のみを焼損させた場合、甲には、現住建造物等放火罪が成立する。
甲が、一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火し、同室のみを焼損させた場合、甲には、現住建造物等放火罪が成立する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭24.2.22)は、本肢と同種の事案において、「劇場には、人が寝泊りしていることを被告人が知っていたこと、及び、放火の結果、既に独立燃焼の程度に達する焼燬のあったことも、…あきらかであるから、原判決が、被告人の右の所為に対して、刑法108条の既遂罪をもって、問擬したのは正当…。」としている。
甲は、一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火しているが、外見上物理的に一体となっている建造物の空き部屋に放火したとしても、その一部が現に住居に使用されているから、「建造物」に該当する。
したがって、甲には、現住建造物等放火罪が成立する。
判例(最判昭24.2.22)は、本肢と同種の事案において、「劇場には、人が寝泊りしていることを被告人が知っていたこと、及び、放火の結果、既に独立燃焼の程度に達する焼燬のあったことも、…あきらかであるから、原判決が、被告人の右の所為に対して、刑法108条の既遂罪をもって、問擬したのは正当…。」としている。
甲は、一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火しているが、外見上物理的に一体となっている建造物の空き部屋に放火したとしても、その一部が現に住居に使用されているから、「建造物」に該当する。
したがって、甲には、現住建造物等放火罪が成立する。