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刑法 第113条

条文
第113条(予備)
 第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の拘禁刑に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
過去問・解説
(H26 共通 第18問 3)
Aは、無人の倉庫に放火するためにこれに使用するガソリンとライターを持ってその倉庫に向かっていたところ、Aに不審を抱いた警察官から職務質問を受け、倉庫に放火するには至らなかった。その倉庫がA所有のものであった場合、Aに放火予備罪(刑法第113条)は成立しない。

(正答)  

(解説)
113条は、放火罪の予備罪について、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で…」として、現住建造物等放火罪(108条)及び他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)だけを処罰対象としている。
Aは、無人の倉庫に放火するために予備行為をしているにとどまり、これは自己所有非現住建造物等放火罪(109条2項)を犯す目的にすぎないから、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的」に当たらない。
したがって、Aに放火予備罪(113条)は成立しない。

(H29 予備 第8問 1)
甲は、住宅街の駐車場に駐車中の乙所有の自動車を燃やそうと考え、自己の自動車に灯油を積みライターを持って同自動車を運転して同駐車場に向かったところ、その途中、交通事故を起こし、乙所有の自動車に放火することができなかった。この場合、甲には、建造物等以外放火罪の予備罪が成立する。

(正答)  

(解説)
113条は、放火罪の予備罪について、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で…」として、現住建造物等放火罪(108条)及び他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)だけを処罰対象としている。
甲は、住宅街の駐車場に駐車中の乙所有の自動車を燃やそうと考え予備行為をしているにとどまり、これは建造物等以外放火罪(110条)を犯す目的にすぎないから、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的」に当たらない。
したがって、甲には、建造物等以外放火罪の予備罪が成立する。

(R3 司法 第16問 1)
甲は、Aが所有する自動2輪車に放火するため、これに使用するガソリンとライターを所持して同自動2輪車に近づいたが、甲に不審を抱いた警察官から職務質問を受け、放火するに至らなかった。この場合、甲には、放火予備罪は成立しない。

(正答)  

(解説)
113条は、放火罪の予備罪について、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的で…」として、現住建造物等放火罪(108条)及び他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)だけを処罰対象としている。
甲は、Aが所有する自動2輪車に放火するために予備行為をしているにとどまり、これは建造物等以外放火罪(110条)を犯す目的にすぎないから、「第108条又は第109条第1項の罪を犯す目的」に当たらない。
したがって、甲には、放火予備罪は成立しない。
総合メモ
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