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刑法 欺罔行為と文書偽造罪 大判明治44年5月8日

概要
文書偽造罪における文書は必ずしも偽造者若しくは情を知らない第三者においてこれを作成することを要しない。署名者をして他の文書であると誤信させ、又はその内容を知らせずにこれを作成する場合においても文書偽造罪の成立を妨げない。
判例
事案:本人を欺罔して虚偽の内容の文書を作成させたという事案において、文書偽造罪の成否が問題となった。

要旨:文書偽造罪ニ於ケル文書ハ必スシモ偽造者若クハ情ヲ知ラサル第三者ニ於テ之ヲ作成スルヲ要セス署名者ヲシテ他ノ文書ナリト誤信セシメ又ハ其内容ヲ知悉セシメスシテ之ヲ作成スル場合ニ於テモ文書偽造罪ノ成立ヲ妨ケス
(※原文を確認できないため、要旨のみを掲載)
過去問・解説
(H22 司法 第15問 2)
甲は、乙所有の建物の売買契約書を会員制クラブの入会申込書であると偽って乙に示し、乙をしてその旨誤信させてその売主欄に署名押印させた。甲には、有印私文書偽造罪の間接正犯が成立する。ただし、甲は、「行使の目的」又は「人の財産上の事務処理を誤らせる目的」を有するものとする。

(正答)

(解説)
判例(大判明44.5.8)は、署名者をして他の文書と誤信させ、又はその内容を知らせずにこれを作成する場合においても文書偽造罪が成立することを示している。
甲は、作成名義人乙を欺いて署名押印させているから、甲には、有印私文書偽造罪の間接正犯が成立する。
総合メモ
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