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刑法 あっせん収賄罪の成否 最二小決平成15年1月14日
概要
公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反の疑いで調査中の審査委事件について、同委員会の委員長に対し、これを告発しないように働き掛けることは、197条の4にいう「職務上不正な行為をさせるよう」あっせんすることに当たる。
判例
事案:公務員が請託を受けて公正取引委員会の委員長に対し同委員会が調査中の審査事件を告発しないよう働き掛けた事案において、あっせん収賄罪の成否が問題となった。
判旨:「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律73条1項は、公正取引委員会は、同法違反の犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならないと定め、同法96条1項は、同法89条から91条までの罪は、同委員会の告発を待って、これを論ずると定めているところ、公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について、同委員会の委員長に対し、これを告発しないように働き掛けることは、同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし、適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから、平成7年法律第91号による改正前の刑法197条の4にいう『職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク』あっせんすることに当たると解すべきである。」
判旨:「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律73条1項は、公正取引委員会は、同法違反の犯罪があると思料するときは検事総長に告発しなければならないと定め、同法96条1項は、同法89条から91条までの罪は、同委員会の告発を待って、これを論ずると定めているところ、公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について、同委員会の委員長に対し、これを告発しないように働き掛けることは、同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし、適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから、平成7年法律第91号による改正前の刑法197条の4にいう『職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク』あっせんすることに当たると解すべきである。」
過去問・解説
(H19 司法 第9問 1)
公務員が賄賂を受け取って、他の公務員の職務について働き掛けを行った場合、違法な行為の働き掛けがあったときにのみあっせん収賄罪が成立し、他の公務員の裁量判断に不当な影響を及ぼす程度では同罪は成立しない。
公務員が賄賂を受け取って、他の公務員の職務について働き掛けを行った場合、違法な行為の働き掛けがあったときにのみあっせん収賄罪が成立し、他の公務員の裁量判断に不当な影響を及ぼす程度では同罪は成立しない。
(正答)✕
(解説)
判例(最決平15.1.14)は、「公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について、同委員会の委員長に対し、これを告発しないように働き掛けることは、同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし、適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから、平7年法律第91号による改正前の刑法197条の4にいう『職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク』あっせんすることに当たる…。」としている。
したがって、他の公務員の裁量判断に不当な影響を及ぼすもの程度であっても、あっせん収賄罪が成立する。
判例(最決平15.1.14)は、「公務員が、請託を受けて、公正取引委員会が同法違反の疑いをもって調査中の審査事件について、同委員会の委員長に対し、これを告発しないように働き掛けることは、同委員会の裁量判断に不当な影響を及ぼし、適正に行使されるべき同委員会の告発及び調査に関する権限の行使をゆがめようとするものであるから、平7年法律第91号による改正前の刑法197条の4にいう『職務上相当ノ行為ヲ為サザラシム可ク』あっせんすることに当たる…。」としている。
したがって、他の公務員の裁量判断に不当な影響を及ぼすもの程度であっても、あっせん収賄罪が成立する。