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上訴(上告) - 解答モード
控訴審の取消差戻判決に対する上告の許否 最三小判昭和26年10月16日
概要
控訴審が原判決を取り消し、事件を原審に差し戻す判決をした場合に、当該差戻判決に対して上告をすることができる。
判例
事案:控訴審が原判決を取り消し、事件を原審に差し戻す判決をした事案において、差戻判決に対して上告をすることができるかが問題となった。
判旨:「原判決は被上告人の控訴により第1審判決を取り消し、本件を第1審裁判所に差戻したのである。…原判決によって本件は原審級を離脱するのであるから、原判決はこれを終局判決と解するを相当とし、従って、これに対し民事訴訟法第393条によって当裁判所に直ちに上告することができるものと解するを相当とする。」
判旨:「原判決は被上告人の控訴により第1審判決を取り消し、本件を第1審裁判所に差戻したのである。…原判決によって本件は原審級を離脱するのであるから、原判決はこれを終局判決と解するを相当とし、従って、これに対し民事訴訟法第393条によって当裁判所に直ちに上告することができるものと解するを相当とする。」
控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者と附帯上告の許否 最二小判昭和54年11月16日
概要
控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、附帯上告を提起することは許されない。
判例
事案:控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された事案において、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないかが問題となった。
判旨:「附帯上告人の提出した『再審請求願』と題する書面は、当審の手続において第1審判決のうち附帯上告人の主位的請求を棄却した部分を取り消すことを求めるため、附帯上告を提起する趣旨のものと解されるところ、控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、上告審が法律審であることに鑑み、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないものと解するのが相当であるから、本件附帯上告は不適法として却下を免れない(前記書面が再審の訴を提起する趣旨のものであるとしても、第1審判決は、附帯上告人の請求を棄却した部分についても未だ確定していないから、これに対する再審の訴は提起することが許されないばかりでなく、同書面に記載されているように新証拠を発見したというだけでは民訴法420条1項各号所定の再審事由にあたらない点においても、再審の訴として不適法であることが明らかである。)。」
判旨:「附帯上告人の提出した『再審請求願』と題する書面は、当審の手続において第1審判決のうち附帯上告人の主位的請求を棄却した部分を取り消すことを求めるため、附帯上告を提起する趣旨のものと解されるところ、控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、上告審が法律審であることに鑑み、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないものと解するのが相当であるから、本件附帯上告は不適法として却下を免れない(前記書面が再審の訴を提起する趣旨のものであるとしても、第1審判決は、附帯上告人の請求を棄却した部分についても未だ確定していないから、これに対する再審の訴は提起することが許されないばかりでなく、同書面に記載されているように新証拠を発見したというだけでは民訴法420条1項各号所定の再審事由にあたらない点においても、再審の訴として不適法であることが明らかである。)。」
上告受理の申立てに対する附帯上告の提起又は上告に対する附帯上告受理の申立ての許否 最二小決平成11年4月23日
概要
上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできない。
判例
事案:上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできるかが問題となった。
判旨:「上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできないと解するのが相当である。」
判旨:「上告受理の申立てに対して附帯上告を提起し、又は上告に対して附帯上告受理の申立てをすることはできないと解するのが相当である。」
数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告の許否 最一小判平成23年2月17日
概要
①数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて、共同訴訟人の1人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法である。
②数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて、共同訴訟人の1人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てとして不適法である。
②数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて、共同訴訟人の1人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てとして不適法である。
判例
事案:数人の提起する養子縁組無効の訴えがなされた事案において、①共同訴訟人の1人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は、二重上告として不適法か、②共同訴訟人の1人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てとして不適法かなどが問題となった。
判旨:①:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、上告人の本件上告は、二重上告で…あって、…不適法である。」
②:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、…申立人の本件上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てであって、…不適法である。」
判旨:①:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、上告人の本件上告は、二重上告で…あって、…不適法である。」
②:「数人の提起する養子縁組無効の訴えは、いわゆる類似必要的共同訴訟と解すべきであるところ…記録によれば、上告人兼申立人が本件上告を提起するとともに、本件上告受理の申立てをした時には、既に共同訴訟人であるX1が本件養子縁組無効の訴えにつき上告を提起し、上告受理の申立てをしていたことが明らかであるから、…申立人の本件上告受理の申立ては、二重上告受理の申立てであって、…不適法である。」
過去問・解説
(R5 予備 第33問 4)
Aを養母とし、Yを養子とする養子縁組が無効であるとして、Aの子であるX1及びX2がYに対して提起した養子縁組無効の訴えにおいてされた控訴審の判決に対して、X1が上告を提起した後に、X2が上告を提起することは、不適法なものとして許されない。
上告審判決の破棄理由とした法律上の判断の拘束力が及ばないとされた事例 最三小判昭和43年3月19日
概要
上告審判決が、一定の事実関係のもとで、ある法規の適用を否定した原判決の判断を違法としてこれを破棄し、事件を原裁判所に差し戻した場合において、差戻を受けた原裁判所が、同一事実関係について、右法規の適用の可否を判断しないで、他の法律上の見解による判断をして、右法規を適用したのと同一の結論に達した判決をすることは、右上告審判決の破棄理由とした判断に抵触しない。
判例
事案:民法94条2項の類推適用を認めずに破棄差戻判決がなされた事案において、破棄理由とした法律上の判断に拘束力が認められるかが問題となった。
判旨:「上告審の破棄理由たる判断は、同一確定事実については民法94条2項の類推適用を否定しえないという限度でのみ拘束力を有するのであるから、差戻前の原判決と同一の認定事実を前提としても、右法条の適用のほかに、別個の法律的見解が成り立ちうる場合には、差戻後の原審が、右法条の適用を主張する前示被上告人らの抗弁について判断を示すことなく、他の法律上の見解に立って、上告人の請求を棄却することも許されるものと解するのが相当である。したがって、右抗弁について判断せず、前記のような判断によって結局上告人の請求を棄却した原判決の措置が、上告審判決の右拘束力に違反したものとはいえない。」
判旨:「上告審の破棄理由たる判断は、同一確定事実については民法94条2項の類推適用を否定しえないという限度でのみ拘束力を有するのであるから、差戻前の原判決と同一の認定事実を前提としても、右法条の適用のほかに、別個の法律的見解が成り立ちうる場合には、差戻後の原審が、右法条の適用を主張する前示被上告人らの抗弁について判断を示すことなく、他の法律上の見解に立って、上告人の請求を棄却することも許されるものと解するのが相当である。したがって、右抗弁について判断せず、前記のような判断によって結局上告人の請求を棄却した原判決の措置が、上告審判決の右拘束力に違反したものとはいえない。」
過去問・解説
(H19 司法 第57問 オ)
判例によれば、上告裁判所によって破棄差戻しがされた後の原審が、差戻し前の原判決と同一の認定事実の下で、破棄理由で誤りとされた法律的見解とは別個の法律的見解に立って、差戻し前の原判決と同一の結論の判決をすることは、破棄判決の拘束力に違反しない。