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民事訴訟法 通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決と口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者 最一小判昭和48年6月21日

概要
通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟における被告敗訴の確定判決は、口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた第三者に対してその効力を有しない。
判例
事案:通謀による虚偽の登記名義を真正なものに回復するための所有権移転登記手続請求訴訟において被告敗訴が敗訴したが、第三者が口頭弁論終結後被告から善意で当該不動産を譲り受けた事案において、当該訴訟の確定判決の執行力が当該第三者にも拡張されるのかが問題となった。

判旨:「以上の事実関係のもとにおいては、Xは、本件土地につきY名義でなされた前記所有権取得登記が、通謀虚偽表示によるもので無効であることを、善意の第三者であるZに対抗することはできないものであるから、Zは本件土地の所有権を取得するに至ったものであるというべきである。このことはXと訴外Yとの間の前記確定判決の存在によって左右されない。そして、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」
過去問・解説
(H21 司法 第68問 5)
XがYを被告として、XY間の通謀虚偽表示によりYの所有名義に登記されていた土地について、真正な登記名義回復のため所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定した。その直後、同確定判決について善意無過失のZが、競売手続により当該土地を取得し、所有権移転登記を経たとしても、判例によれば、Zは前訴の口頭弁論終結後のYの承継人であるから、Xは前訴の確定判決に基づき、Zに対する承継執行文の付与を受けて当該土地の所有名義をX名義に回復することができる。

(正答)

(解説)
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定している。
したがって、Xは、前訴確定判決に基づいてZに対する承継執行文の付与を受けて土地の所有名義をX名義に回復することができない。

(R5 予備 第36問 ア)
XがYに対して、XY間の売買契約が通謀虚偽表示により無効であることを理由として、土地の所有権に基づき所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結後に、通謀虚偽表示について善意無過失のZに当該土地を売却し、Zへの所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及び、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することはできない。

(正答)

(解説)
判例(最判昭48.6.21)は、本肢と同種の事案において、Zは…訴外YのXに対する本件土地所有権移転登記義務を承継するものではないから、Xが、右確定判決につき、訴外Yの承継人としてZに対する承継執行文の付与を受けて執行することは許されないといわなければならない。」として、Zに対する執行力の拡張(民事執行法23条1項3号)を否定しているところ、この判例の射程は既判力の拡張(115条1項3号)にも妥当する。
したがって、XのYに対する訴えの判決の効力はZに及ばず、ZはXに対して善意無過失の第三者であることを主張することができる。
総合メモ
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