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民事訴訟法 物の給付請求と同時にその執行不能に備えて履行に代わる損害賠償請求を訴えにおいてする場合、かかる代償請求に将来給付の利益が認められるか 大連判昭和15年3月13日 - 解答モード
概要
判例
判旨:「株式又ハ物ノ給付ヲ為スヘキ債務者カ其ノ給付ノ強制執行ヲ受ケタルモ其ノ執行奏効セス即執行不能ナル場合ニ於テ債務ノ履行ハ必スシモ不能ナルモノト云フヲ得サルコト勿論ナルモ履行不能ニ因ラサル右孰行不能ノ場合ト雖モ債権者ハ履行ニ代ル損害賠償ヲ請求シ得ヘキモノニシテ此ノ損害賠償ハ畢竟履行遅滞ニ因ル損害賠償ニ他ナラス而シテ本来ノ給付ヲ求ムル訴ニ於テ右損害賠償ノ予備的請求ヲ為シタルトキハ事実審裁判所ハ最後ノ口頭弁論当時ニ於ケル本来ノ給付ノ価額ヲ判定シテ其ノ本来ノ給付ヲ命スルト同時ニ右請求ノ限度内ニ於テ其ノ強制執行不能ナルトキハ該価額相当ノ損害賠償ヲ為スヘキコトヲ命スル判決ヲ為シ得ルモノト解スルヲ妥当トス」
過去問・解説
(H21 司法 第60問 ウ)
物の給付を請求し得る債権者が、本来の給付の請求と執行不能の場合における履行に代わる損害賠償の請求を一の訴えでする場合、損害賠償請求は将来の給付を求めるものであるが、あらかじめ請求をする必要があるものと認められる。
(H27 予備 第36問 4)
物の引渡しが執行不能となる場合に備えての代償請求は、将来の給付の訴えとしてその利益が認められる。
(R5 予備 第38問 ウ)
原告が被告に対して、所有権に基づき機械の引渡しを求めるとともに、強制執行が功を奏しない場合に備えてあらかじめ目的物の時価相当額の代償金の支払を求める場合には、機械の引渡請求を主位的請求とし、代償金の支払請求を予備的請求としなければならない。
(正答)✕
(解説)
物の引渡請求にその物の執行不能を条件とする代償請求としての損害賠償請求を併合する場合について、予備的併合ではなく、単純併合であると解されている。両者は実体法上併存関係にあるからである(伊藤眞「民事訴訟法」第9版690頁)。
したがって、原告が被告に対して、所有権に基づき機械の引渡しを求めるとともに、強制執行が功を奏しない場合に備えてあらかじめ目的物の時価相当額の代償金の支払を求める場合には、機械の引渡請求を主位的請求とし、代償金の支払請求を予備的請求としなければならないわけではない。
なお、判例(大連判昭15.3.13)は、物の引渡請求と代償請求との併合形態については判断を示していないと思われるところ、「実務上は、併存関係にある請求についても解除条件を付すことを許容し、予備的併合と選択的併合と同様に扱うことを許容することがある」との説明もある(伊藤眞「民事訴訟法」第9版690頁)。