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民事訴訟法 訴訟上の留置権の抗弁と被担保債権の消滅時効の完成猶予 最大判昭和38年10月30日 - 解答モード

概要
留置権の抗弁は、被担保債権の債務者が原告である訴訟において提出された場合には、当該債権について消滅時効中断(現:完成猶予)の効力があり、かつ、その効力は、右抗弁の撤回されてない限り、その訴訟係属中存続するものと解すべきである。
判例
事案:被担保債権の債務者が原告である訴訟において留置権の抗弁が提出された事案において、訴訟上の留置権の抗弁と被担保債権の消滅時効の中断(現:完成猶予)の関係が問題となった。

判旨:「民法300条は『留置権ノ行使ハ債権ノ消滅時効ノ進行ヲ妨ケス』と規定する。その趣旨は、留置権によって目的物を留置するだけでは、留置権の行使に止り、被担保債権の行使ではないから、被担保債権の消滅時効の中断、停止(現:完成猶予、更新)の効力を生ずるものでないことを規定したものと解するのを相当とする。…しかし訴訟上の留置権の抗弁は、これを撤回しない限り、当該訴訟の係属中継続して目的物の引渡を拒否する効力を有するものであり、従って、該訴訟が被担保債権の債務者を相手方とするものである場合においては、右抗弁における被担保債権についての権利主張も継続してなされているものといい得べく、時効中断(現:完成猶予)の効力も訴訟係属中存続するものと解すべきである。そして、当該訴訟の終結後6ケ月内に他の強力な中断事由に訴えれば、時効中断の効力は維持されるものと解する。然らば、本件留置権の主張は裁判上の請求としての時効中断の効力は有しないが、訴訟係属中継続して時効中断の効力を有するものであるから、本件につき被担保債権の時効は完成しないとして、留置権の存続を肯定した原判決の判断は、結局これを正当として是認し得るものというべきである。」
過去問・解説
全体の正答率 : 0%

(H18 司法 第70問 2)
Aは、Bに対し、金銭債権(以下「甲債権」という。)を有している。Aが動産の上に甲債権を担保するための留置権を有しており、Bからの当該動産の引渡請求訴訟においてAが留置権の抗弁を主張した場合でも、その後に甲債権の消滅時効期間が経過すれば、Bは、当該訴訟において、同債権の時効消滅を主張することができる。

(正答)

(解説)
判例(最大判昭38.10.30)は、「訴訟上の留置権の抗弁は、…該訴訟が被担保債権の債務者を相手方とするものである場合においては、右抗弁における被担保債権についての権利主張も継続してなされているものといい得べく、時効中断(現:完成猶予)の効力も訴訟係属中存続するものと解すべきである。そして、当該訴訟の終結後6ケ月内に他の強力な中断事由に訴えれば、時効中断の効力は維持される…。」としている。
本肢では、Bからの当該動産の引渡請求訴訟においてAが留置権の抗弁を主張した場合、甲債権につき、時効完成猶予の効力が当該訴訟の係属中存続するため、消滅時効期間を経過しても、訴訟が係属している限りは時効消滅しない。
したがって、Bは、甲債権の時効消滅を主張することができない。

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