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民事訴訟法 権利能力のない社団である入会団体の構成員全員の総有に属する不動産の総有権確認請求訴訟を追行する原告適格 最三小判平成6年5月31日

概要
①入会権者である村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団にあたる場合には、その入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産についての総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。
②権利能力のない社団である入会団体の代表者が、構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を、原告である入会団体の代表者として追行するには、その入会団体の規約等においてその不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要する。
③権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産について代表者でない構成員甲を登記名義人とすることとされた場合には、甲は、その不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有する。
判例
事案:①総有権確認請求訴訟において、入会団体が原告適格を有するか、②権利能力のない社団である入会団体の代表者が総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行する場合において、特別の授権が必要となるか、③権利能力のない社団である入会団体の代表者でない構成員が、総有不動産についての登記手続請求訴訟の原告適格を有するかなどが問題となった。

判旨:①「入会権は権利者である一定の村落住民の総有に属するものであるが(最高裁昭和34年(オ)第650号同41年11月25日第二小法廷判決・民集20巻9号1921頁)、村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である。けだし、訴訟における当事者適格は、特定の訴訟物について、誰が当事者として訴訟を追行し、また、誰に対して本案判決をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられるべき事柄であるところ、入会権は、村落住民各自が共有におけるような持分権を有するものではなく、村落において形成されてきた慣習等の規律に服する団体的色彩の濃い共同所有の権利形態であることに鑑み、入会権の帰属する村落住民が権利能力のない社団である入会団体を形成している場合には、当該入会団体が当事者として入会権の帰属に関する訴訟を追行し、本案判決を受けることを認めるのが、このような紛争を複雑化、長期化させることなく解決するために適切であるからである。」
 ②「権利能力のない社団である入会団体の代表者が構成員全員の総有に属する不動産について総有権確認請求訴訟を原告の代表者として追行するには、当該入会団体の規約等において当該不動産を処分するのに必要とされる総会の議決等の手続による授権を要するものと解するのが相当である。けだし、右の総有権確認請求訴訟についてされた確定判決の効力は構成員全員に対して及ぶものであり、入会団体が敗訴した場合には構成員全員の総有権を失わせる処分をしたのと事実上同じ結果をもたらすことになる上、入会団体の代表者の有する代表権の範囲は、団体ごとに異なり、当然に一切の裁判上又は裁判外の行為に及ぶものとは考えられないからである。」
 ③「権利能力のない社団である入会団体において、規約等に定められた手続により、構成員全員の総有に属する不動産につきある構成員個人を登記名義人とすることとされた場合には、当該構成員は、入会団体の代表者でなくても、自己の名で右不動産についての登記手続請求訴訟を追行する原告適格を有するものと解するのが相当である。けだし、権利能力のない社団である入会団体において右のような措置を採ることが必要になるのは入会団体の名義をもって登記をすることができないためであるが、任期の定めのある代表者を登記名義人として表示し、その交代に伴って所有名義を変更するという手続を採ることなく、別途、当該入会団体において適切であるとされた構成員を所有者として登記簿上表示する場合であっても、そのような登記が公示の機能を果たさないとはいえないのであって、右構成員は構成員全員のために登記名義人になることができるのであり、右のような措置が採られた場合には、右構成員は、入会団体から、登記名義人になることを委ねられるとともに 登記手続請求訴訟を追行する権限を授与されたものとみるのが当事者の意思にそうものと解されるからである。このように解したとしても、民訴法が訴訟代理人を原則として弁護士に限り、信託法11条が訴訟行為をさせることを主たる目的とする信託を禁止している趣旨を潜脱するものということはできない。」
過去問・解説
(H27 予備 第33問 3)
ある土地が法人でない社団の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えにつき、当該団体が原告となる余地はない。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.5.31)は、「当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有する…。」としている。
したがって、ある土地が法人でない社団の構成員全員の総有に属することの確認を求める訴えにつき、当該団体が原告となる余地がある。

(R4 予備 第31問 ア)
一定の村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟の原告適格を有する。

(正答)

(解説)
判例(最判平6.5.31)は、「村落住民が入会団体を形成し、それが権利能力のない社団に当たる場合には、当該入会団体は、構成員全員の総有に属する不動産につき、これを争う者を被告とする総有権確認請求訴訟を追行する原告適格を有する…。」としている。
総合メモ
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