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訴訟参加(独立当事者参加)

46条所定の効力の客観的範囲 最三小判平成14年1月22日

概要
46条所定の効力が及ぶ判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断とは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいう。
判例
事案:YはAとの間で請負契約を締結し、XはAに対して本件商品を販売したとして代金の支払いを求める前訴を提起した。前訴において、Aが本件商品はYが購入したものだと主張したためXはYに対して訴訟告知をしが、Yは補助参加しなかった。前訴ではXの請求を棄却する判決がなされたが、理由中で、本件商品を買い受けたのはYである旨の記載があった。そこで、XはYに対して本件商品に係る代金の支払いを求める訴えを提起したという事案において、「効力」(46条柱書)の客観的範囲が問題となった。

判旨:「旧民訴法78条、70条(現:53条4項、46条)の規定により裁判が訴訟告知を受けたが参加しなかった者に対しても効力を有するのは、訴訟告知を受けた者が同法64条(現:42条)にいう訴訟の結果につき法律上の利害関係を有する場合に限られるところ、ここにいう法律上の利害関係を有する場合とは、当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合をいうものと解される(最高裁平成12年(許)第17号同13年1月30日第一小法廷決定・民集55巻1号30頁参照)。また、旧民訴法70条(現:46条)所定の効力は、判決の主文に包含された訴訟物たる権利関係の存否についての判断だけではなく、その前提として判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断などにも及ぶものであるが(最高裁昭和45年(オ)第166号同年10月22日第一小法廷判決・民集24巻11号1583頁参照)、この判決の理由中でされた事実の認定や先決的権利関係の存否についての判断とは、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断などをいうものであって、これに当たらない事実又は論点について示された認定や法律判断を含むものではないと解される。けだし、ここでいう判決の理由とは、判決の主文に掲げる結論を導き出した判断過程を明らかにする部分をいい、これは主要事実に係る認定と法律判断などをもって必要にして十分なものと解されるからである。そして、その他、旧民訴法70条(現:46条)所定の効力が、判決の結論に影響のない傍論において示された事実の認定や法律判断に及ぶものと解すべき理由はない。」
過去問・解説
(H29 予備 第33問 エ)
裁判が訴訟告知を受けたが参加しなかった者に対しても効力を有するのは、その訴訟の判決が被告知者の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合に限られる。

(正答)

(解説)
53条4項は、「訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第46条の規定の適用については、参加することができた時に参加したものとみなす。」と規定し、46条柱書は、「補助参加に係る訴訟の裁判は、次に掲げる場合を除き、補助参加人に対してもその効力を有する。」と規定している。
これについて、判例(最判平14.1.22)は、「裁判が訴訟告知を受けたが参加しなかった者に対しても効力を有するのは、訴訟告知を受けた者が…訴訟の結果につき法律上の利害関係を有する場合に限られるところ、ここにいう法律上の利害関係を有する場合とは、当該訴訟の判決が参加人の私法上又は公法上の法的地位又は法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合をいう…。」としている。
総合メモ

「訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者」の範囲 最一小判昭和42年2月23日

概要
XがYを被告として提起した所有権移転登記抹消登記請求訴訟について、当該不動産につき強制執行開始決定を得ているZが詐害防止参加を使用とした事案において、Zは「訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者」に当たる。
判例
事案:XがYを被告として提起した所有権移転登記抹消登記請求訴訟について、当該不動産につき強制執行開始決定を得ているZが詐害防止参加を使用とした事案において、Zが「訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者」に当たるかが問題となった。 判旨:「本件において、XがYに対し請求の原因として主張するところは、要するに、X所有の不動産につき…Yに対し所有権移転登記がされているが、右登記は…Yの父…の作成した偽造文書に基づくものであって無効であるから、その抹消登記手続を求めるというのであり、Zが参加の理由として主張するところは、要するに、ZはYに対する債権者として右不動産につき強制競売の申出をし、強制競売開始決定を得たのであるが、もしXとYの右訴訟においてX請求どおりの判決があるときは、Zの権利は害されるというのである。そして、右に述べたようなXの本訴請求の原因、Zの参加の理由に関し原審の確定した事実および本件訴訟の経過に照らせば、Zをもつて民訴法71条にいう「訴訟ノ結果ニ因リテ権利ヲ害セラルヘキコトヲ主張スル第三者」にあたるとして、その参加を是認した原審の判断は正当であるというべきである。」
過去問・解説
(R6 予備 第32問 1)
他人間の訴訟の結果によって権利が害されることを主張して訴訟に参加することができる第三者は、当該訴訟の判決が直接に効力を及ぼし、これに服さざるを得ない者に限定されず、広く当該訴訟の結果により間接に自己の権利が侵害されるおそれのある者も含まれる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭42.2.23)は、

XがYを被告として提起した所有権移転登記抹消登記請求訴訟について、当該不動産につき強制執行開始決定を得ているZが詐害防止参加を使用とした事案において、「「本件において、XがYに対し請求の原因として主張するところは、要するに、X所有の不動産につき…Yに対し所有権移転登記がされているが、右登記は…Yの父…の作成した偽造文書に基づくものであって無効であるから、その抹消登記手続を求めるというのであり、Zが参加の理由として主張するところは、要するに、ZはYに対する債権者として右不動産につき強制競売の申出をし、強制競売開始決定を得たのであるが、もしXとYの右訴訟においてX請求どおりの判決があるときは、Zの権利は害されるというのである。」との理由から、詐害防止参加を認めているところ、Zは、XY間の訴訟の判決が直接に効力を及ぼし、これに服さざるを得ない者ではない。このことから、他人間の訴訟の結果によって権利が害されることを主張して訴訟に参加することができる第三者は、当該訴訟の判決が直接に効力を及ぼし、これに服さざるを得ない者に限定されず、広く当該訴訟の結果により間接に自己の権利が侵害されるおそれのある者も含まれるといえる。
総合メモ

当事者一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加(片面的独立当事者参加)の申出の適否 最一小判昭和45年1月22日

概要
独立当事者参加の申出は、参加人が当該訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
判例
事案:XとYを当事者とする訴訟にZが独立当事者参加の申出をしたところ、Zは、XのYに対する訴えにつき、請求棄却および訴却下の判決を求めただけで、被参加訴訟の当事者であるXおよびYに対し何らの請求をもしなかったという事案において、当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否が問題となった。

判旨:「独立当事者参加の申出は、参加人が当該訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されないものと解するを相当とする。けだし、この種の参加の申出は、訴の提起たるの実質を有し、またもし参加人が訴却下または請求棄却の判決を求めるのみであるとすれば、当事者と参加人との間に審理裁判の対象となるべき請求が存しないこととなるからである。」
過去問・解説
(R1 予備 第33問 1)
訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者は、原告の請求を棄却する判決を求める旨を述べれば、自ら請求を定立しなくとも、その訴訟に参加することができる。

(正答)

(解説)
47条1項は、「訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者…は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。」と規定している。
これについて、判例(最判昭45.1.22)は、「独立当事者参加の申出は、参加人が当該訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者一方の請求に対して訴却下または請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない…。」としている。
総合メモ

請求を提出せずに、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の可否 最一小決平成26年7月10日

概要
独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
判例
事案:Y1らを原告、Y2社を被告として提起された株式会社の解散請求を認容する確定判決につきY2の株主であるXが、上記訴訟の係属を知らされず審理に関与する機会を奪われたから、上記確定判決につき338条1項3号の再審事由があるなどと主張して独立当事者参加の申出をした事案において、独立当事者参加の申出を、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出によってできるかが問題となった。

判旨:「独立当事者参加の申出は、参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されないと解すべきである。」
過去問・解説
(R6 予備 第32問 2)
独立当事者参加の申出は、参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。

(正答)

(解説)
判例(最決平26.7.10)は、「独立当事者参加の申出は、参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず、単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない…。」としている。
総合メモ

上告審における独立当事者参加の申出 最三小判昭和44年7月15日

概要
上告審においては、71条(現:47条)による参加の申出をすることは許されない。
判例
事案:上告審中の事件について71条(現:47条)による参加の申出がなされた事案において、上告審中の事件について、71条(現:47条)による参加の申出をすることが許されるかが問題となった。

判旨:「当裁判所は、上告審であって、事実審ではないから、参加人の請求の当否について判断し、右係属中の事件と矛盾のない判決をすることはできない。されば上告審である当裁判所に対し同条による本件参加の申出をすることは許されないから、本件参加の申出は、不適法として却下を免れない。」
過去問・解説
(H22 共通 第71問 3)
判例によれば、上告審における独立当事者参加の申出は、許されない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.15)は、「上告審である当裁判所に対し同条(注:47条)による本件参加の申出をすることは許されない。」としている。

(H23 共通 第58問 4)
独立当事者参加の申出は、第1審の口頭弁論の終結の時までにしなければならない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭44.7.15)は、「当裁判所は、上告審であって、事実審ではないから…上告審である当裁判所に対し同条(注:47条)による本件参加の申出をすることは許されない。」としている。
したがって、独立当事者参加の申出について、第1審の口頭弁論終結の時までにしなければならないのではなく、事実審であればすることができる。
総合メモ

独立当事者参加の申立があった場合における原告の訴えの取下げ 最二小判昭和60年3月15日

概要
71条(現:47条1項)に基づく当事者参加の申立があった場合でも、原告は、被告及び参加人の同意を得て、訴えを取り下げることができる。
判例
事案:Xを原告、Yを被告とする訴訟で、Xが訴えを取り下げ、その後Zが当事者参加し、YとZがかかる取下げに同意したとみなされた事案において、71条(現:47条1項)に基づく当事者参加の申立があった場合における原告の訴えの取下が問題となった。

判旨:「民訴法71条(現:47条1項)に基づく当事者参加の申立があった場合、当該訴訟の原告は、同法72条(現:48条)に従って当該訴訟から脱退することができるほか、被告及び参加人の双方の同意を得て訴えを取り下げることができ、これによって、当該訴訟は右申立によって生じた三面訴訟関係を消失し、参加人と原告との間及び参加人と被告との間の単純な二当事者対立訴訟関係に転化する。」
過去問・解説
(R1 予備 第33問 4)
第三者が自己の権利を主張するために原告及び被告を相手方として訴訟に参加した場合に、原告は、被告の同意を得てその訴訟から脱退することができるが、被告及び参加人の同意を得ても訴えを取り下げることはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭60.3.15)は、「民訴法71条(現:47条1項)に基づく当事者参加の申立があった場合、当該訴訟の原告は、同法72条(現:48条)に従って当該訴訟から脱退することができるほか、被告及び参加人の双方の同意を得て訴えを取り下げることができ…る。」としている。
総合メモ

独立当事者参加がされた訴訟における原告、被告及び参加人の一部のみを名宛人とする終局判決の可否 最二小判昭和43年4月12日

概要
71条(現:47条)の参加に基づく、参加人、原告、被告間の訴訟について本案判決をするときは、右三当事者を判決の名宛人とする1個の終局判決のみが許され、右当事者の一部に関する判決をすることも、また、残余のものに関する追加判決をすることも、許されない。
判例
事案:独立当事者参加がされた訴訟において、原告、被告及び参加人の一部のみを名宛人とする終局判決をすることができるかが問題となった。

判旨:「民訴法71条(現:47条)の当事者参加にもとづく、右のごとき訴訟関係にあつては、参加人のなした右控訴、上告は、第1審被告に対しても効力を生じ、第1審被告は、原審及び当審における訴訟当事者となり、本件訴訟は第1審原告、第1審被告、参加人につき、全体として、原審、更に、当審に移審して審理の対象となっているものと解すべく、原審は、参加人、第1審原告、第1審被告の3者を判決の名宛人として、事件の本案につき1個の終局判決をのみなすべきものであって、訴訟当事者の一部のみに関する判決をすることは許されない(したがって、一部判決とみられるべきものがあっても残余の部分を追加判決することもできない。)ものである…。」
過去問・解説
(R6 予備 第32問 3)
裁判所は、原告、被告及び参加人の一部のみを名宛人とする終局判決をすることができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭43.4.12)は、「民訴法71条(現:47条)の当事者参加にもとづく、右のごとき訴訟関係にあっては、参加人のなした右控訴、上告は、第1審被告に対しても効力を生じ、第1審被告は、原審及び当審における訴訟当事者となり、本件訴訟は第1審原告、第1審被告、参加人につき、全体として、原審、更に、当審に移審して審理の対象となっているものと解すべく、原審は、参加人、第1審原告、第1審被告の3者を判決の名宛人として、事件の本案につき1個の終局判決をのみなすべきものであって、訴訟当事者の一部のみに関する判決をすることは許されない…。」としている。

(R6 予備 第32問 5)
終局判決に対して原告、被告及び参加人のうち一人のみから適法な上訴がされた場合には、当該終局判決のうち、その1人が当事者となっている部分は確定することなく移審し、その余の部分は確定する。

(正答)

(解説)
116条2項は「判決の確定は、前項の期間内にした控訴の提起、同項の上告の提起又は同項の申立てにより、遮断される。」と規定している。
これについて、判例(最判昭43.4.12)は、「民訴法71条(現:47条)の当事者参加にもとづく、右のごとき訴訟関係にあっては、参加人のなした右控訴、上告は、第1審被告に対しても効力を生じ、第1審被告は、原審及び当審における訴訟当事者となり、本件訴訟は第1審原告、第1審被告、参加人につき、全体として、原審、更に、当審に移審して審理の対象となっているものと解すべく、原審は、参加人、第1審原告、第1審被告の3者を判決の名宛人として、事件の本案につき1個の終局判決をのみなすべきものであって、訴訟当事者の一部のみに関する判決をすることは許されない…。」としている。
したがって、独立当事者参加がされた訴訟において、一部分のみが確定することはなく、すべてについて確定遮断効が生じる。
総合メモ