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裁判所

第3条の2

条文
第3条の2(被告の住所等による管轄権)
① 訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にする。
② 数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その1人にすれば足りる。
③ 刑事施設に収容されている者に対する送達は、刑事施設の長にする。
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第3条の3

条文
第3条の3(契約上の債務に関する訴え等の管轄権)
 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。  
 一 契約上の債務の履行の請求を目的とする訴え又は契約上の債務に関して行われた事務管理若しくは生じた不当利得に係る請求、契約上の債務の不履行による損害賠償の請求その他契約上の債務に関する請求を目的とする訴え 
 二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え 
 三 財産権上の訴え 
 四 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの 
 五 日本において事業を行う者(日本において取引を継続してする外国会社(会社法(平17年法律第86号)第2条第2号に規定する外国会社をいう。)を含む。)に対する訴え 
 六 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え 
 七 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの 
  イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
  ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
  ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
  ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
 八 不法行為に関する訴え 
 九 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え 
 十 海難救助に関する訴え 
 十一 不動産に関する訴え 
 十二 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え 
 十三 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの 
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第3条の4

条文
第3条の4(消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権)
① 消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。以下同じ。)と事業者(法人その他の社団又は財団及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。以下同じ。)との間で締結される契約(労働契約を除く。以下「消費者契約」という。)に関する消費者からの事業者に対する訴えは、訴えの提起の時又は消費者契約の締結の時における消費者の住所が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。
② 労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関する労働者からの事業主に対する訴えは、個別労働関係民事紛争に係る労働契約における労務の提供の地(その地が定まっていない場合にあっては、労働者を雇い入れた事業所の所在地)が日本国内にあるときは、日本の裁判所に提起することができる。
③ 消費者契約に関する事業者からの消費者に対する訴え及び個別労働関係民事紛争に関する事業主からの労働者に対する訴えについては、前条の規定は、適用しない。
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第3条の5

条文
第3条の5(管轄権の専属)
① 訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者又は訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者は、その訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる。
② 前項の規定による参加の申出は、書面でしなければならない。
③ 前項の書面は、当事者双方に送達しなければならない。
④ 第40条第1項から第3項までの規定は第1項の訴訟の当事者及び同項の規定によりその訴訟に参加した者について、第43条の規定は同項の規定による参加の申出について準用する。
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第3条の6

条文
第3条の6(併合請求における管轄権)
 一の訴えで数個の請求をする場合において、日本の裁判所が一の請求について管轄権を有し、他の請求について管轄権を有しないときは、当該一の請求と他の請求との間に密接な関連があるときに限り、日本の裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。
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第3条の7

条文
第3条の7(管轄権に関する合意)
① 当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に訴えを提起することができるかについて定めることができる。 
② 前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。 
③ 第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。 
④ 外国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意は、その裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、これを援用することができない。 
⑤ 将来において生ずる消費者契約に関する紛争を対象とする第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。 
 一 消費者契約の締結の時において消費者が住所を有していた国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
 二 消費者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業者が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、消費者が当該合意を援用したとき。
⑥ 将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする第1項の合意は、次に掲げる場合に限り、その効力を有する。 
 一 労働契約の終了の時にされた合意であって、その時における労務の提供の地がある国の裁判所に訴えを提起することができる旨を定めたもの(その国の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意については、次号に掲げる場合を除き、その国以外の国の裁判所にも訴えを提起することを妨げない旨の合意とみなす。)であるとき。
 二 労働者が当該合意に基づき合意された国の裁判所に訴えを提起したとき、又は事業主が日本若しくは外国の裁判所に訴えを提起した場合において、労働者が当該合意を援用したとき。
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第3条の8

条文
第3条の8(応訴による管轄権)
 被告が日本の裁判所が管轄権を有しない旨の抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、裁判所は、管轄権を有する。
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第3条の9

条文
第3条の9(特別の事情による訴えの却下)
 裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。)においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。
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第3条の10

条文
第3条の10(管轄権が専属する場合の適用除外)
 第3条の2から第3条の4まで及び第3条の6から前条までの規定は、訴えについて法令に日本の裁判所の管轄権の専属に関する定めがある場合には、適用しない。
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第3条の11

条文
第3条の11(職権証拠調べ)
 裁判所は、日本の裁判所の管轄権に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
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第3条の12

条文
第3条の12(管轄権の標準時)
 日本の裁判所の管轄権は、訴えの提起の時を標準として定める。
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第4条

条文
第4条(普通裁判籍による管轄)
① 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
② 人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。
③ 大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。
④ 法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
⑤ 外国の社団又は財団の普通裁判籍は、前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
⑥ 国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。
過去問・解説
(H22 共通 第68問 1)
東京都目黒区に住所を有するXは、自ら自動車を運転して横浜市内の交差点に差し掛かったところ、静岡市に住所を有するYの運転する自動車と衝突する交通事故に遭った。そこで、Xは、Yを被告として、不法行為に基づく損害賠償を求める訴えを提起した。 
Xは、250万円の支払を求める訴えを静岡地方裁判所、横浜地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。したがって、被告であるYの住所地を管轄する静岡地方裁判所に管轄が認められる。
また、5条9号は、不法行為に関する訴えの管轄について「不法行為があった地」を掲げている。
したがって、不法行為があった地を管轄する横浜地方裁判所にも管轄が認められる。 
加えて、5条1号は、財産権上の訴えについて「義務履行地」を掲げている。そして、不法行為に基づく損害賠償債務は、持参債務の原則(民法484条前段)により、債権者の住所地が義務履行地となる。
したがって、債権者であるXの住所地を管轄する東京地方裁判所にも管轄が認められる。
よって、Xは、250万円の支払を求める訴えを静岡地方裁判所、横浜地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。

(H25 共通 第59問 1)
株式会社がその事業を停止し、その事務所又は営業所が存在しなくなったときは、当該株式会社の普通裁判籍は、代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。

(正答)

(解説)
4条4項は、「法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。」と規定している。
したがって、株式会社がその事業を停止し、その事務所又は営業所が存在しなくなったときは、当該株式会社の普通裁判籍は、代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
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第5条

条文
第5条(財産権上の訴え等についての管轄)
 次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。  
 一 財産権上の訴え 
 二 手形又は小切手による金銭の支払の請求を目的とする訴え 
 三 船員に対する財産権上の訴え 
 四 日本国内に住所(法人にあっては、事務所又は営業所。以下この号において同じ。)がない者又は住所が知れない者に対する財産権上の訴え 
 五 事務所又は営業所を有する者に対する訴えでその事務所又は営業所における業務に関するもの 
 六 船舶所有者その他船舶を利用する者に対する船舶又は航海に関する訴え 
 七 船舶債権その他船舶を担保とする債権に基づく訴え 
 八 会社その他の社団又は財団に関する訴えで次に掲げるもの 
  イ 会社その他の社団からの社員若しくは社員であった者に対する訴え、社員からの社員若しくは社員であった者に対する訴え又は社員であった者からの社員に対する訴えで、社員としての資格に基づくもの
  ロ 社団又は財団からの役員又は役員であった者に対する訴えで役員としての資格に基づくもの
  ハ 会社からの発起人若しくは発起人であった者又は検査役若しくは検査役であった者に対する訴えで発起人又は検査役としての資格に基づくもの
  ニ 会社その他の社団の債権者からの社員又は社員であった者に対する訴えで社員としての資格に基づくもの
 九 不法行為に関する訴え 
 十 船舶の衝突その他海上の事故に基づく損害賠償の訴え 
 十一 海難救助に関する訴え 
 十二 不動産に関する訴え 
 十三 登記又は登録に関する訴え 
 十四 相続権若しくは遺留分に関する訴え又は遺贈その他死亡によって効力を生ずべき行為に関する訴え 
 十五 相続債権その他相続財産の負担に関する訴えで前号に掲げる訴えに該当しないもの 
過去問・解説
(H20 司法 第59問 1)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。
したがって、被告Zの住所地である大阪市を管轄する大阪地方裁判所が管轄権を有する。 
そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項は、「弁済をすべき場所…は、…債権者の現在の住所において…しなければならない。」と規定している。
また、裁判例(東京高決昭 56.11.5)は、「債権を代位行使する場合、代位債権者…の名において被代位者…の権利を行使するものであって、代位債権者が…債権者となるものではない…。」としている。そのため、本肢における「債権者」とは、被保全債権を有する債権者ではなく、被代位権利を有する債務者を指すこととなる。
したがって、「債権者の現在の住所」とは、Yの住所である東京都千代田区となり、「義務履行地」を管轄する裁判所は東京地方裁判所となる。
一方で、名古屋地方裁判所は管轄権を有しない。
よって、Yに対し500万円の貸金返還請求権を有しているXは、YのZに対する同額の請負代金債権を代位行使し、Zに対し、同額の支払を求める訴えを名古屋地方裁判所ではなく、大阪地方裁判所又は東京地方裁判所に提起することができる。

(H20 司法 第59問 2)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、千葉市において所有する建物をYに代金1000万円で譲渡したが、Yが代金を支払わない場合、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について「不動産の所在地」を掲げている。ここでいう「不動産に関する訴え」とは、不動産に関する権利を目的とする訴えをいい、売買契約に基づく売買代金支払請求権(民法555条参照)はこれに含まれない。 そのため、建物が千葉市に所在していたとしても、不動産の所在地を管轄する千葉地方裁判所に管轄は認められない。
なお、この場合に管轄を有するのは、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所(4条2項)、義務履行地を管轄する名古屋地方裁判所(5条1号)である。 
したがって、XはYに対する売買代金の支払を求める訴えを千葉地方裁判所ではなく、東京地方裁判所又は名古屋地方裁判所に提起することはできる。

(H20 司法 第59問 3)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが、京都市においてYが製造販売した毒性のある食物を同市で摂取し、大阪市において発病した場合、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
5条9号は、不法行為に関する訴えの管轄について、「不法行為があった地」を掲げている。そして、裁判例(東京地判昭 40.5.27)は、不法行為地について、「行為のなされた地だけでなく、損害の発生した地も含まれる…。」としている。
本肢における加害行為のなされた地は、Yが製造販売した毒性のある食物をXが摂取した京都市であり、結果の発生した地はXが発病した大阪市である。 
したがって、大阪地方裁判所及び京都地方裁判所に管轄が認められる。
なお、東京地方裁判所(4条2項)にも管轄が認められる。 
よって、Xは、Yを被告とする不法行為に基づく損害賠償請求の訴えを大阪地方裁判所に提起することができる。

(H20 司法 第59問 5)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xが所有する静岡市所在の土地に、Yのために抵当権設定登記が経由されている場合、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならない。

(正答)

(解説)
5条13号は、登記又は登録に関する訴えの管轄について、「登記又は登録をすべき地」を掲げている。そして、本肢における土地は静岡市に所在することから、静岡地方裁判所に訴えを提起することができる。 もっとも、4条2項に基づき、被告Yの普通裁判籍の所在地を管轄する東京地方裁判所にも管轄が認められる。
したがって、Xは、Yを被告とする当該抵当権設定登記の抹消登記手続を求める訴えを提起するときは、静岡地方裁判所に提起しなければならないわけではない。

(R5 予備 第31問 3)
不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
5条1号は、財産権上の訴えの管轄について「義務履行地」を掲げている。不法行為に基づく損害賠償債務は、持参債務の原則(民法484条1項前段)により債権者の住所地が義務履行地となるため、債権者である原告の住所地を管轄する裁判所にも管轄が認められる。
したがって、不法行為に基づき損害賠償を求める訴えについては、原告の住所地を管轄する裁判所に提起することができる。
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第6条

条文
第6条(特許権等に関する訴え等の管轄)
① 特許権、実用新案権、回路配置利用権又はプログラムの著作物についての著作者の権利に関する訴え(以下「特許権等に関する訴え」という。)について、前2条の規定によれば次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有すべき場合には、その訴えは、それぞれ当該各号に定める裁判所の管轄に専属する。 
 一 東京高等裁判所、名古屋高等裁判所、仙台高等裁判所又は札幌高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所 東京地方裁判所
 二 大阪高等裁判所、広島高等裁判所、福岡高等裁判所又は高松高等裁判所の管轄区域内に所在する地方裁判所 大阪地方裁判所
② 特許権等に関する訴えについて、前2条の規定により前項各号に掲げる裁判所の管轄区域内に所在する簡易裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。 
③ 第1項第2号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴は、東京高等裁判所の管轄に専属する。ただし、第20条の2第1項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴については、この限りでない。 
過去問・解説
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第6条の2

条文
第6条の2(意匠権等に関する訴えの管轄)
 意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第1項に規定する不正競争又は家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和2年法律第22号)第2条第3項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第4条又は第5条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。 
 一 前条第1項第1号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。) 東京地方裁判所
 二 前条第1項第2号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。) 大阪地方裁判所
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第7条

条文
第7条(併合請求における管轄)
 1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。
過去問・解説
(H18 司法 第56問 1)
甲請求についてはA裁判所の、乙請求についてはB裁判所の専属管轄に属する旨の合意がされている場合、原告はA裁判所に提起した一の訴えで甲乙両請求につき審判を求めることはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、13条1項は、「第7条…の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定しているところ、専属的合意管轄は、「法令に専属管轄の定めがある場合」に当たらない(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版73頁)と解されている。
したがって、原告はA裁判所に提起した1の訴えで甲乙両請求につき審判を求めることができる。

(H20 司法 第59問 4)
Xは名古屋市に、Yは東京都千代田区に、Zは大阪市にそれぞれ住所を有するものとする。また、当事者間には管轄又は義務履行地に関する特段の合意はないものとする。
Xは、東京都千代田区において建物甲を、大阪市において建物乙をそれぞれ所有しているところ、建物甲に居住する賃借人Y及び建物乙に居住する賃借人Zに対し、その所有権に基づき、それぞれが占有する各建物の明渡しを請求する場合、Xは、Y及びZを被告として、東京地方裁判所に訴えを提起することができる。

(正答)

(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。
したがって、XのYに対する請求においては、被告Yの住所地を管轄する東京地方裁判所が管轄権を有する。 
7条は、本文において、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定する一方で、但書において、「ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第38条前段に定める場合に限る。」と規定している。そして、38条は、前段において、「訴訟の目的である権利又は義務が数人について共通であるとき、又は同一の事実上及び法律上の原因に基づくとき」と規定し、後段において、「訴訟の目的である権利又は義務が同種であって事実上及び法律上同種の原因に基づくとき」と規定している。そのため、XがYに対し建物甲の所有権に基づき明渡しを請求し、Zに対し建物乙の所有権に基づき明渡しを請求する場合、これは38条後段の場合に当たり、7条但書の要件を満たさない。 
したがって、Xは、Y及びZを被告として、東京地方裁判所に訴えを提起することはできない。

(H30 予備 第31問 1)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項本文は、「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、…債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。」と規定している。もっとも、本件では、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、当該金員の支払請求に関する「義務履行地」は設計事務所であり、Xの自宅ではない。
したがって、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に管轄が認められない。
また、7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
よって、Xは、本件訴えを、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできないが、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできる。

(H30 予備 第31問 2)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する、「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
また、4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により、…定まる。」と規定している。本件訴えはYを被告とする訴えであり、Yの自宅の所在地は被告の普通裁判籍の所在地である。
したがって、Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所及びYの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。

(H30 予備 第31問 3)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定し、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により、…定まる。」と規定している。
したがって、Xは、本件訴えを、被告であるYの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
また、5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について、「不動産の所在地」を掲げている。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める「不動産に関する訴え」を含んでいる。
したがって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、Yの自宅の所在地を管轄する裁判所及び甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。

(H30 予備 第31問 4)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める「不動産に関する訴え」(5条12号)を含んでいる。
したがって、甲建物の所在地を管轄する裁判所には管轄が認められる。
また、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。ここで、民法484条1項本文は、「弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、…債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。」と規定している。
もっとも、本件では、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、当該金員の支払請求に関する「義務履行地」は設計事務所であり、Xの自宅ではない。
したがって、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に管轄が認められない。
よって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、Xの自宅の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(H30 予備 第31問 5)
Xは、Yに対し、甲建物を賃貸した。この賃貸借契約においては、賃料、債務不履行に基づく損害賠償金その他の賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていた。その後、Yが賃料の支払を怠ったため、Xは、賃貸借契約を解除したが、Yは、甲建物の使用を続けている。そこで、Xは、Yに対し、①賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求として甲建物の明渡し、②賃貸借契約に基づく賃料の支払、③賃貸借契約終了による目的物返還義務の履行遅滞に基づく賃料相当損害金の支払を併せて求める訴え(以下「本件訴え」という。)を提起することにした。なお、X及びYは、いずれも自然人とし、各記述中の各所在地を管轄する裁判所は、いずれも異なるものとする。
Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起することはできるが、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することはできない。

(正答)

(解説)
7条本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、第4条から前条まで(第6条第3項を除く。)の規定により1の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。」と規定している。そして、5条1号は、財産権上の訴えの管轄について、「義務履行地」を掲げている。
本肢においては、賃貸借契約に基づきYがXに支払う一切の金員は、Xが営む設計事務所に持参する方法により支払うものとされていたことから、これが民法484条1項に規定する、「別段の意思表示」に当たる。そのため、賃料や損害賠償金の支払に関する、「義務履行地」は設計事務所となり、設計事務所の所在地を管轄する裁判所は、これらの請求について管轄権を有する。
したがって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所に提起できる。
また、5条12号は、不動産に関する訴えの管轄について、「不動産の所在地」を掲げている。そして、本件訴えは甲建物の明渡しを求める、「不動産に関する訴え」を含んでいる。
したがって、Xは、本件訴えを、甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
よって、Xは、本件訴えを、設計事務所の所在地を管轄する裁判所又は甲建物の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。
総合メモ

第8条

条文
第8条(訴訟の目的の価額の算定)
① 裁判所法(昭和22年法律第59号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。
② 前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は140万円を超えるものとみなす。
過去問・解説
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第9条

条文
第9条(併合請求の場合の価額の算定)
① 1の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。
② 果実、損害賠償、違約金又は費用の請求が訴訟の附帯の目的であるときは、その価額は、訴訟の目的の価額に算入しない。
過去問・解説
(H29 予備 第31問 2)
貸主である原告が、東京地方裁判所の管轄区域内に住所を有する複数の借主を共同被告として、各被告との間の同種の消費貸借取引に基づく貸金請求訴訟を、各被告に対する請求額を合算すると140万円を超えるとして、東京地方裁判所に併合して提起した場合には、東京地方裁判所は、各被告に対する請求額が140万円を超えず簡易裁判所の事物管轄に属するとして、被告ごとに弁論を分離した上で、訴訟を各被告の住所地を管轄する簡易裁判所に移送することはできない。

(正答)

(解説)
9条1項本文は、「1の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。」と規定している。 そのため、各被告に対する請求額を合算すると140万円を超える場合、地方裁判所の管轄になる。
また、15条は、「裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。」と規定している。そのため、訴え提起後の弁論の分離は、裁判所の事物管轄や土地管轄に影響を及ぼさない。
したがって、本肢のような場合、東京地方裁判所は、各被告に対する請求額が140万円を超えず簡易裁判所の事物管轄に属するとして、被告ごとに弁論を分離した上で、訴訟を各被告の住所地を管轄する簡易裁判所に移送することはできない。

(R3 予備 第31問 3)
所有権に基づき100万円の価額の自動車の引渡しを請求し、あわせて、その引渡しの執行の不能の場合のために100万円の損害賠償を請求する訴えは、簡易裁判所の管轄に属する。

(正答)

(解説)
9条1項は、本文において、「1の訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。」と規定する一方で、但書において、「ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。」と規定している。そして、所有権に基づく100万円の価額の自動車引渡し請求と、その引渡しが執行不能の場合のための100万円の損害賠償請求は、「その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求」に当たる。
したがって、訴訟の目的の価額は合算されず100万円となる。
よって、所有権に基づき100万円の価額の自動車の引渡しを請求し、あわせて、その引渡しの執行の不能の場合のために100万円の損害賠償を請求する訴えは、簡易裁判所の管轄に属する。
総合メモ

第10条

条文
第10条(管轄裁判所の指定)
① 管轄裁判所が法律上又は事実上裁判権を行うことができないときは、その裁判所の直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
② 裁判所の管轄区域が明確でないため管轄裁判所が定まらないときは、関係のある裁判所に共通する直近上級の裁判所は、申立てにより、決定で、管轄裁判所を定める。
③ 前2項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
過去問・解説
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第10条の2

条文
第10条の2(管轄裁判所の特例)
 前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。
過去問・解説
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第11条

条文
第11条(管轄の合意)
① 当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。
② 前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。
③ 第1項の合意がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その合意は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。
過去問・解説
(H19 司法 第55問 3)
売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合において、債権者代位権に基づいて、売主の債権者が買主に対して売買代金の支払を求める訴えを提起する場合、売主の債権者に対しても管轄の合意の効力が及ぶ。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定し、2項において、「前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定している。また、民法423条の4は、「債権者が被代位権利を行使したときは、相手方は、債務者に対して主張することができる抗弁をもって、債権者に対抗することができる。」と規定している。
したがって、買主は、管轄の合意の効力を売主に主張することができる以上、売主の債権者に対して管轄の合意の効力を対抗することができる。
よって、売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合において、債権者代位権に基づいて、売主の債権者が買主に対して売買代金の支払を求める訴えを提起する場合、売主の債権者に対しても管轄の合意の効力が及ぶ。

(H19 司法 第55問 4)
売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合において、買主の債務不履行のため売主が売買契約を解除した場合には、解除により管轄の合意の効力も失われるので、売主は、解除を理由とする目的物の返還を求める訴えを法定管轄のあるB裁判所に提起することができる。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定し、2項において、「前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定している。そして、売買契約と管轄の合意は別個の契約であるから、売買契約の解除により管轄の合意の効力は失われない。
したがって、買主の債務不履行のため売主が売買契約を解除した場合には、解除により管轄の合意の効力は失われないので、売主は、解除を理由とする目的物の返還を求める訴えを法定管轄のあるB裁判所に提起することはできない。

(H22 共通 第58問 3)
土地の賃貸借契約書に合意管轄の条項がある場合、当該土地の所有者である賃貸人が当該土地の無断転借人に対して当該土地の明渡しを求める訴えには、合意管轄の効力は及ばない。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定し、2項において、「前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定している。そして、管轄の合意の効力は、当事者のみに生じ、第三者に及ばないのが原則であるが、債権者代位権の債権者などは当事者の代わりに権利を行使するにすぎない以上、第三者にも効力が及ぶ。しかし、無断転借人にはこれらの者と同様の関係にはなく、効力は及ばない。
したがって、土地の賃貸借契約書に合意管轄の条項がある場合、当該土地の所有者である賃貸人が当該土地の無断転借人に対して当該土地の明渡しを求める訴えには、合意管轄の効力は及ばない。

(H24 共通 第57問 イ)
職分管轄については、当事者双方の合意によって異なる管轄裁判所を定める余地はない。

(正答)

(解説)
11条1項は、「当事者は、第一審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定している。もっとも、職分管轄は公益の見地から定められたものであるため、合意管轄の対象とならない。
したがって、職分管轄については、当事者双方の合意によって異なる管轄裁判所を定める余地はない。

(H26 共通 第73問 1)
第一審の管轄裁判所を定める当事者の合意が電磁的記録によってされたときは、その合意は、効力を生じない。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる」と規定し、2項において、「前項の合意は、…書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定し、3項において、「第1項の合意が…電磁的記録によってされたときは、…書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」と規定している。
したがって、第1審の管轄裁判所を定める当事者の合意が電磁的記録によってされたときであっても、書面によってされたものとみなされるため、その合意は、効力を生じる。

(H28 予備 第43問 2)
管轄の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関してされなければならない。

(正答)

(解説)
11条2項は、管轄の合意について、「前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し…なければ、その効力を生じない。」と規定している。

(R1 予備 第31問 3)
当事者は、合意により特定の高等裁判所を控訴審の管轄裁判所と定めることができる。

(正答)

(解説)
11条1項は、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定している。
したがって、当事者は、合意により特定の高等裁判所を控訴審の管轄裁判所と定めることはできない。

(R2 予備 第38問 オ)
本件契約の下で生ずる紛争について、特定の地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とするとの合意がされた場合であっても、本件契約の下で実際に生じた紛争に係る訴訟の目的の価額が140万円を超えないときは、その訴訟は、当該地方裁判所の管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる。」と規定し、2項において、「前項の合意は、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定している。また、13条1項は、「前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定している。
そして、訴訟の第1審手続を簡易裁判所と地方裁判所のどちらに分担させるのかという事物管轄は、専属管轄ではないため、事物管轄においては13条1項は適用されず、合意通り特定の地方裁判所が第1審の専属管轄裁判所となる。
したがって、本件契約の下で生ずる紛争について、特定の地方裁判所を第1審の専属管轄裁判所とするとの合意がされた場合には、本件契約の下で実際に生じた紛争に係る訴訟の目的の価額が140万円を超えないときであっても、その訴訟は、当該地方裁判所の管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属することはない。

(R5 予備 第31問 2)
インターネットを利用して売買契約が締結された場合において、東京簡易裁判所を管轄裁判所とする合意が、ウェブ上の申込みフォームによってされたときは、当該合意があることを理由として東京簡易裁判所に当該売買契約に関する訴えを提起することはできない。

(正答)

(解説)
11条は、1項において、「当事者は、第1審に限り、合意により管轄裁判所を定めることができる」と規定し、2項において、「前項の合意は、…書面でしなければ、その効力を生じない。」と規定し、3項において、「第1項の合意が…電磁的記録によってされたときは、…書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。」と規定している。
したがって、本肢における合意は書面によってされたものとみなされる。
よって、インターネットを利用して売買契約が締結された場合において、東京簡易裁判所を管轄裁判所とする合意が、ウェブ上の申込みフォームによってされたときは、当該合意があることを理由として東京簡易裁判所に当該売買契約に関する訴えを提起することができる。
総合メモ

第12条

条文
第12条(応訴管轄)
被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。
過去問・解説
(H19 司法 第55問 1)
売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合において、訴えがB裁判所に提起され、被告が管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をした場合であっても、B裁判所は、当該訴訟をA裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論を…したときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。また、13条1項は、「前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定している。もっとも、専属的合意管轄は、専属管轄の定めがある場合に当たらないため、12条の適用は排除されない。
したがって、A裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合において、訴えがB裁判所に提起され、被告が管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をした場合、B裁判所は、当該訴訟をA裁判所に移送する必要はない。

(H22 共通 第58問 2)
事物管轄に関して管轄違いがある場合には、被告が、第1審裁判所で管轄違いの抗弁を提出せずに本案について弁論をしたときでも、応訴管轄は生じない。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。また、13条1項は、「前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定している。もっとも、事物管轄は、法律に専属管轄とするとの定めがあるとの定めがある場合に限って専属管轄であり、それ以外の場合は任意管轄である(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版75頁)と解されている。
したがって、法令に専属管轄の定めがある場合に当たらないから、被告が応訴すれば応訴管轄が生じる。
よって、事物管轄に関して管轄違いがある場合であっても、被告が、第1審裁判所で管轄違いの抗弁を提出せずに本案について弁論をしたときは、応訴管轄が生じる。

(H24 共通 第57問 ア)
被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出するとともに本案について弁論をした場合には、応訴管轄は生じない。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。
したがって、被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出するとともに本案について弁論をした場合には、応訴管轄は生じない。

(H26 共通 第73問 3)
訴訟の管轄をある地方裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合であっても、訴えが他の地方裁判所に提起され、被告が管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をしたときは、その地方裁判所は、管轄権を有する。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。また、13条1項は、「前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定している。もっとも、専属的合意管轄は、専属管轄の定めがある場合に当たらないため、12条の適用は排除されない。
したがって、訴訟の管轄をある地方裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合であっても、訴えが他の地方裁判所に提起され、被告が管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をしたときは、その地方裁判所は、管轄権を有する。

(R1 予備 第31問 2)
原告が特定の裁判所を専属的な管轄裁判所とする合意に反して、当該裁判所以外の裁判所に訴えを提起した場合であっても、被告が応訴すれば、応訴管轄が生ずる。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。また、13条1項は、「前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。」と規定している。もっとも、専属的合意管轄は、専属管轄の定めがある場合に当たらないため、12条の適用は排除されない。
したがって、原告が特定の裁判所を専属的な管轄裁判所とする合意に反して、当該裁判所以外の裁判所に訴えを提起した場合であっても、被告が応訴すれば、応訴管轄が生ずる。

(R1 予備 第31問 5)
被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出した後に本案について弁論をした場合には、応訴管轄は生じない。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論を…したときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。
したがって、被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出した後に本案について弁論をした場合には、応訴管轄は生じない。

(R3 予備 第31問 5)
被告が、第1審の第1回口頭弁論の期日前において、管轄違いの抗弁を提出しないで期日の変更を申し立てたときは、そのことにより応訴管轄が生ずる。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。そして、被告が弁論または申述をする「本案」とは、永久の理由の有無に関する事項をいう(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版75頁)と解されている。
したがって、期日の変更の申立ては、12条にいう「本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたとき」に当たらない。
よって、被告が、第1審の第1回口頭弁論の期日前において、管轄違いの抗弁を提出しないで期日の変更を申し立てたときであっても、そのことにより応訴管轄は生じない。

(R5 予備 第31問 5)
被告が管轄違いの抗弁を記載せず本案についての主張を記載した答弁書を裁判所に提出した場合には、その時点で、応訴管轄が生じ、管轄違いを理由とする移送の申立てをすることはできない。

(正答)

(解説)
12条は、「被告が第1審裁判所において管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判所は、管轄権を有する。」と規定している。本肢では、被告は本案についての主張を記載した答弁書を裁判所に提出しているが、本案についての弁論はしていない。
したがって、12条にいう「本案について弁論」に当たらず、応訴管轄は生じない。
よって、被告が管轄違いの抗弁を記載せず本案についての主張を記載した答弁書を裁判所に提出した場合であっても、管轄違いを理由とする移送の申立てをすることができる。
総合メモ

第13条

条文
第13条(専属管轄の場合の適用除外等)
① 第4条第1項、第5条、第6条第2項、第6条の2、第7条及び前2条の規定は、訴えについて法令に専属管轄の定めがある場合には、適用しない。
② 特許権等に関する訴えについて、第7条又は前2条の規定によれば第6条第1項各号に定める裁判所が管轄権を有すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第7条又は前2条の規定により、その裁判所は、管轄権を有する。
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第14条

条文
第14条(職権証拠調べ)
 裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。
過去問・解説
(H22 共通 第58問 5)
管轄権の存否に疑いがある場合には、裁判所は、職権で証拠調べをすることができる。

(正答)

(解説)
14条は、「裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。」と規定している。
したがって、管轄権の存否に疑いがある場合には、裁判所は、職権で証拠調べをすることができる。

(H25 共通 第66問 1)
裁判所は、管轄の原因事実について、職権で、証拠調べをすることができる。

(正答)

(解説)
14条は、「裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。」と規定している。
したがって、裁判所は、管轄の原因事実について、職権で、証拠調べをすることができる。

(R1 予備 第31問 4)
裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。

(正答)

(解説)
14条は、「裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。」と規定している。
総合メモ

第15条

条文
第15条(管轄の標準時)
 裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。
過去問・解説
(H21 司法 第57問 オ)
裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定められるから、50万円の損害賠償を求める訴えを簡易裁判所に提起した後に、請求額を150万円に拡張した場合でも、簡易裁判所は訴訟を地方裁判所に移送する必要はない。

(正答)

(解説)
訴額が140万円を超える請求は、地方裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)。また、民事訴訟法16条1項は、「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、…職権で、これを管轄裁判所に移送する。」と規定している。そして、民事訴訟法15条1項は、「裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。」と規定している。ここでいう「訴えの提起」とは、訴訟中の訴えの提起、すなわち反訴・中間確認の訴え・訴えの変更も含まれる。
したがって、請求額を拡張した場合、その時点での管轄を判断する必要がある。
よって、50万円の損害賠償を求める訴えを簡易裁判所に提起した後に、請求額を150万円に拡張した場合、簡易裁判所は訴訟を地方裁判所に移送する必要がある。

(H24 共通 第57問 エ)
訴えが地方裁判所に提起された後に、請求の減縮により訴額が140万円を超えないことなった場合において、被告の申立てがあるときは、地方裁判所は、決定で、その訴えに係る訴訟を簡易裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
訴額が140万円を超える請求は、地方裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)。また、民事訴訟法16条1項は、「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、…職権で、これを管轄裁判所に移送する。」と規定している。そして、民事訴訟法15条は、「裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。」と規定しており、請求の縮減は事物管轄に影響を及ぼさないとしている。
したがって、訴えが地方裁判所に提起された後に、請求の減縮により訴額が140万円を超えないことなった場合において、被告の申立てがあるときであっても、地方裁判所は、決定で、その訴えに係る訴訟を簡易裁判所に移送する必要はない。

(R1 予備 第31問 1)
管轄の有無は、口頭弁論の終結の時を基準に判断される。

(正答)

(解説)
15条は、「裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。」と規定している。

(R3 予備 第31問 1)
訴え提起の時に被告の住所が受訴裁判所の管轄区域内になく、その訴えが当該受訴裁判所の管轄に属しない場合には、被告が訴訟係属中に当該受訴裁判所の管轄区域内に住所を移したときであっても、当該受訴裁判所がその訴訟の審理及び裁判をすることはできない。

(正答)

(解説)
4条は、1項において、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定しており、2項において、「人の普通裁判籍は、住所により…定まる。」と規定している。また、15条は、「裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定める。」と規定している。もっとも、訴え提起の時には存在しなかった管轄が、訴訟係属中に被告の転居等により発生するに至った場合には、管轄違いの瑕疵が治癒され、管轄が認められることになる(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版80頁)と解されている。
したがって、訴え提起の時に被告の住所が受訴裁判所の管轄区域内になく、その訴えが当該受訴裁判所の管轄に属しない場合において、被告が訴訟係属中に当該受訴裁判所の管轄区域内に住所を移したときは、当該受訴裁判所がその訴訟の審理及び裁判をすることができる。
総合メモ

第16条

条文
第16条(管轄違いの場合の取扱い)
① 裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。
② 地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H21 司法 第57問 エ)
当事者が専属的合意管轄を定めた場合には、法定管轄のある他の裁判所に訴えを提起することは管轄違いであるから、訴えの提起を受けた裁判所は、当事者が合意した裁判所に訴訟を移送しなければならない。

(正答)

(解説)
16条1項は、「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。」と規定している。また、20条1項は、「前3条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。」 と規定しており、専属的合意は、専属管轄の場合の移送制限から除外されている。
したがって、当事者が専属的合意管轄を定め、法定管轄のある他の裁判所に訴えを提起した場合、訴えの提起を受けた裁判所は、当事者が合意した裁判所に訴訟を移送する必要はない。

(H25 共通 第56問 4)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
この訴訟の管轄を東京地方裁判所とする旨の合意がないにもかかわらず、Xがこの訴えを同裁判所に提起した場合であっても、東京地方裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、簡易裁判所の管轄となる。そして、民事訴訟法16条2項本文は、「地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、…申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。」と規定している。
したがって、大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した場合において、この訴訟の管轄を東京地方裁判所とする旨の合意がないにもかかわらず、Xがこの訴えを同裁判所に提起したときであっても、東京地方裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

(H25 共通 第56問 5)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
この訴訟の管轄を東京簡易裁判所の専属管轄とする旨の合意があるにもかかわらず、Xがこの訴えを東京地方裁判所に提起した場合には、東京地方裁判所は、相当と認めるときは、Yの移送の申立てにより、訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、簡易裁判所の管轄となる。そして、民事訴訟法16条2項は、「地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、…申立てにより…、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。」と規定している。そのため、専属合意管轄がある本肢においては、民事訴訟法16条2項但書は適用されず、同項本文のみが適用される。
したがって、大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した場合において、この訴訟の管轄を東京簡易裁判所の専属管轄とする旨の合意があるにもかかわらず、Xがこの訴えを東京地方裁判所に提起したときは、東京地方裁判所は、相当と認めるときは、Yの移送の申立てにより、訴訟について自ら審理及び裁判をすることができる。

(R1 予備 第36問 1)
第一審裁判所は、法律の定めにより他の裁判所が専属的な土地管轄を有する訴えが提起された場合には、判決でその訴えを不適法なものとして却下しなければならない。

(正答)

(解説)
16条1項は、「裁判所は、訴訟の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。」と規定している。
したがって、第1審裁判所は、法律の定めにより他の裁判所が専属的な土地管轄を有する訴えが提起された場合には、判決でその訴えを不適法なものとして却下するのではなく、管轄裁判所に移送する。

(R5 予備 第31問 1)
貸金100万円の返還を求める訴えについて、大阪簡易裁判所を専属管轄とする合意があるにもかかわらず、大阪地方裁判所に訴えが提起された場合には、大阪地方裁判所は、訴訟を大阪簡易裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、簡易裁判所の管轄となる。そして、民事訴訟法16条2項は、「地方裁判所は、訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、…申立てにより…、訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。ただし、訴訟がその簡易裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合は、この限りでない。」と規定している。
そのため、専属合意管轄がある本肢においては、民事訴訟法16条2項但書は適用されず、同項本文のみが適用される。
したがって、貸金100万円の返還を求める訴えについて、大阪簡易裁判所を専属管轄とする合意があるにもかかわらず、大阪地方裁判所に訴えが提起された場合には、大阪地方裁判所は、訴訟を大阪簡易裁判所に移送することなく、自ら審理及び裁判をすることができる。
総合メモ

第17条

条文
第17条(遅滞を避ける等のための移送)
 第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者及び尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮して、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。
過去問・解説
(H21 司法 第57問 ア)
訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るための移送は、被告の申立てによることなく、裁判所が職権ですることはできない。

(正答)

(解説)
17条は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、…訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、…職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。
したがって、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るための移送は、被告の申立てによることなく、裁判所が職権ですることができる。

(H23 共通 第74問 1)
Xは、薬剤製造販売業者Yが販売した医薬品を摂取したため、健康被害が生じたと主張しているが、Yは、医薬品と健康被害との間の因果関係を争っている。そこで、Xは全国の同様の被害を主張している者に呼び掛けて被害者の会を設立したところ、その会員数は 1000 名を超えた。Xは、全国の会員らと共にYを被告として損害賠償を求める訴えを提起することにしている。
Xらは、Yの住所地にかかわらず、Xらの住所地を管轄する各地方裁判所に訴えを提起することができるが、裁判所は、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
5条9号は、不法行為に関する訴えの管轄について「不法行為があった地」を掲げている。
これについて、裁判例(東京地判昭 40.5.27)は、「不法行為地には行為のなされた地だけでなく、損害の発生した地も含まれる…。」としている。
本肢において、結果の発生した地は健康被害が生じたXらの住所地である。 そのため、Xらの住所地を管轄する各地方裁判所に訴えを提起することができる。
また、17条は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、…訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。
したがって、Xらは、Yの住所地にかかわらず、Xらの住所地を管轄する各地方裁判所に訴えを提起することができるが、裁判所は、訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。

(H29 予備 第31問 1)
大阪簡易裁判所が、事件が複雑であることから相当と認めてその管轄に属する訴訟の全部を大阪地方裁判所に移送した場合であっても、大阪地方裁判所は、証拠の偏在等の事情を考慮し当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、当該訴訟の全部を更に他の管轄裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
17条は、「第1審裁判所は、…当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、…他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。そして、22条は、1項において、「確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。」と規定し、2項において、「移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。」と規定している。 もっとも、移送を受けた裁判所が、移送の理由となったものとは別の事由や決定確定後に生じた新たな事由に基づいて更に移送することはできる(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版42頁)と解されている。
したがって、大阪簡易裁判所が、事件が複雑であることから相当と認めてその管轄に属する訴訟の全部を大阪地方裁判所に移送した場合であっても、大阪地方裁判所は、証拠の偏在等の事情を考慮し当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、当該訴訟の全部を更に他の管轄裁判所に移送することができる。

(R1 予備 第45問 2)
第1回口頭弁論期日の前において、著しい遅滞を避けるための移送の申立てがあったときは、裁判所は、訴訟手続を停止しなければならない。

(正答)

(解説)
17条は、「第1審裁判所は、…訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。
他方、同条に基づく移送の申立てがあった場合に、訴訟手続を停止しなければならないとする規定はない。
したがって、第1回口頭弁論期日の前において、著しい遅滞を避けるための移送の申立てがあった場合でも、裁判所は、訴訟手続を停止する必要はない。
総合メモ

第18条

条文
第18条(簡易裁判所の裁量移送)
 簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。
過去問・解説
(H25 共通 第56問 1)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
Xがこの訴えを東京簡易裁判所に提起した場合には、東京簡易裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を東京地方裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、東京簡易裁判所の管轄となる(民事訴訟法4条1項・2項)。そして、民事訴訟法18条は、「簡易裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送することができる。」と規定している。
したがって、大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した場合において、Xがこの訴えを東京簡易裁判所に提起したときは、東京簡易裁判所は、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟を東京地方裁判所に移送することができる。
総合メモ

第19条

条文
第19条(必要的移送)
① 第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき、又はその申立てが、簡易裁判所からその所在地を管轄する地方裁判所への移送の申立て以外のものであって、被告が本案について弁論をし、若しくは弁論準備手続において申述をした後にされたものであるときは、この限りでない。
② 簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。
過去問・解説
(H25 共通 第56問 2)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
Xがこの訴えを大阪簡易裁判所に提起した後、Yから訴訟を東京簡易裁判所に移送する旨の申立てがあり、Xが移送に同意した場合であっても、大阪簡易裁判所は、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、訴訟を東京簡易裁判所に移送しないことができる。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における貸金100万円の返還を求める訴えは、大阪簡易裁判所の管轄となる(民事訴訟法5条1号)。そして、民事訴訟法19条1項は、本文において、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。」と規定する一方で、但書において、「ただし、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるとき…は、この限りでない。」と規定している。
したがって、Yから訴訟を東京簡易裁判所に移送する旨の申立てがあり、Xが移送に同意した場合であっても、大阪簡易裁判所は、移送により著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、訴訟を東京簡易裁判所に移送しないことができる。

(H29 予備 第31問 4)
簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、その申立ての前に被告が本案について弁論をしていない限り、当該訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
19条2項は、「簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。」と規定している。
したがって、簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、その申立ての前に被告が本案について弁論をしていない限り、当該訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(R3 予備 第31問 2)
売買契約に基づく売買代金の支払を求める訴訟の第一審裁判所である地方裁判所は、当事者の移送の申立て及びこれに対する相手方の同意がある場合においても、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときは、訴訟を移送することができない。

(正答)

(解説)
19条1項本文は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。」と規定している。そのため、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときは移送の制限事由として規定されていない。
したがって、第1審裁判所である地方裁判所は、当事者の移送の申立て及びこれに対する相手方の同意がある場合、訴訟が当該移送の申立てに係る地方裁判所の管轄に属しないときでも、訴訟を移送することができる。

(R4 予備 第44問 オ)
簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が100万円である不動産明渡請求訴訟について、被告が本案について弁論をする前に移送の申立てをした場合には、当該訴訟を不動産の所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
訴額が140万円以下の請求は、簡易裁判所の管轄である(裁判所法33条1項1号・24条1号)ため、本肢における訴訟は、簡易裁判所の管轄となる。そして、民事訴訟法19条2項は、「簡易裁判所は、その管轄に属する不動産に関する訴訟につき被告の申立てがあるときは、訴訟の全部又は一部をその所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。ただし、その申立ての前に被告が本案について弁論をした場合は、この限りでない。」と規定している。
したがって、簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が100万円である不動産明渡請求訴訟について、被告が本案について弁論をする前に移送の申立てをした場合には、当該訴訟を不動産の所在地を管轄する地方裁判所に移送しなければならない。
総合メモ

第20条

条文
第20条(専属管轄の場合の移送の制限)
① 前3条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。
② 特許権等に関する訴えに係る訴訟について、第17条又は前条第1項の規定によれば第6条第1項各号に定める裁判所に移送すべき場合には、前項の規定にかかわらず、第17条又は前条第1項の規定を適用する。
過去問・解説
(H19 司法 第55問 2)
売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合の訴えに関して、訴えがA裁判所に提起された場合であっても、事件の証人が法定管轄のあるB裁判所の管轄区域内に集中しており、訴訟の著しい遅滞を避ける必要があると認めるときには、A裁判所は、当該訴訟をB裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
17条は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、…訴訟の著しい遅滞を避け…るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。そして、20条1項は、「前3条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。」と規定しており、11条が規定している専属的合意管轄がある場合に関しては、20条1項括弧書により17条が適用される。
したがって、売買契約書中に、当該契約に関する紛争についてA裁判所に専属管轄があると定める合意管轄条項がある場合の訴えに関して、訴えがA裁判所に提起された場合であっても、事件の証人が法定管轄のあるB裁判所の管轄区域内に集中しており、訴訟の著しい遅滞を避ける必要があると認めるときには、A裁判所は、当該訴訟をB裁判所に移送することができる。

(H24 共通 第57問 ウ)
裁判所は、訴訟についてその裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合には、訴訟の著しい遅滞を避けるためであっても、その訴訟を他の管轄裁判所に移送することはできない。

(正答)

(解説)
17条は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、…訴訟の著しい遅滞を避け…るため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。」と規定している。そして、20条1項は、「前3条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。」と規定しており、11条が規定している専属的合意管轄がある場合に関しては、20条1項括弧書により17条が適用される。
したがって、裁判所は、訴訟についてその裁判所の専属管轄とする旨の合意がある場合においても、訴訟の著しい遅滞を避けるためであれば、その訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。

(H26 共通 第65問 ア)
第一審裁判所は、訴訟が法令の定めによりその専属管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。

(正答)

(解説)
19条1項本文は、「第1審裁判所は、訴訟がその管轄に属する場合においても、当事者の申立て及び相手方の同意があるときは、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送しなければならない。」と規定している。そして、20条1項は、「前3条の規定は、訴訟がその係属する裁判所の専属管轄(当事者が第11条の規定により合意で定めたものを除く。)に属する場合には、適用しない。」と規定しており、訴訟が法令の定めによりその専属管轄に属する場合に関しては、20条1項により19条1項本文は適用されない。
したがって、第1審裁判所は、訴訟が法令の定めによりその専属管轄に属するとき、当事者の申立て及び相手方の同意がある場合であっても、訴訟の全部又は一部を申立てに係る地方裁判所又は簡易裁判所に移送する必要はない。
総合メモ

第20条の2

条文
第20条の2(特許権等に関する訴え等に係る訴訟の移送)
① 第6条第1項各号に定める裁判所は、特許権等に関する訴えに係る訴訟が同項の規定によりその管轄に専属する場合においても、当該訴訟において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を第4条、第5条若しくは第11条の規定によれば管轄権を有すべき地方裁判所又は第19条第1項の規定によれば移送を受けるべき地方裁判所に移送することができる。
② 東京高等裁判所は、第6条第3項の控訴が提起された場合において、その控訴審において審理すべき専門技術的事項を欠くことその他の事情により著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部を大阪高等裁判所に移送することができる。
過去問・解説
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第21条

条文
第21条(即時抗告)
 移送の決定及び移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
(H22 共通 第58問 4)
移送の申立てを却下した決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
21条は、「移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。

(H27 予備 第45問 2)
移送の申立てを却下する決定に対しては、不服を申し立てることができる。

(正答)

(解説)
21条は、「移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。

(H29 予備 第31問 5)
移送の決定に対しては、即時抗告をすることができるが、移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができない。

(正答)

(解説)
 21条は、「移送の決定及び移送の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。」と規定している。
総合メモ

第22条

条文
第22条(移送の裁判の拘束力等)
① 確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。
② 移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。
③ 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。
過去問・解説
(H21 司法 第57問 ウ)
確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束するが、移送決定の確定後に新たな事由が生じたときは、移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
 22条は、1項において、「確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。」と規定し、2項において、「移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。」と規定している。 もっとも、移送を受けた裁判所が、移送の理由となったものとは別の事由や決定確定後に生じた新たな事由に基づいて更に移送することはできる(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版42頁)と解されている。
したがって、確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束するが、移送決定の確定後に新たな事由が生じたときは、移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができる。

(H25 共通 第56問 3)
大阪市に居住するXが、東京都千代田区に居住するYに対し、貸金100万円の返還を求める訴えを提起した。
Xがこの訴えを大阪簡易裁判所に提起し、同裁判所が、Yの申立てにより、合意された管轄裁判所である名古屋簡易裁判所に訴訟を移送し、この移送の裁判が確定した場合であっても、名古屋簡易裁判所は、Xの申立てにより、この管轄の合意が無効であることを理由に、訴訟を大阪簡易裁判所に移送することができる。

(正答)

(解説)
22条は、1項において、「確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。」と規定し、2項において、「移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。」と規定している。 もっとも、移送を受けた裁判所が、移送の理由となったものとは別の事由や決定確定後に生じた新たな事由に基づいて更に移送することはできる(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版42頁)と解されている。
そして、本肢では、既に移送の裁判が確定した管轄の合意が無効であることを理由としており、移送の理由となったものとは別の事由や決定確定後に生じた新たな事由によるものではない。
したがって、合意された管轄裁判所である名古屋簡易裁判所に対する移送の裁判が確定した場合であっても、名古屋簡易裁判所は、管轄の合意が無効であることを理由に、訴訟を大阪簡易裁判所に移送することはできない。

(H29 予備 第31問 3)
消滅時効の期間の満了前に訴えが提起されて時効の中断の効力が生じた場合には、その後移送の申立てがされ、当該期間の経過後に移送の裁判が確定したとしても、その効力は影響を受けない。

(正答)

(解説)
22条3項は、「移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。」と規定している。
したがって、消滅時効の期間の満了前に訴えが提起されて時効の中断の効力が生じた場合には、その後移送の申立てがされ、当該期間の経過後に移送の裁判が確定したとしても、その効力は影響を受けない。
総合メモ

第23条

条文
第23条(裁判官の除斥)
① 裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第6号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。 
 一 裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
 二 裁判官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
 三 裁判官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
 四 裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。
 五 裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき。
 六 裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。
② 前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。 
過去問・解説
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第24条

条文
第24条(裁判官の忌避)
① 裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
② 当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
過去問・解説
(H21 司法 第56問 2)
当事者が忌避の原因のある裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、たとえ忌避の原因があることを知らなかったとしても、その裁判官を忌避することができない。

(正答)

(解説)
24条2項は、本文において、「当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。」と規定する一方で、但書において、「ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき…は、この限りでない。」と規定している。
したがって、当事者が忌避の原因のある裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、忌避の原因があることを知らなかった場合、その裁判官を忌避することができる。

(H21 司法 第56問 5)
忌避の原因のある裁判官が行った訴訟行為は、忌避の裁判の有無にかかわらず無効であり、その裁判官が終局判決に関与したことは、上告の理由及び再審の事由に該当する。

(正答)

(解説)
 24条1項は、「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。」と規定しており、忌避の裁判はその裁判によって裁判官を職務執行から排除するという意味で形成的なものである(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版88頁)と解されている。
したがって、忌避の原因のある裁判官が行った訴訟行為為は、忌避の裁判の有無にかかわらず無効となるわけではない。
また、312条2項2号は、上告の理由として、「法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。」を掲げており、338条1項2号は、再審の事由として、「法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。」を掲げている。そして、除斥原因ある裁判官が判決の作成に関与した場合がこれに該当する(三木浩一ほか「LegalQuest 民事訴訟法」第4版630頁)と解されている。
したがって、忌避の原因のある裁判官が終局判決に関与したことは、上告の理由及び再審の事由に該当しない。
よって、忌避の原因のある裁判官が行った訴訟行為は、忌避の裁判の有無にかかわらず無効となるわけではなく、その裁判官が終局判決に関与したことは、上告の理由及び再審の事由に該当しない。

(H23 共通 第56問 ウ)
裁判官について忌避の原因があるときは、裁判所は、当事者の申立てがなくても、当該裁判官を職務の執行から排除する旨の決定をする。

(正答)

(解説)
24条1項は、「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。」と規定している。そのため、忌避の手続は、職権によっても開始される除斥の場合と異なり、当事者の申立てのみによって開始される。
したがって、裁判官について忌避の原因があるときは、裁判所は、当事者の申立てのみによって、当該裁判官を職務の執行から排除する旨の決定をする。
総合メモ

第25条

条文
第25条(除斥又は忌避の裁判)
① 合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の1人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、決定で、裁判をする。
② 地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。
③ 裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。
④ 除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。
⑤ 除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。
過去問・解説
(H21 司法 第56問 3)
合議体の構成員である裁判官の除斥については、その裁判官の所属する裁判所が、決定で、裁判をする。

(正答)

(解説)
25条1項は、「合議体の構成員である裁判官…の除斥…についてはその裁判官の所属する裁判所が、…決定で、裁判をする。」と規定している。

(H23 共通 第56問 イ)
裁判官に対する忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
25条4項は、「除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。」と規定している。
したがって、裁判官に対する忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(H27 予備 第45問 1)
忌避の申立てを認容する決定に対しては、不服を申し立てることができない。

(正答)

(解説)
25条4項は、「除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。」と規定している。
したがって、忌避の申立てを認容する決定に対しては、不服を申し立てることができない。
総合メモ

第26条

条文
第26条(訴訟手続の停止)
 除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
過去問・解説
(H21 司法 第56問 4)
除斥又は忌避の申立てがあったときは、急速を要する行為を除いて、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。

(正答)

(解説)
26条は、「除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。」と規定している。
したがって、除斥又は忌避の申立てがあったときは、急速を要する行為を除いて、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。
総合メモ

第27条

条文
第27条(裁判所書記官への準用)
 この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合においては、裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。
過去問・解説
(H23 共通 第56問 ア)
裁判所書記官は、忌避の対象にはなるが、除斥の対象とはならない。

(正答)

(解説)
裁判所書記官への準用について規定している27条前段が準用している第3節は、裁判官の除斥及び忌避について規定している。
したがって、裁判所書記官は、忌避及び除斥の対象になりうる。
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