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民事訴訟法 一定金額を超える債務の不存在確認請求の訴訟物 最二小判昭和40年9月17日
概要
一定金額を超える債務が存在しない旨の確認請求は、当該債権額から一定金額を控除した残債務額についての不存在の確認を求めるものである。
判例
事案:一定金額を超える債務の不存在確認請求の訴えが提起された事案において、その訴訟物が問題となった。
判旨:「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟)は、上告人Aについては、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸代金債権金110万から控除した残額95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。したがって、原審としては、右の各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」
判旨:「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟)は、上告人Aについては、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸代金債権金110万から控除した残額95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。したがって、原審としては、右の各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」
過去問・解説
(H21 司法 第61問 エ)
50万円を超えて貸金債務が存在しないことの確認を求める訴えについて、裁判所は、50万円を超えて債務が存在すると認めた場合には、貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断することなく、直ちに請求を棄却する判決をすることができる。
50万円を超えて貸金債務が存在しないことの確認を求める訴えについて、裁判所は、50万円を超えて債務が存在すると認めた場合には、貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断することなく、直ちに請求を棄却する判決をすることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭40.9.17)は、「各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」としている。
したがって、50万円を超えて貸金債務が存在しないことの確認を求める訴えについて、裁判所は、50万円を超えて債務が存在すると認めた場合には、請求棄却判決をするのではなく、貸金残額の存否ないしその限度を明確にした上で、一部認容判決をしなければならない。
判例(最判昭40.9.17)は、「各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」としている。
したがって、50万円を超えて貸金債務が存在しないことの確認を求める訴えについて、裁判所は、50万円を超えて債務が存在すると認めた場合には、請求棄却判決をするのではなく、貸金残額の存否ないしその限度を明確にした上で、一部認容判決をしなければならない。
(H25 共通 第69問 エ)
債務の全額である100万円についての不存在確認を求める訴訟において、裁判所は、当該債務の一部である10万円の債務が存在すると認めるときは、100万円のうち10万円を超える債務の不存在を確認し、その余の請求を棄却する。
債務の全額である100万円についての不存在確認を求める訴訟において、裁判所は、当該債務の一部である10万円の債務が存在すると認めるときは、100万円のうち10万円を超える債務の不存在を確認し、その余の請求を棄却する。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭40.9.17)は、債務の一部不存在確認訴訟が提起された事案において、「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟物)は、上告人…については、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸金債権金110万円から控除した残額金95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。」として、不存在確認訴訟の訴訟物は、不存在であることの確認を求める部分であることを示している。
本肢においては、訴訟物は債務の全額である100万円であるところ、そのうち90万円部分の不存在を認定することは、訴訟物の範囲内での認定であるため、許される。
判例(最判昭40.9.17)は、債務の一部不存在確認訴訟が提起された事案において、「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟物)は、上告人…については、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸金債権金110万円から控除した残額金95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。」として、不存在確認訴訟の訴訟物は、不存在であることの確認を求める部分であることを示している。
本肢においては、訴訟物は債務の全額である100万円であるところ、そのうち90万円部分の不存在を認定することは、訴訟物の範囲内での認定であるため、許される。
(H29 予備 第41問 ア)
裁判所は、原告が500万円の債務のうち200万円の存在は認めるもののそれを超える債務の不存在の確認を求める訴訟において、300万円の債務が存在すると認めるときは、500万円の債務のうち300万円を超える債務の不存在を確認し、その余の部分につき請求を棄却する判決をしなければならない。
裁判所は、原告が500万円の債務のうち200万円の存在は認めるもののそれを超える債務の不存在の確認を求める訴訟において、300万円の債務が存在すると認めるときは、500万円の債務のうち300万円を超える債務の不存在を確認し、その余の部分につき請求を棄却する判決をしなければならない。
(正答)〇
(解説)
判例(最判昭40.9.17)は、「各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」としている。
したがって、原告が500万円の債務のうち200万円の存在は認めるもののそれを超える債務の不存在の確認を求める訴訟において、300万円の債務が存在すると認めるときは、請求棄却判決をするのではなく、500万円の債務のうち300万円を超えて債務は存在しない旨の一部認容判決をしなければならない。
判例(最判昭40.9.17)は、「各請求の当否をきめるためには、…弁済の各主張事実について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその限度を明確に判断しなければならない。」としている。
したがって、原告が500万円の債務のうち200万円の存在は認めるもののそれを超える債務の不存在の確認を求める訴訟において、300万円の債務が存在すると認めるときは、請求棄却判決をするのではなく、500万円の債務のうち300万円を超えて債務は存在しない旨の一部認容判決をしなければならない。
(R6 予備 第34問 4)
裁判所は、100万円の債務のうち50万円を超える部分の不存在の確認を求める訴訟において、債務の額が20万円であると認めたときは、100万円の債務のうち20万円を超える部分が不存在であることを確認する判決をすることができる。
裁判所は、100万円の債務のうち50万円を超える部分の不存在の確認を求める訴訟において、債務の額が20万円であると認めたときは、100万円の債務のうち20万円を超える部分が不存在であることを確認する判決をすることができる。
(正答)✕
(解説)
判例(最判昭40.9.17)は、本肢と同種の事案において、「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟物)は、上告人…については、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸金債権金110万円から控除した残額金95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。」として、不存在確認訴訟の訴訟物は、不存在であることの確認を求める部分であることを示している。
本肢においては、訴訟物は100万円の債務のうち50万円を超える部分、すなわち50万円の部分であるところ、100万円の債務のうち20万円を超える部分が不存在を認定してしまうと、80万円部分の不存在を認定することになり、訴訟物の範囲を超えて認定することになる。
したがって、かかる判決は処分権主義(246条)に反し、許されない。
判例(最判昭40.9.17)は、本肢と同種の事案において、「本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範囲(訴訟物)は、上告人…については、その元金として残存することを自認する金14万6465円を本件貸金債権金110万円から控除した残額金95万3535円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金95万3535円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存在の確認であることが認められる。」として、不存在確認訴訟の訴訟物は、不存在であることの確認を求める部分であることを示している。
本肢においては、訴訟物は100万円の債務のうち50万円を超える部分、すなわち50万円の部分であるところ、100万円の債務のうち20万円を超える部分が不存在を認定してしまうと、80万円部分の不存在を認定することになり、訴訟物の範囲を超えて認定することになる。
したがって、かかる判決は処分権主義(246条)に反し、許されない。