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民事訴訟法 控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者と附帯上告の許否 最二小判昭和54年11月16日
概要
控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、附帯上告を提起することは許されない。
判例
事案:控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された事案において、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないかが問題となった。
判旨:「附帯上告人の提出した『再審請求願』と題する書面は、当審の手続において第1審判決のうち附帯上告人の主位的請求を棄却した部分を取り消すことを求めるため、附帯上告を提起する趣旨のものと解されるところ、控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、上告審が法律審であることに鑑み、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないものと解するのが相当であるから、本件附帯上告は不適法として却下を免れない(前記書面が再審の訴を提起する趣旨のものであるとしても、第1審判決は、附帯上告人の請求を棄却した部分についても未だ確定していないから、これに対する再審の訴は提起することが許されないばかりでなく、同書面に記載されているように新証拠を発見したというだけでは民訴法420条1項各号所定の再審事由にあたらない点においても、再審の訴として不適法であることが明らかである。)。」
判旨:「附帯上告人の提出した『再審請求願』と題する書面は、当審の手続において第1審判決のうち附帯上告人の主位的請求を棄却した部分を取り消すことを求めるため、附帯上告を提起する趣旨のものと解されるところ、控訴審において全部勝訴の判決を得た当事者は、上告審が法律審であることに鑑み、第1審において自己の請求を棄却され、控訴審においてこれに対する控訴も附帯控訴もしないまま相手方の控訴を棄却する旨の判決が言い渡された場合に、第1審判決において棄却された請求の認容を求めることを目的とするときであっても、附帯上告を提起することは許されないものと解するのが相当であるから、本件附帯上告は不適法として却下を免れない(前記書面が再審の訴を提起する趣旨のものであるとしても、第1審判決は、附帯上告人の請求を棄却した部分についても未だ確定していないから、これに対する再審の訴は提起することが許されないばかりでなく、同書面に記載されているように新証拠を発見したというだけでは民訴法420条1項各号所定の再審事由にあたらない点においても、再審の訴として不適法であることが明らかである。)。」