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民事訴訟法 土地の所有権移転登記手続を命ずる判決の確定前に被告から同土地の所有権移転登記を受けた者に右確定判決の既判力が及ぶと認められた事例 大阪高判昭和46年4月8日
概要
前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたとしても、前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、「請求の目的物の所持する者」に準じ、115条1項4号の類推適用が可能である。
判例
事案:所有権移転登記手続請求訴訟が提起され、認容判決が出されたところ、判決の言い渡しの直前に、被告が他の者に対し、本件土地について贈与を原因とする所有権移転登記をしていたが、かかる贈与が通謀虚偽表示であった事案において、115条1項各号に該当しない者について、同項4号の類推適用が認められるかが問題となった。
判旨:「わが民事訴訟法第201条第1項(現:115条1項)は、確定判決の効力が当事者以外に生ずる場合の1つとして、『請求ノ目的物ヲ所持スル者』を掲げている。ところで、『登記』を『所持』または『占有』に対比して考えることは、しばしば行なわれているところであり、現に同条項にいう『口頭弁論終結後ノ承継人』の範囲を画するにあたっては、『登記名義の移転』を『占有の承継』と同列に扱うことにつき異論を見ないのである。そうすると、本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」
判旨:「わが民事訴訟法第201条第1項(現:115条1項)は、確定判決の効力が当事者以外に生ずる場合の1つとして、『請求ノ目的物ヲ所持スル者』を掲げている。ところで、『登記』を『所持』または『占有』に対比して考えることは、しばしば行なわれているところであり、現に同条項にいう『口頭弁論終結後ノ承継人』の範囲を画するにあたっては、『登記名義の移転』を『占有の承継』と同列に扱うことにつき異論を見ないのである。そうすると、本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」
過去問・解説
(R5 予備 第36問 イ)
XがYに対して、売買契約に基づき甲土地の所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結前に、Zとの通謀虚偽表示による贈与契約に基づき、Zへの甲土地の所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
XがYに対して、売買契約に基づき甲土地の所有権移転登記手続を求める訴えを提起し、Xの請求を認容する判決が確定したが、Yが事実審の口頭弁論の終結前に、Zとの通謀虚偽表示による贈与契約に基づき、Zへの甲土地の所有権移転登記手続をしていた場合に、この判決の効力は、Zにも及ぶ。
(正答)〇
(解説)
115条1項4号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
これについて、裁判例(大阪高判昭46.4.8)は、本肢と同種の事案において、「本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」としている。
したがって、115条4号の類推適用により、Zにも判決効が及ぶ。
115条1項4号は、判決効の拡張が認められる者の1つとして、「前3号に掲げる者のために請求の目的物を所持する者」を掲げている。
これについて、裁判例(大阪高判昭46.4.8)は、本肢と同種の事案において、「本件の控訴人のように、たとい前訴の係属中に所有権移転登記が行なわれたにしても、単に前訴の当事者のために登記名義人になっているにすぎない者は、請求の目的物の所持者に準じ、これに既判力を及ぼす類推解釈が可能となる。」としている。
したがって、115条4号の類推適用により、Zにも判決効が及ぶ。