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殺人の罪
第202条
条文
第202条(自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の拘禁刑に処する。
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の拘禁刑に処する。
過去問・解説
(H23 共通 第8問 2)
甲は、重病で苦しんでいる妻乙に同情して、同人の首を絞めて窒息死させた。乙の殺害について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、いずれの構成要件にも該当せず、犯罪は成立しない。
甲は、重病で苦しんでいる妻乙に同情して、同人の首を絞めて窒息死させた。乙の殺害について乙があらかじめ甲に対して承諾していた場合、甲の行為は、いずれの構成要件にも該当せず、犯罪は成立しない。
(正答) ✕
(解説)
甲は、乙の殺害についてあらかじめ乙の承諾を得ていたのだから、普通殺人罪(199条)は成立しないが、「人を…その承諾を得て殺した者」として同意殺人罪(202条後段)が成立する。
甲は、乙の殺害についてあらかじめ乙の承諾を得ていたのだから、普通殺人罪(199条)は成立しないが、「人を…その承諾を得て殺した者」として同意殺人罪(202条後段)が成立する。
(R6 司法 第4問 ウ)
甲は、4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、殺意をもってAを包丁で刺殺した。この場合、Aが殺害されることを承諾しているから、甲に殺人罪が成立することはない。
甲は、4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、殺意をもってAを包丁で刺殺した。この場合、Aが殺害されることを承諾しているから、甲に殺人罪が成立することはない。
(正答) ✕
(解説)
自殺関与罪及び同意殺人罪(202条)の客体となる「人」は、死の意味を理解し得るだけの精神能力があることを要する。
4歳児は、死の意味を理解し得るだけの精神能力を有しないから、本罪の「人」ではなく、普通殺人罪(199条)の客体である「人」に当たる。
したがって、甲には、同意殺人罪ではなく、普通殺人罪が成立する。
なお、判例(大判昭9.8.27)は、親が当時5歳11カ月の幼児をその嘱託を受けて殺害したという親子心中の事案において、「自殺の何たるかを理解するの能力なき幼児は自己を殺害することを嘱託し又は殺害を承諾するの能力なきものとす」として、同意殺人罪ではなく普通殺人罪の成立を認めている(大塚裕史ほか「基本刑法Ⅱ」第4版13頁)。
自殺関与罪及び同意殺人罪(202条)の客体となる「人」は、死の意味を理解し得るだけの精神能力があることを要する。
4歳児は、死の意味を理解し得るだけの精神能力を有しないから、本罪の「人」ではなく、普通殺人罪(199条)の客体である「人」に当たる。
したがって、甲には、同意殺人罪ではなく、普通殺人罪が成立する。
なお、判例(大判昭9.8.27)は、親が当時5歳11カ月の幼児をその嘱託を受けて殺害したという親子心中の事案において、「自殺の何たるかを理解するの能力なき幼児は自己を殺害することを嘱託し又は殺害を承諾するの能力なきものとす」として、同意殺人罪ではなく普通殺人罪の成立を認めている(大塚裕史ほか「基本刑法Ⅱ」第4版13頁)。