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刑法 行政法取締法規の遵守と過失犯の成否 最三小決昭和32年12月17日

概要
行政取締法規の義務を遵守していたとしても、過失犯は成立し得る。
判例
事案:鉄道従業員Aが、線路の故障によって運転不能となった列車の運転に関して、過失によって、後続の列車をそのまま運行させ、両列車が衝突したため乗客が死傷したため、業務上過失致死傷に問われた事案において、鉄道従業員の注意義務の程度が問題となった。

判旨:「駅長その他の鉄道従業員は、単に列車の運転取扱に関する特別の規定を守るだけでその義務を常につくしたものということはできず、いやしくも列車の運転に関して危険の発生を防止するに可能なかぎり一切の注意義務をつくさなければならないのであるから(昭和9年(れ)533号同年6月22日大審院判決、刑集13巻11号863頁参照)、原判決が証拠によって認められる本件列車衝突事故発生のいきさつとして、くわしく判示した状況のもとにおいては、被告人らに刑法211条の業務上必要な注意を怠った過失があったものと認めた原審の判断は正当である。」
過去問・解説
(R7 司法 第7問 1)
行政取締法規の義務は、過失犯の注意義務になり得るから、行政取締法規の義務を遵守する限り、過失犯が成立することはない。

(正答)

(解説)
判例(最決昭32.12.17)は、「駅長その他の鉄道従業員は、単に列車の運転取扱に関する特別の規定を守るだけでその義務を常につくしたものということはできず、いやしくも列車の運転に関して危険の発生を防止するに可能なかぎり一切の注意義務をつくさなければならないのである…。」として、行政取締法規の義務を遵守していても、刑法上の注意義務を尽くさなければ過失犯が成立し得ることを示している。
総合メモ
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