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刑法 賄賂罪の「職務」 最二小決昭和58年3月25日

概要
一般的職務権限を異にする他の職務に転じた公務員に対し前の職務に関して賄賂を供与した場合であっても、贈賄罪が成立する。
判例
事案:一般的職務権限を異にする他の職務に転じた公務員に対し前の職務に関して賄賂を供与したという事案において、贈賄罪の成否が問題となった。

判旨:「贈賄罪は、公務員に対し、その職務に関し賄賂を供与することによって成立するものであり、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を供与した場合であっても、右供与の当時受供与者が公務員である以上、贈賄罪が成立するものと解すべきである…。」
過去問・解説
(H18 司法 第14問 1)
市役所の建築課長甲は、人事異動により同じ市役所の保健課長に転任したが、保健課長に就任した後、建設業者乙から、建築課長当時にその職務に関し有利な取り計らいを受けたことの謝礼として現金30万円を収受した。判例の立場に従うと、甲に収賄罪(刑法第197条第1項前段)が成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.3.25)は、「贈賄罪は、公務員に対し、その職務に関し賄賂を供与することによって成立するものであり、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を供与した場合であっても、右供与の当時受供与者が公務員である以上、贈賄罪が成立する…。」としている。
したがって、収賄罪における賄賂の供与と収受の関係は必要的共犯であるから、現金30万円の収受当時に公務員であった甲には、収賄罪が成立する。

(H24 司法 第12問 4)
公務員が一般的職務権限を異にする他の部署に異動した後に、前の職務に関して賄賂を収受した場合でも、収受の当時において公務員である以上、収賄罪は成立する。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.3.25)は、「贈賄罪は、公務員に対し、その職務に関し賄賂を供与することによって成立するものであり、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を供与した場合であっても、右供与の当時受供与者が公務員である以上、贈賄罪が成立する…。」としている。
したがって、収受の当時において公務員であった場合、収賄罪が成立する。

(H30 共通 第6問 オ)
賄賂罪の「職務」は、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をした時点で公務員の一般的職務権限に属している必要があり、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を収受した場合には、賄賂罪は成立しない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭58.3.25)は、「贈賄罪は、公務員に対し、その職務に関し賄賂を供与することによって成立するものであり、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を供与した場合であっても、右供与の当時受供与者が公務員である以上、贈賄罪が成立する…。」としている。
したがって、公務員が一般的職務権限を異にする他の職務に転じた後に前の職務に関して賄賂を収受した場合であっても、収受当時に公務員であったのであれば、収賄罪が成立する。
総合メモ
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