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傷害の罪

第206条

条文
第206条(現場助勢)
 前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
過去問・解説
(H28 司法 第14問 5)
甲は、Aら数名が殴り合いのけんかをしているところにたまたま通り掛かり、「もっとやれ。」と言ってはやし立てた。Aらけんかの当事者が怪我をせず、Aらの暴行が互いの相手に対する暴行罪にとどまる場合でも、甲には現場助勢罪(刑法第206条)が成立する。

(正答)  

(解説)
現場助勢罪(206条)は、「前2条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者」について成立するものであるところ、「前2条の犯罪」とは、傷害罪(204条)及び傷害致死罪(205条)を意味し、暴行罪(208条)は含まれない。
したがって、Aらけんかの当事者が怪我をせず、Aらの暴行が互いの相手に対する暴行罪にとどまる場合には、「前2条の犯罪が行われるに当たり」との要件を満たさないから、甲には現場助勢罪が成立しない。
総合メモ

第207条

条文
第207条(同時傷害の特例)
 2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
過去問・解説
(H28 司法 第14問 2)
甲、乙及び丙が、互いに意思の連絡をすることなく、同一の機会にそれぞれAに暴行を加えて怪我をさせたところ、その怪我は、乙又は丙いずれかの暴行によるものであり、甲の暴行によるものではなかった。Aがその怪我により死亡した場合、乙及び丙には傷害致死罪が成立し、甲には傷害罪が成立する。

(正答)  

(解説)
207条は傷害致死罪(205条)にも適用されると解されているから、乙及び丙には207条の適用により傷害致死罪(205条)が成立する。
しかし、Aの怪我は、乙又は丙いずれかの暴行によるものであり、甲の暴行によるものではなかったのだから、甲については、「2人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、…その傷害を生じさせた者を知ることができないとき」には当たるとはいえず、傷害致死罪も傷害罪(204条)も成立せず、暴行罪(208条)が成立するにとどまる。
総合メモ

第208条の2

条文
第208条の2(凶器準備集合及び結集)
① 2人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。
② 前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、3年以下の拘禁刑に処する。
過去問・解説
(H30 予備 第1問 3)
甲は、乙、丙及び丁と共に、Vが居住する家屋を共同して損壊する目的でそれぞれハンマーや斧を準備し、同家屋近くの公園に集合した。甲に凶器準備集合罪が成立する。

(正答)  

(解説)
甲は、「2人以上の者が他人の…財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して…集合した者」に当たるから、凶器準備集合罪(208条の2第1項)が成立する。
総合メモ