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刑法 第115条

条文
第115条(差押え等に係る自己の物に関する特例)
 第109条第1項及び第110条第1項に規定する物が自己の所有に係るものであっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合において、これを焼損したときは、他人の物を焼損した者の例による。
過去問・解説
(H26 共通 第18問 5)
Aは、無人の倉庫に灯油をまいて放火し、これを焼損したが、公共の危険は生じなかった。その倉庫が火災保険の付されたA所有のものであった場合、Aに非現住建造物等放火罪(刑法第109条第1項)は成立しない。

(正答)  

(解説)
非現住建造物等放火罪(109条)において、自己所有の建造物等であっても、「保険に付したもの」であれば、「他人の物」とみなされる(115条)。
Aが放火により焼損した倉庫は、A所有のものであるが、火災保険が付されていたため、「保険に付したもの」として「他人の物」とみなされるから、他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)の客体となる。
したがって、Aに他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)が成立する。

(H30 司法 第16問 ア)
甲は、自己が所有する家屋に1人で居住していたが、同家屋に掛けられた火災保険の保険金を詐取しようと考え、同家屋に放火して全焼させ、公共の危険を生じさせた。甲には自己所有非現住建造物等放火罪(刑法第109条第2項)が成立する。

(正答)  

(解説)
非現住建造物等放火罪(109条)において、自己所有の建造物等であっても、「保険に付したもの」であれば、「他人の物」とみなされる(115条)。
Aが放火により焼損した自己所有の家屋は、火災保険が付されていたため、「保険に付したもの」として「他人の物」とみなされるから、他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)の客体となる。
したがって、甲には、他人所有非現住建造物等放火罪(109条1項)が成立する。
なお、現住建造物等放火罪(108条)における「人」とは、放火行為者以外の者を意味するところ、甲が1人で居住するにとどまる家屋は「現に現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」に当たらないから、現住建造物等放火罪は成立しない。
総合メモ
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