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固有必要的共同訴訟
共有物分割の訴え 大判明治41年9月25日
概要
判例
判旨:「共有物ノ分割ヲ為ス場合ニ於テハ各共有者ハ其当事者トシテ孰レモ直接利害ノ関係ヲ有スルモノナレハ共有者中ノ或者ヲ除外シテ分割手続ヲ遂行スルカ如キハ協議上ノ分割ニ於ケルト裁判上ノ分割ニ於ケルトヲ問ハス之ヲ許スヘキモノニ非ス」
過去問・解説
(H30 予備 第33問 3)
不動産の共有者は、他の共有者のうちの1人を被告として、各自単独で、共有物分割を求める訴えを提起することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(大判明41.9.25)は、「共有物ノ分割ヲ為ス場合ニ於テハ各共有者ハ其当事者トシテ孰レモ直接利害ノ関係ヲ有スルモノナレハ共有者中ノ或者ヲ除外シテ分割手続ヲ遂行スルカ如キハ協議上ノ分割ニ於ケルト裁判上ノ分割ニ於ケルトヲ問ハス之ヲ許スヘキモノニ非ス」として、共有物分割訴訟が固有必要的共同訴訟に当たることを示している。
したがって、不動産の共有者は、他の共有者のうちの1人を被告として、各自単独で、共有物分割を求める訴えを提起することはできない。
入会権確認訴訟は固有必要的共同訴訟であるか 最二小判昭和41年11月25日
概要
判例
判旨:「入会権は権利者である一定の部落民に総有的に帰属するものであるから、入会権の確認を求める訴は、権利者全員が共同してのみ提起しうる固有必要的共同訴訟というべきである(明治39年2月5日大審院判決・民録12輯165頁参照)。この理は、入会権が共有の性質を有するものであると、共有の性質を有しないものであるとで異なるところがない。したがつて、上告人らが原審において訴の変更により訴求した「本件土地につき共有の性質を有する入会権を有することを確認する。若し右請求が理由がないときは、共有の性質を有しない入会権を有することを確認する」旨の第四、五次請求は、入会権者全員によつてのみ訴求できる固有必要的共同訴訟であるというべきところ、本件右請求が入会権者と主張されている部落民全員によつて提起されたものでなく、その一部の者によつて提起されていることは弁論の全趣旨によつて明らかであるから、右請求は当事者適格を欠く不適法なものである。本件土地を上告人らが総有することを請求原因として被上告人に対しその所有権取得登記の抹消を求める第二次請求もまた同断である。
さらに、上告人らの本件第三次請求は、本件土地が又重財産区の所有に属することを請求原因として、被上告人に対しその所有権取得登記の抹消を求めるものである。そうとすれば、本請求の正当な原告は又重財産区であつて、上告人らは当事者適格を有しないものというべきである。本訴もまた不適法である。」
過去問・解説
(R8 予備 第31問 3 改題)
Xは、法人でない社団であり、団体運営の方法及び財産管理の方法について定めた規約を有しており、Aを代表者と定めていた。Xの構成員らが原告となり甲土地がXの構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えを提起し、第一審裁判所が原告らの請求を認容し、控訴裁判所がYの控訴を棄却し、Yが上告したところ、Xの構成員らの一部が当該訴えに係る訴訟の当事者となっていないことが判明した。この場合において、上告裁判所は、原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、当該訴えを却下することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭41.11.25)は、「入会権は権利者である一定の部落民に総有的に帰属するものであるから、入会権の確認を求める訴は、権利者全員が共同してのみ提起しうる固有必要的共同訴訟というべきである…。」とした上で、「本件土地を上告人らが総有することを請求原因として被上告人に対しその所有権取得登記の抹消を求める第2次請求もまた同断である。」としている。そして、権利者の一部によって提起された訴えについて、「本件右請求が入会権者と主張されている部落民全員によつて提起されたものでなく、その一部の者によつて提起されていることは弁論の全趣旨によつて明らかであるから、右請求は当事者適格を欠く不適法なものである。」とし、「請求について本案の判断をした第1、2審判決を破棄し、右請求を却下すべきものとする。」と結論づけている。
したがって、Xの構成員らが甲土地がXの構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えは、構成員全員が当事者となる必要があり、その一部が当事者となっていない場合には、当事者適格を欠き不適法である。よって、Yの上告により、Xの構成員らの一部が当該訴えに係る訴訟の当事者となっていないことが判明した場合、上告裁判所は、原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、当該訴えを却下することができる。
共同相続人間における遺産確認の訴え 最三小判平成元年3月28日
概要
判例
判旨:「遺産確認の訴えは、当該財産が現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えであり、その原告勝訴の確定判決は、当該財産が遺産分割の対象である財産であることを既判力をもって確定し、これに続く遺産分割審判の手続及び右審判の確定後において、当該財産の遺産帰属性を争うことを許さないとすることによって共同相続人間の紛争の解決に資することができるのであって、この点に右訴えの適法性を肯定する実質的根拠があるのであるから(最高裁昭和57年(オ)第184号同61年3月13日第一小法廷判決・民集40巻2号389頁参照)、右訴えは、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するいわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H20 司法 第70問 3)
共同相続人の1人が、他の共同相続人全員に対し、甲財産が遺産に属することの確認を求める訴えを提起した場合、判例の趣旨によれば、被告ら全員が認諾しなければ、認諾の効力は生じない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平元.3.28)は、「遺産確認の訴えは…共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するいわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
そのため、本肢における訴えは固有必要的共同訴訟に当たる。
そして、40条1項は、「訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その1人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。」と規定している。
したがって、請求の認諾は、被告にとって不利な訴訟行為であるから、被告ら全員が認諾しなければ、その効力は生じないこととなる。
(R2 予備 第32問 2)
ある財産が共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えにおいては、遺産分割審判の申立てをすることができる共同相続人全員を原告又は被告としなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平元3.28)は、「遺産確認の訴えは、当該財産が現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えであり…、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するいわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
したがって、ある財産が共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えにおいては、遺産分割審判の申立てをすることができる共同相続人全員を原告又は被告としなければならない。
共同相続人間における相続人の地位不存在確認の訴えが、固有必要的共同訴訟となるか 最三小判平成16年7月6日
概要
判例
判旨:「被相続人の遺産につき特定の共同相続人が相続人の地位を有するか否かの点は、遺産分割をすべき当事者の範囲、相続分及び遺留分の算定等の相続関係の処理における基本的な事項の前提となる事柄である。そして、共同相続人が、他の共同相続人に対し、その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、当該他の共同相続人に相続欠格事由があるか否か等を審理判断し、遺産分割前の共有関係にある当該遺産につきその者が相続人の地位を有するか否かを既判力をもって確定することにより、遺産分割審判の手続等における上記の点に関する紛議の発生を防止し、共同相続人間の紛争解決に資することを目的とするものである。このような上記訴えの趣旨、目的にかんがみると、上記訴えは、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するものというべきであり、いわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第72問 5)
共同相続人が、他の共同相続人のうちの1人のみを被告とし、遺産分割の前提として、被告が被相続人の遺言書を隠匿又は破棄した行為が相続欠格事由に当たることを理由に、相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは不適法である。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平16.7.6)は、「共同相続人が、他の共同相続人に対し、その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、…共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するものというべきであり、いわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
したがって、共同相続人が、他の共同相続人のうちの1人のみを被告とし、相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは不適法である。
(R4 予備 第34問 5)
共同相続人間において、共同相続人の1人についての相続欠格事由の存否を争う場合に、その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、確認の利益を欠く。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平16.7.6)は、「共同相続人が、他の共同相続人に対し、その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、…共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要するものというべきであり、いわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としており、固有必要的共同訴訟として確認の利益があることを前提としている。
したがって、共同相続人間において、共同相続人の1人についての相続欠格事由の存否を争う場合に、その者が被相続人の遺産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、確認の利益を有する。
共有地についての境界確定の訴えと固有必要的共同訴訟 最一小判昭和46年12月9日
概要
判例
判旨:「土地の境界は、土地の所有権と密接な関係を有するものであり、かつ、隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべきものであるから、境界の確定を求める訴は、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴えまたは訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解するのが相当である。」
過去問・解説
(H21 司法 第72問 3)
土地の共有者が提起する筆界の確定を求める訴えは、類似必要的共同訴訟であるから、これに同調しない共有者がいるときは、これを共同被告として訴えを提起することが許される。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.12.9)は、「境界の確定を求める訴は、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴えまたは訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
なお、後段について、判例(最判平成11.11.9)は、「共有者のうちに右の訴えを提起することに同調しない者がいるときには、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と共に右の訴えを提起することに同調しない者を被告にして訴えを提起することができる…。」としている。
(H22 共通 第56問 イ)
X所有の甲地とY1及びY2が共有する乙地が隣接する場合に、Xが甲地と乙地の筆界(境界)確定の訴えを提起するときには、必ず共有者Y1及びY2の両者を被告としなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.12.9)は、「境界の確定を求める訴えは、隣接する土地の一方又は双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴え、又は訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解される。」としている。
したがって、Xが甲地と乙地の筆界(境界)確定の訴えを提起するときには、必ず共有者Y1及びY2の両者を被告としなければならない。
(H27 予備 第44問 5)
Aが所有する甲土地とB及びCの共有に属する乙土地とが筆界(境界)を挟んで隣接する場合において、Aが境界確定の訴えを提起するときは、B及びCの双方を被告としてこれを提起しなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.12.9)は、「土地の境界は、土地の所有権と密接な関係を有するべきものであり、かつ、隣接する土地の所有者全員について合一に確定すべきものであるから、境界の確定を求める訴は、隣接する土地の一方…が数名の共有に属する場合には共有者全員が共同してのみ…訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
したがって、B及びCの双方を被告として提起しなければならない。
(R3 予備 第32問 イ)
固有必要的共同訴訟は、共同訴訟のうち、訴訟共同の必要がないが、合一確定の必要はある類型のものをいう。固有必要的共同訴訟に当たるものとして、不動産の全共有者であるX1及びX2が共同して当該不動産に隣接する不動産の所有者であるYに対して提起した筆界(境界)確定の訴えがある。
(正答)✕
(解説)
固有必要的共同訴訟は、訴訟共同及び合一確定の必要性がある類型のものをいうから、訴訟共同の必要もある。
なお、これについて、判例(最判昭46.12.9)は、「境界の確定を求める訴は、隣接する土地の一方または双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴えまたは訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合にその余の共有者が右の者を被告にして右の訴えを提起することの許否 最三小判平成11年11月9日
概要
判例
判旨:「境界の確定を求める訴えは、隣接する土地の一方又は双方が数名の共有に属する場合には、共有者全員が共同してのみ訴え、又は訴えられることを要する固有必要的共同訴訟と解される(最高裁昭和44年(オ)第279号同46年12月9日第一小法廷判決・民集25巻9号1457頁参照)。したがって、共有者が右の訴えを提起するには、本来、その全員が原告となって訴えを提起すべきものであるということができる。しかし、共有者のうちに右の訴えを提起することに同調しない者がいるときには、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と共に右の訴えを提起することに同調しない者を被告にして訴えを提起することができるものと解するのが相当である。けだし、境界確定の訴えは、所有権の目的となるべき公簿上特定の地番により表示される相隣接する土地の境界に争いがある場合に、裁判によってその境界を定めることを求める訴えであって、所有権の目的となる土地の範囲を確定するものとして共有地については共有者全員につき判決の効力を及ぼすべきものであるから、右共有者は、共通の利益を有する者として共同して訴え、又は訴えられることが必要となる。しかし、共有者のうちに右の訴えを提起することに同調しない者がいる場合であっても、隣接する土地との境界に争いがあるときにはこれを確定する必要があることを否定することはできないところ、右の訴えにおいては、裁判所は、当事者の主張に拘束されないで、自らその正当と認めるところに従って境界を定めるべきであって、当事者の主張しない境界線を確定しても民訴法二四六条の規定に違反するものではないのである(最高裁昭和37年(オ)第938号同38年10月15日第三小法廷判決・民集17巻9号1220頁参照)。このような右の訴えの特質に照らせば、共有者全員が必ず共同歩調をとることを要するとまで解する必要はなく、共有者の全員が原告又は被告いずれかの立場で当事者として訴訟に関与していれば足りると解すべきであり、このように解しても訴訟手続に支障を来すこともないからである。」
過去問・解説
(R2 予備 第32問 1)
土地共有者の一部の者が隣地の所有者に対して筆界(境界)確定の訴えを提起することに同調しない場合には、その他の共有者は、訴えの提起に同調しない者を隣地の所有者と共に被告として訴えることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平11.11.9)は、「共有者のうちに右の訴えを提起することに同調しない者がいるときには、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と共に右の訴えを提起することに同調しない者を被告にして訴えを提起することができる…。」としている。
固有必要的共同訴訟において、共同原告の1人が訴えの取下げをした場合の効力 最一小判昭和46年10月7日
概要
判例
判旨:「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権 (数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である(大審院大正11年(オ)第821号同13年5月19日判決、民集3巻211頁参照)。けだし、この場合には、共有者全員の有する1個の所有権そのものが紛争の対象となっているのであつて、共有者全員が共同して訴訟追行権を有し、その紛争の解決いかんについては共有者全員が法律上利害関係を有するから、その判決による解決は全員に矛盾なくなされることが要請され、かつ、紛争の合理的解決をはかるべき訴訟制度のたてまえからするも、共有者全員につき合一に確定する必要があるというべきだからである。また、これと同様に、1個の不動産を共有する数名の者全員が、共同原告となって、共有権に基づき所有権移転登記手続を求めているときは、その訴訟の形態も固有必要的共同訴訟と解するのが相当であり(大審院大正11年(オ)第256号同年7月10日判決、民集1巻386頁参照)、その移転登記請求が真正な所有名義の回復の目的に出たものであったとしても、その理は異ならない。それゆえ、このような訴訟の係属中に共同原告の1人が訴の取下げをしても、その取下げは効力を生じないものというべきである。」
過去問・解説
(H18 司法 第66問 ア)
A、B及びCは、甲土地を3名で共有している(以下、A、B及びCを「Aら3名」という。)。Aら3名がYに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合において、Aが訴えを取り下げるとの書面を裁判所に提出し、Yがこれに同意したときは、裁判所は、B及びCの訴えを不適法として却下しなければならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」とした上で、「このような訴訟の係属中に共同原告の1人が訴の取下げをしても、その取下げは効力を生じない…。」としている。
したがって、Aによる訴えの取下げは無効であるから、裁判所は、B及びCの訴えについても、そのまま適法なものとして審理を続行しなければならない。
(H18 司法 第66問 イ)
A、B及びCは、甲土地を3名で共有している(以下、A、B及びCを「Aら3名」という。)。Aら3名がYに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合において、Aのみが口頭弁論期日に出頭していたときは、Yは、準備書面に記載していない事実を主張することができない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」としている。
そして、40条2項は、固有必要的共同訴訟について、「共同訴訟人の1人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。」と規定し、161条3項は、「相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面…に記載した事実でなければ、主張することができない。」と規定している。
したがって、Aら3名による訴えは、固有必要的共同訴訟であるから、Aが口頭弁論期日に出頭している以上、準備書面に記載していない事実をAに主張することができる。
(H18 司法 第66問 ウ)
A、B及びCは、甲土地を3名で共有している(以下、A、B及びCを「Aら3名」という。)。Aら3名がYに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合において、Aについて訴訟手続の中断の原因があるときは、B及びCについても、中断の効力が生じる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」としている。
そして、40条3項は、固有必要的共同訴訟において、「共同訴訟人の1人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。」と規定している。
したがって、Aら3名による訴えは、固有必要的共同訴訟であるから、Aについて訴訟手続の中断の原因があるときは、B及びCについても、中断の効力が生じる。
(H18 司法 第66問 エ)
A、B及びCは、甲土地を3名で共有している(以下、A、B及びCを「Aら3名」という。)。Aら3名がYに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合において、裁判所がA及びB並びにYのみを名宛人とする一部判決をしたときは、Cは、この判決に対して、控訴をすることができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」としている。
そして、固有必要的共同訴訟では、訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定することが要求される(40条1項)から、一部判決は違法である。
したがって、名宛人となっていない共同訴訟人たるCも控訴をすることができる。
(H18 司法 第66問 オ)
A、B及びCは、甲土地を3名で共有している(以下、A、B及びCを「Aら3名」という。)。A及びBのみが原告となり、Yに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合は、口頭弁論の終結前にCがこの訴訟に共同訴訟人として参加することは許されず、裁判所は、訴えを不適法として却下しなければならない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」としている。
また、52条1項は「訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。」として、共同訴訟参加について規定しているところ、共同訴訟参加は、固有必要的共同訴訟の場合において当事者適格を欠くとして訴えが却下される前に関係当事者を訴訟参加させることによりその瑕疵を治癒するという機能も有する。
したがって、A及びBのみが原告となり、Yに対して、甲土地がAら3名の共有であることの確認を求める訴えを提起した場合に、口頭弁論の終結前にCがこの訴訟に共同訴訟人として参加することも許される。
(H21 司法 第70問 5)
訴訟物である権利関係について変更することなく、請求の趣旨に表示された求める救済の範囲(金銭請求であれば請求額)を減少させることを請求の減縮と呼ぶ。この請求の減縮の性質については議論があるが、請求の減縮は訴えの一部取下げであるという見解に立った場合、固有必要的共同訴訟において、共同原告のうち一人がした請求の減縮は、判例によれば、その効力を生じない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、固有必要的共同訴訟の事案において、「このような訴訟の係属中に共同原告の1人が訴の取下げをしても、その取下げは効力を生じないものというべきである。」としている。
したがって、請求の減縮は訴えの一部取下げであるという見解に立った場合、固有必要的共同訴訟において、共同原告のうち1人がした請求の減縮は、判例によれば、効力を生じない。
(H27 予備 第44問 2)
A及びBが共有する甲土地について、第三者Cに対し、甲土地がA及びBの共有に属することの確認を求める訴えは、Aが単独で提起することができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権 (数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
したがって、AとBが共同して訴訟提起することが必要となるから、Aは単独で提起することができない。
(R3 予備 第32問 ア)
通常共同訴訟は、共同訴訟のうち、訴訟共同の必要がなく、合一確定の必要もない類型のものをいう。通常共同訴訟に当たるものとして、不動産の全共有者であるX1及びX2が共同して当該不動産の登記名義人Yに対して提起する当該不動産全体の共有権に基づく所有権移転登記手続請求の訴えがある。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権 (数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する…。」としている。
したがって、不動産の全共有者であるX1及びX2が共同して当該不動産の登記名義人Yに対して提起する当該不動産全体の共有権に基づく所有権移転登記手続請求の訴えは、通常共同訴訟に当たるものではない。
(R8 予備 第32問 5)
土地を共有するX1、X2及びX3が、当該土地の登記名義人であるYを被告として、当該土地がX1、X2及びX3の共有に属することの確認を求めて訴えを提起した場合において、X1及びX2が訴えの取下げをし、Yがこれらの取下げに同意したときに、X3が訴えの取下げをしていなければ、当該X1及びX2の訴えの取下げは効力を生じない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭46.10.7)は、「1個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、いわゆる共有権(数人が共同して有する1個の所有権)に基づき、その共有権を争う第三者を相手方として、共有権の確認を求めているときは、その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解する。」とした上で、「このような訴訟の係属中に共同原告の1人が訴の取下げをしても、その取下げは効力を生じない…。」としている。
したがって、X1及びX2が訴えの取下げをし、Yがこれらの取下げに同意した場合であっても、X3が訴えの取下げをしていなければ、当該X1及びX2の訴えの取下げは効力を生じない。
固有必要的共同訴訟における合一確定の要請 最三小判平成22年3月16日
概要
判例
判旨:「本件請求に係る訴えは、固有必要的共同訴訟と解するのが相当であることは前示のとおりであるところ…原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず、甲の乙に対する請求を認容し、甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には、上訴審は、甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても、合一確定に必要な限度で、上記判決のうち丙に関する部分を、丙に不利益に変更することができると解するのが相当である(最高裁昭和44年(オ) 第316号同48年7月20日第二小法廷判決・民集27巻7号863頁参照)。 」
過去問・解説
(R3 予備 第44問 5)
亡Aの配偶者Xが子であるY及びZを共同被告としてYがAの相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えを提起したところ、第1審裁判所が、Xの請求のうち、Yに対する請求を認容し、Zに対する請求を棄却するとの判決をした場合において、Yのみが控訴をし、Xが控訴又は附帯控訴をしていないときであっても、控訴裁判所は、合一確定に必要な限度で、第1審判決のうちZに関する部分をZに不利益に変更することができる。
(正答)〇
(解説)
判例(最判平22.3.16)は、本肢と同種の事案において、「本件請求に係る訴えは、固有必要的共同訴訟と解する…。」とした上で、「原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず、甲の乙に対する請求を認容し、甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされた場合には、上訴審は、甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても、合一確定に必要な限度で、上記判決のうち丙に関する部分を、丙に不利益に変更することができる…。」としている。
したがって、第1審裁判所が、Xの請求のうち、Yに対する請求を認容し、Zに対する請求を棄却するとの判決をした場合において、Yのみが控訴をし、Xが控訴又は附帯控訴をしていないときであっても、控訴裁判所は、合一確定に必要な限度で、第1審判決のうちZに関する部分をZに不利益に変更することができる。
遺産確認の訴えにおいて共同相続人の1人が自己の相続分の全部を譲渡した場合における当該訴えの帰趨 最二小判平成26年2月14日
概要
判例
判旨:「遺産確認の訴えは、その確定判決により特定の財産が遺産分割の対象である財産であるか否かを既判力をもって確定し、これに続く遺産分割審判の手続等において、当該財産の遺産帰属性を争うことを許さないとすることによって共同相続人間の紛争の解決に資することを目的とする訴えであり、そのため、共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟と解されているものである(最高裁昭和57年(オ)第184号同61年3月13日第一小法廷判決・民集40巻2号389頁、最高裁昭和60年(オ)第727号平成元年3月28日第三小法廷判決・民集43巻3号167頁参照)。しかし、共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は、積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する割合的な持分を全て失うことになり、遺産分割審判の手続等において遺産に属する財産につきその分割を求めることはできないのであるから、その者との間で遺産分割の前提問題である当該財産の遺産帰属性を確定すべき必要性はないというべきである。そうすると、共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は、遺産確認の訴えの当事者適格を有しないと解するのが相当である。」
過去問・解説
(R7 予備 第32問 イ)
遺産確認の訴えを提起した共同相続人は、提訴後に自己の相続分の全部を譲渡した場合であっても、当該訴えの当事者適格を失わない。
(正答)✕
(解説)
判例(最判平26.2.14)は、「遺産確認の訴えは、…共同相続人全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟と解されている…。」とした上で、「共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は、遺産確認の訴えの当事者適格を有しないと解するのが相当である。」としている。
したがって、遺産確認の訴えを提起した共同相続人は、提訴後に自己の相続分の全部を譲渡した場合は、当該訴えの当事者適格を失う。