現在お使いのブラウザのバージョンでは、本サービスの機能をご利用いただけない可能性があります
バージョンアップを試すか、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの最新ブラウザをお試しください

引き続き問題が発生する場合は、 お問い合わせ までご連絡ください。

共同訴訟(類似必要的共同訴訟)

株主代表訴訟において共同訴訟人の一部の者が上訴をした場合に上訴をしなかった者の上訴審における地位 最二小判平成12年7月7日

概要
複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において、共同訴訟人である株主の一部の者が上訴をした場合、上訴をしなかった者は、上訴人にはならない。
判例
事案:複数の株主が共同して追行する株主代表訴訟において共同訴訟人の一部の者が上訴をした事案において、上訴をしなかった者の上訴審における地位が問題となった。

判旨:「商法267条(現:会社法847条)に規定する株主代表訴訟は、株主が会社に代位して、取締役の会社に対する責任を追及する訴えを提起するものであって、その判決の効力は会社に対しても及び(民訴法115条1項2号)、その結果他の株主もその効力を争うことができなくなるという関係にあり、複数の株主の追行する株主代表訴訟は、いわゆる類似必要的共同訴訟と解するのが相当である。類似必要的共同訴訟において共同訴訟人の一部の者が上訴すれば、それによって原判決の確定が妨げられ、当該訴訟は全体として上訴審に移審し、上訴審の判決の効力は上訴をしなかった共同訴訟人にも及ぶと解される。しかしながら、合一確定のためには右の限度で上訴が効力を生ずれば足りるものである上、取締役の会社に対する責任を追及する株主代表訴訟においては、既に訴訟を追行する意思を失った者に対し、その意思に反してまで上訴人の地位に就くことを求めることは相当でないし、複数の株主によって株主代表訴訟が追行されている場合であっても、株主各人の個別的な利益が直接問題となっているものではないから、提訴後に共同訴訟人たる株主の数が減少しても、その審判の範囲、審理の態様、判決の効力等には影響がない。そうすると、…株主代表訴訟については、自ら上訴をしなかった共同訴訟人を上訴人の地位に就かせる効力までが民訴法40条1項によって生ずると解するのは相当でなく、自ら上訴をしなかった共同訴訟人たる株主は、上訴人にはならないものと解すべきである(最高裁平成4年(行ツ)第156号同9年4月2日大法廷判決・民集51巻4号1673頁参照)。」
過去問・解説
(H19 司法 第63問 1)
株主X1が提起した取締役Yの責任を追及する訴訟に株主X2が共同訴訟参加をした場合において、X1がYの主張した抗弁事実について自白をしたとき、この事実をX2が争えば、X1の自白はその効力を生ずることはない。

(正答)

(解説)
判例(最判平12.7.7)は、「複数の株主の追行する株主代表訴訟は、いわゆる類似必要的共同訴訟と解するのが相当である。」としている。
したがって、X1が提起した株主代表訴訟は、類似必要的共同訴訟である。
そして、40条1項は、必要的共同訴訟について、「訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その1人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。」と規定している。
X1の自白は、X2にとって「利益」といえないから、この事実をX2が争った場合、X1の自白は効力を生じない。

(R3 予備 第32問 ウ)
類似必要的共同訴訟は、共同訴訟のうち、訴訟共同の必要があるが、合一確定の必要がない類型のものをいう。類似必要的共同訴訟に当たるものとして、株主X1及びX2が共同して株式会社の取締役Yに対して提起した責任追及等の訴えがある。

(正答)

(解説)
類似必要的共同訴訟は、各共同訴訟人が独立して訴え又は訴えられることができるが、一たび共同して訴え又は訴えられた場合は、合一確定の必要性から、必要的共同訴訟となるものをいう。
したがって、類似必要的共同訴訟は、共同訴訟のうち、訴訟協働の必要はないが、合一確定の必要がある類型のものをいう。
判例(最判平12.7.7)は、「商法267条(現:会社法847条)に規定する株主代表訴訟は、株主が会社に代位して、取締役の会社に対する責任を追及する訴えを提起するものであって…、いわゆる類似必要的共同訴訟と解するのが相当である。」としている。
したがって、類似必要的共同訴訟に当たるものとして、複数の株主が共同して株式会社の取締役に対して提起した責任追及等の訴えがある。
総合メモ