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刑法 エレベーターのかごの放火と現住建造物放火罪 最二小決平成元年7月7日

概要
集合住宅内部に設置されたエレベーターのかご内で火を放ち、その側壁として使用されている化粧鋼板を燃焼させた場合、現住建造物等放火罪が成立する。
判例
事案:エレベーターのかご内の壁面の一部の焼損した事案において、現住建造物放火罪の成否が問題となった。

判旨:「被告人は、12階建集合住宅である本件マンション内部に設置されたエレベーターのかご内で火を放ち、その側壁として使用されている化粧鋼板の表面約0.3平成方メートルを燃焼させたというのであるから、現住建造物等放火罪が成立するとした原審の判断は正当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第11問 4)
甲は、多数人が住居に使用するマンションの居住者用エレベーターのかご内で火を放ち、同かごの側壁に燃え移らせてこれを焼損した。同かごは取り外しが可能であるが、そのための工事は著しい手間と時間を要するものであった。この場合、同かごは同マンションの一部といえるのであるから、現住建造物等放火罪の既遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平元.7.7)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、12階建集合住宅である本件マンション内部に設置されたエレベーターのかご内で火を放ち、その側壁として使用されている化粧鋼板の表面約0.3平方メートルを燃焼させたというのであるから、現住建造物等放火罪が成立する…。」としている。
また、判例(最判昭25.12.14)は、「建具その他家屋の従物が建造物たる家屋の一部を構成するものと認めるには、該物件が家屋の一部に建付けられているだけでは足りず更らにこれを毀損しなければ取り外すことができない状態にあることを必要とする…。」としている。
甲が放火して焼損させたエレベーターは、通常毀損しなければ取り外すことができない状態にあるから、建造物の一部に当たる。
したがって、甲に現住建造物等放火罪の既遂罪が成立する。

(H24 共通 第17問 4)
甲は、日頃恨みを持っていたVが居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご内に、ガソリンを染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火し、エレベーターのかごの内部を焼損させた。甲には現住建造物等放火未遂罪が成立するにとどまる。

(正答)

(解説)
判例(最決平元.7.7)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、12階建集合住宅である本件マンション内部に設置されたエレベーターのかご内で火を放ち、その側壁として使用されている化粧鋼板の表面約0.3平方メートルを燃焼させたというのであるから、現住建造物等放火罪が成立する…。」としている。
また、判例(最判昭25.12.14)は、「建具その他家屋の従物が建造物たる家屋の一部を構成するものと認めるには、該物件が家屋の一部に建付けられているだけでは足りず更らにこれを毀損しなければ取り外すことができない状態にあることを必要とする…。」としている。
甲が放火して焼損させたエレベーターは、通常毀損しなければ取り外すことができない状態にあるから、建造物の一部に当たる。
したがって、甲に現住建造物等放火罪の既遂罪が成立する。

(R2 共通 第14問 5)
甲が憂さ晴らしの目的で、甲の世帯を含めて計30世帯が居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご内に、灯油を染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火したが、エレベーターのかごの側壁を焼損したにとどまり、住居部分には延焼しなかった場合、甲には、現住建造物等放火未遂罪が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決平元.7.7)は、本肢と同種の事案において、「被告人は、12階建集合住宅である本件マンション内部に設置されたエレベーターのかご内で火を放ち、その側壁として使用されている化粧鋼板の表面約0.3平方メートルを燃焼させたというのであるから、現住建造物等放火罪が成立する…。」としている。
また、判例(最判昭25.12.14)は、「建具その他家屋の従物が建造物たる家屋の一部を構成するものと認めるには、該物件が家屋の一部に建付けられているだけでは足りず更らにこれを毀損しなければ取り外すことができない状態にあることを必要とする…。」としている。
甲が放火して焼損させたエレベーターは、通常毀損しなければ取り外すことができない状態にあるから、建造物の一部に当たる。
したがって、甲に現住建造物等放火罪の既遂罪が成立する。
総合メモ
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